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2006年8月22日 (火)

スーパーライセンスという壁

 後々のことを考えると,優秀な人材はできるだけ早く確保するにこしたことはない。近年はドライバーの若年化が進んでいるが,トルコGPでBMWザウバーの第3ドライバーに起用されるセバスチャン・ベッテルも,現在ユーロF3でランキング2位につける若干19歳の若者だ。ザウバー時代からミドルフォーミュラの若手を積極的に起用してきたことは,このチームの大きな特徴ともいえる。先のハンガリーGPでデビューした2005年ワールド・シリーズbyルノーチャンピオンのロバート・クビサは21歳。それ以前にも20歳そこそこの若手にチャンスを与え,優れたドライバーを輩出している。

 その中でも特に有名なのが,現マクラーレンのキミ・ライコネンだろう。F3から国際F3000(現GP2)などのカテゴリーを経験せずにF1デビューを飾るドライバーは少なくない。しかしライコネンはF3を経験することなく,英フォーミュラ・ルノーから一気にF1にステップアップした強者である。モータースポーツを始めてから僅か5年でF1レギュラーシートを手に入れた佐藤琢磨の場合も奇跡に近い快挙と言われたが,ライコネンの3階級特進は正に奇跡といえる。しかし,その実力は誰もが認めることであり,それを見いだしたペーター・ザウバー氏の眼力もさすがである。ただ,度々話題になる酒癖の悪さまでは見抜けなかったようだが・・・。

 さて,第3ドライバーとはいえF1参戦を果たすには,スーパーライセンスが必要になることは言うまでもない。下位カテゴリーでそれなりの成績を収めていれば問題なく発給されるのだが,F3からの飛び級組の場合その年のチャンピオンでなければ発給資格はない。そのためベッテルの場合は,「事前に300km以上のテストドライブをしていれば,そのテスト結果や過去の参戦実績を基にF1委員会の審査により発給を認められる」という例外条件が適用される。先に挙げたライコネンやホンダのジェンソン・バトンも,この特例によりスーパーライセンスの発給を受けたドライバーである。

 しかし,この発給条件はなかなかのくせ者で,過去にも多くのドライバーが涙を飲んでいる。1992年にブラバム・ヤマハからデビューの予定であった中谷昭彦が,条件を満たしていたにもかかわらずスーパーライセンスの発給が認められなかったことは有名である。ベッテルの参戦するユーロF3はハイレベルであり,その中でタイトル争いをしているベッテルには,間違いなくライセンスが発給されるだろう。しかし過去には,どう考えてもF1をドライブできるレベルにないドライバーに,スーパーライセンス発給が認められたこともあった。F1が世界最高峰のカテゴリーであるならば,そこに集まるドライバーも世界最高峰であるべきである。FIAには厳正かつ公平な審査を望みたい。

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BMWザウバー〜セバスチャン・ベッテルがテストドライバーに?の続報です。 トルコGPに向けて、BMWザウバーがセバスチャン・ベッテルのF1スーパーライセンスを申請し承認待ちという噂がでているそうです。 ベッテルをよく知る人のコメントでは、 ゲルハルト・ノア ベッテルは、マイケル(ミハエル・シューマッハ)と同じくらいの判断力と野心がある。 だそうです。すごそうですね。 ... [続きを読む]

受信: 2006年8月22日 (火) 17時57分

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