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2006年8月 3日 (木)

イス取りゲームが始まった

 第3ドライバーのレギュラー昇格が相次いでいる。BMWザウバーが今週末に行われるハンガリーGPで,ジャック・ビルニューブにかわりロバート・クビサを起用するのに続き,ウィリアムズがマーク・ウェバーにかわり,第3ドライバーのアレクサンダー・ブルツを来シーズンから昇格させると発表した。クビカの起用は,ドイツGPでビルニューブがクラッシュしたことによる一時的なものとも考えられるが,チームは今後のドライバーラインナップについて明言を避けている。ハンガリーGPでクビカが印象に残る走りを見せようものなら,ビルニューブの座るシートはもうないかもしれない。

 クビサのレギュラー昇格は既定事項であり,その時期が多少早まっただけのことであるが,ブルツの起用は正直予想外のニュースだった。ブルツの豊富なレース・テスト経験に加え,メカニカルに対する深い理解力,エンジニアに対する的確なフィードバック能力はチーム内でも高い評価を得ており,「速い」「安い」「巧い」のブルツはフランク・ウィリアムズのお気に入りでもあった。しかし,「巧い」の点ではブルツに一日の長があるものの,「速い」の点ではウェバーとブルツ,ふたりの間にさして差はないようにも思える。問題は「安い」の部分。そこに今回の交代劇の裏側が見え隠れする。
 
 是が非でもレギュラードライバーのシートに収まりたいブルツが,契約金など二の次なのに対して,ウェバーがウィリアムズに残留する場合は,大幅な契約金のダウンを受け入れなければならなかったと見られている。昔からマシンには金をかけるが,ドライバーには金をかけないのがウィリアムズである。資金的にも余裕のない中,フラビオ・ブリアトーレに財布を握られたウェバーだったら,安いブルツを選択するのはある意味当然の結論である。ウェバー自身も「チームは現在置かれた状況から,とりわけお金が我々の問題になっていた」と語っており,ウィリアムズの財政難を裏付けている。

 そうなるとブリアトーレが考えなければならないのが,ウェバーの再就職先である。とは言え残されたシートは少ない。マクラーレンかルノーがベストだとウェバー・パパは言うが,こればかりはキミ・ライコネン,さらにはミハエル・シューマッハが進退を決めなければどうにもことは動かない。さらにどちらになったとしても,マクラーレンにはルイス・ハミルトン,ルノーにはヘイキ・コバライネンと,若くて勢いのあるライバルがステップアップのチャンスをねらっている。BMWザウバーのシートはクビサで決まりだろうし,レッドブルはF1候補生を多数抱えている。元々数が少ないF1のシートを守り続けていくのは大変なことである。実力がなければ評価もされないが,実力だけでは生き残れないのもF1界。さて,今年もイス取りゲームが始まった。

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