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2006年7月 3日 (月)

チームリーダーに求められるもの

 大波乱のうちにミハエル・シューマッハの優勝で幕を閉じたアメリカGP。今シーズン最上位の18番手からスタートしたSAF1の佐藤琢磨にとっては,悔しさの残るレースとなってしまった。レースはスタートから混乱した。1・2コーナーで発生した多重クラッシュにより,7台ものマシンが一瞬にしてリタイヤに追いやられた。その中には琢磨のチームメイトであるフランク・モンタニーも含まれていた。モンタニーはこれで2戦連続1週目でのリタイア。アメリカGPまでのドライバー契約になってるモンタニーにとって,北米2連戦は非常に重要な戦いだったが,パフォーマンスを示す前に幕を閉じてしまった。

 多重クラッシュによりセーフティカーか入っていたレースは,7周目に再開となった。その直後,SAF1にとって思わず目を覆いたくなるような光景が待ち受けていた。1コーナーでミッドランドのティアゴ・モンテイロに並びかけた琢磨であったが,直後2台は接触。琢磨はそのまま1コーナー先のグラベルにマシンを止めリタイヤとなる。一方のモンテイロはパーツをまき散らしながら何とかレースを続行しようと試みるも,結局今シーズン2度目となるリタイアを喫している。レースはその後もサバイバルの様相を呈し,結局完走9台の荒れた展開となった。レースにタラレバは禁物だが,完走していればトップ10,あわよくばポイントも夢ではなかっただけに,琢磨の接触は悔やまれてならない。

 セーフティカー明けの接触というと,昨年のベルギーGPが記憶に新しい。レインコンディションの難しい状況の中,1コーナー「ラ・ソース」に飛び込みシューマッハと接触,両者その場でリタイアとなった。マシンを止めたシューマッハは琢磨に詰めより一言二言もの申した後,琢磨のヘルメットをポカリのはたいた姿が国際映像で映され物議を醸した。昨年の琢磨はこの接触だけでなく,レース序盤に多くの接触を引き起こしレースを棒に振っている。シーズン序盤に多くの不運に見舞われ,その遅れを取り返そうとプッシュしすぎた結果は,B・A・R解雇という最悪の形で結末を向かえることとなる。

 今回の接触も,昨年度同様「レーシングアクシデント」と片づけることができるだろう。しかし,昨年度と決定的に異なるのは,琢磨の置かれているポジションである。B・A・Rのセカンドドライバーとして,ちぐはぐの戦いを強いられていた昨年とは違い,現在は新興SAF1を牽引するファーストドライバー,いやそれ以上の精神的支柱とも言うべき存在である。だとすれば,あの場面でモンテイロに仕掛けることが果たして本当に適切な判断だったのか?

 琢磨のファイティングスピリッツあふれる走りは,多くのファンを魅了する。事実,マレーシアGPで一度追い抜かれたトロ・ロッソのビダントニオ・リウッツィを再びオーバーテイクしたシーンには,多くのファンを魅了した。今シーズンの琢磨は攻撃的なレースを随所で見せつつも,引くところは引いてチームに多くのデータをもたらしていた。しかし,今回の接触はチームリーダーとしての走りではない。以前の「カミカゼ琢磨」に戻ってしまったような走りであった。レースは結果が全てである。完走しなければ,次へとつながるものはない。それについては外野がとやかく言うまでもなく,琢磨自身が一番感じ取っているはずである。それでもなお今回のようなアクシデントを起こしてしまうのは,ドライバーとしての血が騒ぐのであろうか。それとも早く「レース」をしたい気持ちの表れなのか。いずれにせよ,このままではせっかく築き上げた信頼を損ねてしまうことになる。新車投入とともに,心を入れ替えて戦ってくれるとよいのだが・・・。

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