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2006年7月28日 (金)

ウィリアムズ・トヨタの不安

 トヨタが来シーズンからウィリアムズにエンジンを供給することが発表された。供給期間は3年間,トヨタワークスと同一スペックのエンジンが供給される。お金には厳しいウィリアムズのこと,一時はレクサスのバッジネームをつけることで無償供給を勝ち取ったとも噂されていたが,結局のところ年間1000万ユーロ程度の有償供給に落ち着いたようである。これにより今シーズントヨタエンジンを使用していたミッドランドは,コスワースエンジンを使用することになると考えられている。

 エンジンの性能は,成績を左右する大きなファクターであることは言うまでもない。ドライバー・シャシー・エンジンがバランスよくかみ合ったとき,好成績を上げられるチャンスがやってくる。ご多分に漏れず,ウィリアムズもエンジンにより成績の浮き沈みがはっきりとしていたチームである。ホンダ・ルノー・BMWなどのワークスエンジンを獲得したときは高い戦闘力を発揮しているが,ワークスを失うとジャッド・メカクローム(スーパーテック)・コスワースなどのカスタマーエンジンでしのぎ,上位浮上のチャンスをうかがってきた。

 そして今回のトヨタエンジン獲得である。自動車メーカーがすべて自チーム(メルセデスはマクラーレンに資本提携)を所有している現在,ワークス供給のエンジンが期待できるわけもない。今回ウィリアムズに供給されるエンジンもワークスと同性能とは言え,カスタマーエンジンであることは変わりない。今シーズンフェラーリエンジンを使用しているレッドブルが,性能調整をされたコスワースV10を搭載するトロ・ロッソとたいして変わらないのもある意味当然である。レッドブルは最新スペックを供給しないフェラーリエンジンを捨て,ルノーエンジンを獲得しようとしているのは周知の事実である。

 ここで不安なのが,来シーズンのウィリアムズ・トヨタで,同じことが起きないかということである。ウィリアムズは高い技術力と抜群のチームワークで長くF1界をリードしてきたトップチームであった。フランク・ウィリアムズ&パトリック・ヘッド&エイドリアン・ニューウィーががっちりとスクラムを組んでいた「常勝」ウィリアムズであれば問題ないが,ここ最近のウィリアムズはチームの成績不振を責任転嫁する傾向がはっきりと見られ,技術力だけでなく統率力の低下も目立っている。BMWと決別したことも,そのチーム力低下を認められない責任転嫁の体質が生み出してしまったものである。もう一度その体質を「カイゼン」し,来シーズンは持ち前の技術力でトヨタワークスを喰ってくれることを期待したい。

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