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2006年8月18日 (金)

タバコマネーの終焉

 ルノーのスポンサーであるスペインの電話会社「テレフォニカ」が,来年度も引き続きルノーへの支援を行うようだ。元々テレフォニカは,マルク・ヘネがミナルディに持ち込んだことからF1への支援を始めたのだが,ここ数年は,同国の英雄,フェルナンド・アロンソ駆るルノーに多くの資金を投じてきた。しかしそのアロンソが来季マクラーレンに移籍となり,その行き先が注目されていた。マクラーレンは来季から「ボーダフォン」がメインスポンサーになることが決まっており,テレフォニカもアロンソとともにマクラーレンに鞍替えというわけにはいかなかったようだ。傘下の「O2」ブランドで行っているBMWザウバーへの支援を打ち切ったことで,テレフォニカは来シーズン,ルノーのメインスポンサーになることも考えられる。

 その一方で長年にわたりベネトン~ルノーのメインスポンサーを務めてきた「マイルドセブン」(JT)は,今シーズン限りでのF1撤退が現実を帯びてきている。JTは1992年にヴェンチュリ・ラルースからデビューした片山右京とともに「キャビン」ブランドでF1に登場。1994年からは「マイルドセブン」ブランドでベネトン(現ルノー)のメインスポンサーとなり,以来13年に渡りその支援を続けてきた。しかし,EU加盟国で始まったタバコ広告の全面禁止に伴い,マクラーレンを支援してきた「ウエスト」が,昨シーズン途中で撤退するなど,長年F1界を支えていたタバコマネーは,サーキットから姿を消そうとしている。

 過去にスポンサーとしてF1に係わった日本企業は枚挙にいとまがないが,1つのチームのメインスポンサーとしてこれだけ長期にわたって係わってきた企業はJT以外に存在しない。'80年代後半から'90年代前半のバブル時代には多くのジャパンマネーがF1界に進出したが,そのどれもがバブル崩壊と同時にF1から手を引いていった。しかしその中に於いてJTは着実に足場を整え,昨年遂に「チャンピオンブランド」としての栄誉を勝ち取っている。この十数年でマイルドセブンは世界中にその名を知らしめることとなった。事実JTの海外たばこ事業は好調であり,国内を併せた販売シェアは世界第3位という地位を確立している。

 スポンサーとして初めてF1マシンに描かれたのは,1968年にロータスをイギリスのインペリアル社が「ゴールドリーフ」ブランドで支援したことが最初である。以来多くのブランドがF1マシンを彩っていたが,現在F1界に残っているタバコマネーはJTを除くとフェラーリのメインスポンサーである「マールボロ」と,ホンダの「ラッキーストライク」を残すのみとなっている。マールボロは今後もフェラーリへの支援を続けていくことを表明しているが,ラッキーストライクもマイルドセブン同様今シーズン限りで見納めとなるだろう。長いF1の歴史の中で,40年近くもその足下を支えていたタバコマネー。極彩色のマシンがグリッドを飛び立つ姿は,もう過去のものになろうとしている。 

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