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2006年7月21日 (金)

SA06発進!!

 待ちに待ったSAF1のニューマシン「SA06」が走り出した。場所はチームのファクトリーから30分と近い,シルバーストーンの1.2km南コース。遅れに遅れた開発の裏側には,想像以上のストレスがあったことは言うまでもない。姿を現したそのマシンを見てみると,フロントセクションはまだ開発途中ということもあり,従来通りのフロントノーズが装着されているため第一印象は「SA05」とさほど変わらないように見える。しかし,リアセクションは大きく印象を変え,現代的なマシンとして生まれ変わっている。サイドポットはえぐられ,ラジエーターインテークもより小型化されている。ギアボックスの新造に伴いエンジンマウント位置も低下,サイドポット後方は大きく絞り込まれた。チムニーダクト,タイヤフェアリング,リアウイング翼端板も大きく形を変え,長い時間風洞実験を行ったことを物語っている。

 その一方で,時間的・資金的に妥協をせざるを得なかった部分も多く見て取れる。モノコックがSA05のデザインを引き継いでいるのはもちろん,インダクションポットやサイドプロテクターのデザインもほぼ同じものとなっている。注目されていたフロントサスペンションの取り付け方法も,マーク・プレストン/チーフテクニカルオフィサーが語っていたゼロキールではなく(ルノーと同じVキールになるとの話もあったが)従来通りのツインキールとなっている。わずかにキールが短くなったことと,アッパーアームの形状が変化した点がフロントセクションでは外観上の変更点となっている。

 フロントセクションの投入はトルコGPになる予定なので,その時点で若干の変更があるかもしれない。とは言えサスペンションのマウント方法が大きく変更されるとは考えにくく,結局のところ「SA05改」のフロント部分と最新構造を持つリア部分の「SA06」で構成されるハイブリットカーという位置づけである。現在のマシンは「SA06A」と呼ばれるようで,トルコGPに登場するフルコンプリートパッケージのマシンが「SA06B」となる。ドイツ&ハンガリーGPではマシンバランスのとれない状態で戦うことになるが,それとて今までの苦しい戦いと比べれば格段に戦闘力が上がるはずである。

 ドイツGPですぐに結果を期待することは難しいだろうが,純粋な「速さ」の部分では期待が持てる。チーム首脳陣は,1周あたり約2秒のタイムアップが期待できるとのコメントしている。現在間近のライバルであるミッドランドとは1~1.5秒の差があるが,これは新車投入によって逆転できる差と考えられている。そのミッドランドも,へレステストに参加し,新構造のサスペンションテストを行うなど開発に余念がない。本来であればとっくに追いつかれているはずだったミッドランドにとっても,いよいよ尻に火がついたというところだろうか。

 それにしてもSAF1のスポンサー獲得は急務だ。カラーリングは赤主体の新デザインになっても,スポンサーステッカーは相変わらず小さく少ない。テールエンダーとして国際映像にも映らないようなチームに,多額の投資をする企業が現れるはずもないが,新車投入によって周囲の期待はふくらむばかりである。ミッドランドが伸び悩む中1ポイントを獲得することが出来れば,FOCA便による輸送費の負担もなくなり資金的にも大きく前進することになる。今シーズンはともかく,来シーズンの活動するだけの最低限の資金を調達するためにも,残り8戦で「結果」を出すことが求められる。チームの士気は依然高いと伝えられている。まずはドイツGPでの走りを期待したい。

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