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2006年8月 6日 (日)

ハンガロリンクの罠

 3日間を通して何の波乱もないGPなどあるはずないのだが,今年のハンガリーGPはスタートを前に波乱含みの様相を呈している。昨日ルノーのフェルナンド・アロンソがフリー走行中の黄旗無視と走路妨害により,公式予選タイムに2秒加算のタイムペナルティが言い渡されたことに続き,フェラーリのミハエル・シューマッハにも全く同じ2秒加算のペナルティが課せられた。フリー走行3回目に,ホンダのジェンソン・バトンがエンジントラブルを起こしコース上にストップ,セッション中断の赤旗が提示された。にもかかわらずシューマッハは,2台ないし3台のマシンを追い越したというのである。

 赤旗はコース上で重大なアクシデントが起きていることを示すものであり,それを無視することは危険きわまりない行為として,ペナルティの対象になって当然である。しかも3台も追い越したとなると,「ついうっかり」だけではすまされず,今回のような厳しいペナルティが言い渡されても不思議ではない。しかし,赤旗提示中に前車を追い越すことが出来ないことなど,F1パイロットではなくとも当然知っていることであり,用心深いシューマッハがそんな愚行を行うのかという疑問も残る。ましてやアロンソのペナルティがあっただけに,いつも以上に慎重にならざるを得ない場面でのことである。

 さらに腑に落ちないのは,昨日のアロンソと「全く同じペナルティ」が,シューマッハに言い渡されたことである。レーススチュワードの一貫性のない判定については昨日も示したが,アロンソへのペナルティはタイトル争いに微妙な影を落とした。モナコGPに次いで平均速度の低い,いわゆるミッキーマウスサーキットであるハンガロリンクでの予選ポジション後退は,即優勝争いからの脱落を意味する。マス・ダンパーの一件も含めて,ルノーバッシングともとれる判定に対し,フラビオ・ブリアトーレ代表も「タイトルを奪い取ろうというのか!」と怒りをあらわにしていた。

 そこに来て,圧倒的優位に立ったシューマッハに対する同様のペナルティである。仮にシューマッハが赤旗中に3台抜いたというのであれば,すなわち3度の違反を犯したということになり,シューマッハには3秒のタイム加算措置がとられなければならない。また,フェラーリのロス・ブラウン/テクニカルディレクターの言うように,違反が「ただ1度だけ」だったのであれば,1回の違反で1秒のタイム加算となるはずである。しかしシューマッハに与えられたのは,アロンソと同じ「公式予選タイムに2秒加算」のペナルティ。これで何も疑うなというほうが無理である。今回のペナルティ合戦は両者痛み分けという結果に終わったが,改めて違反に対する判定基準の曖昧さを浮き彫りにした。今日の決勝レース,さらなるハンガロリンクの罠が,大きく口を開けて待っているのかもしれない。 

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» F1 ハンガリーGP 予選 [Emotional]
FIAは、F1のチャンピオン争いを面白くする事を考えてたと思う。 フェルナンド・アロンソのフリー走行2回目の最中、ロバート・ドーンボスに対して行った進路妨害と、黄旗区間での追い越しに対し、予選の各セッションにそれぞれ2秒を加算するというペナルティを与えた。... [続きを読む]

受信: 2006年8月 6日 (日) 15時48分

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