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2006年8月 5日 (土)

一貫性のない判定

 今シーズンの流れを一気に変えてしまうかもしれないペナルティが,ルノーのフェルナンド・アロンソに与えられそうだ。アロンソが昨日行われたフリー走行中に,イエローフラッグ区間でレッドブルのロバート・ドーンボスを追い越し,更に「異常なスローダウン」をし走路妨害をしたというもの。ハンガリーGPのレーススチュワードはペナルティの詳細を,黄旗追い越しと走路妨害それぞれに対してそれぞれ1秒,合計2秒を公式予選の各ピリオドで加算するとしている。これにより追い越しの難しいハンガロリンクで,アロンソの上位進出は絶望的。タイトル争いに暗い影を落とすペナルティになる。

 ペナルティがレース結果やチャンピオンシップ争いに大きな影響を与えたケースは少なくない。モナコGPでフェラーリのミハエル・シューマッハが,公式予選中に故意にマシンをストップさせたとして,公式予選のタイムを抹消され最後尾スタートを言い渡されたことは記憶に新しい。これによりシューマッハは一時チャンピオンシップの流れを完全にアロンソに奪われている。過去にさかのぼれば'97年,ドライバーズタイトルをウィリアムズ・ルノーのジャック・ビルニューブと争っていたシューマッハ自身も,タイトル争いを接触で終わらせようとしたあげく,シーズンの全ポイントを剥奪されている。

 さて,アロンソのペナルティは自業自得なのだが,問題なのはそのの判定基準が曖昧なことである。違反に対するペナルティは各GPのレーススチュワードが行うが,いかんせんこの判定に一貫性がない。今回のアロンソのような黄旗追い越しや走路妨害に対しては,レース中ならばドライブスルーペナルティや,レース結果へのタイム加算ペナルティが課せられたこともあった。しかし,フリー走行中の違反に対して「1度の違反で1秒加算」というペナルティが課せられるのは今回が初めてである。フリー走行中によくあるのがピットレーンのスピード違反だが,そのほとんどが罰金で済まされている。今シーズンから全レースに帯同するスチュワードもいるはずだが,一貫性のない判定は未だ続いている。

 1990年に現SAF1の鈴木亜久里代表が在籍していたエスポラルース・ランボルギーニは,ローラ社製のシャシーを使用しているにもかかわらず,登録名称が「ラルース・ランボルギーニ」だったことを理由に,全コンストラクターズポイントを剥奪されている。昨シーズン,B・A・Rホンダの3レース出場停止もそうだが,F1シーンにおけるペナルティは,多分に政治的な要素が含まれていることは今更言うまでもない。今回のアロンソへのペナルティにそういった要素はないのかもしれないが,「タイトルを奪い取ろうというのか」というフラビオ・ブリアトーレ代表の怒りも理解できる。マス・ダンパーの問題も含めルノー&アロンソにとっては「泣きっ面に蜂」のハンガリーGPになりそうだ。

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