« SA06は失敗作? | トップページ | 記録と記憶に残るスター »

2006年8月15日 (火)

トヨタの目指すもの

 トヨタのGPMAからの脱退が昨日発表されたが,この件に関してはさほど驚きを持って捉えられてはいない。ルノーがGPMAから距離を置いた時点で,この組織の存在は希薄なものとなっていたのだし,2008年からの継続参戦が確約されている以上,トヨタがGPMAにとどまる理由もさして見あたらなかったのだろう。事実,トヨタとしては先日発表されたエンジン凍結案に対しては依然反対の姿勢を示しているものの,2012年までの新しいコンコルド協定については,近く同意する意向を示している。

 この発表の中でトヨタは自らの立場を,「技術的な挑戦の維持」と「独立チームに対する支援継続」という2点に加え,「地球環境およびF1メーカーを保護するために,技術的レギュレーションを提案」としている。先週のエンジン凍結案の中で,GPMAが新機軸のパワーユニットの導入についてのワーキンググループを発足させるという記事があった。この「新機軸のパワーユニット」とは,ハイブリッドエンジンのことと見て間違いないだろうが,すでにトヨタはFIAに対し,ハイブリッドエンジンに関する技術提供を行っている。このことから見ても,トヨタは未来に向けた技術開発の分野で,他メーカーをリードする立場を目指していることがよく分かる。

 トヨタはF1参戦にあたり莫大な資金を投入してきた。WRCを撤退してF1参戦の準備を着々と進め,その前線基地であったTTEを母体にTMGを設立。他チームをはるかにしのぐ莫大な資金と,550人以上と言われるスタッフのもとF1へのチャレンジを続けてきた。昨シーズンは,オフのテストが始まると同時に新車TF106をデビューさせ,モナコGPでは早くもTF106Bを投入するなど,他チームを凌駕する開発スピードを誇り,束の間の夏休みとなった現在でもファクトリーで開発を続けている。しかし,そのハードワークにもかかわらず,F1挑戦5年目に至っても勝利を挙げることができていないことに,チーム内外から苛立ちの声が上がっていることも事実である。

 トヨタは今後,どのような道を目指すのであろうか。先にも述べた「環境に配慮した新機軸パワーユニット」の開発においては,中心的な役割を果たしていくものと思われるが,それよりもまずほしいのは「初勝利」であろう。来年度からのウィリアムズへのエンジン供給に関しては,車体開発のノウハウを共有するとの話もある。ドイツ・ケルンを本拠地とするトヨタは,物的・人的な面から見てもその立地条件の中でのハンディもある。効率的なチーム運営をするためには,2008年からホンダがSAF1をBチーム化するように,トヨタもウィリアムズをBチーム化することも十分考えられる。いずれ未来の日本人F1候補生達が,そこからデビューする日が来るのかもしれない。

|

« SA06は失敗作? | トップページ | 記録と記憶に残るスター »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: トヨタの目指すもの:

« SA06は失敗作? | トップページ | 記録と記憶に残るスター »