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2006年8月13日 (日)

SA06は失敗作?

 つかの間の夏休みに入ったF1シーズンだが,それはカレンダーの上でのこと。各チームは今もファクトリーで,現行マシンの整備・改良や来年度マシンの設計・開発に余念がない。新車を投入したばかりであるSAF1にとってもそれは同じこと,いや,現行マシンの開発が進んでいないことを考えれば,他チーム以上のハードワークをしているのであろう。関係者や一部ファンの間では,新車投入にもかかわらずトップから5秒落ちのタイムしか出せないSA06を「失敗作」と呼ぶ声もあるが,チームのエース佐藤琢磨は,「SA06はまだまだ進化する」と語っている。

 ドイツGPで投入されたSA06は,非常に中途半端な形で投入されたマシンである。そのフロントセクションはSA05のものが引き継がれており,完全な新車でないことは何度もアナウンスされている。アロウズA23ベースのフロントと,最新の技術で開発されたリアを持つSA06は,その設計思想に5年もの隔たりがあるきわめて極めて特異なマシンである。SA05に比べれば戦闘力は格段に上がったもの,難しいセットアップを強いられることはある程度予想できた。事実ハンガリーGPでは,コンディションによってアンダーとオーバーを繰り返す極めて運転づらい状況にあったという。

 SA06のリアセクションが高い安定性を得たことで,コーナーでの挙動が大きく乱れることもなくドライバーは安心して踏むんでいくことができている。その反面フロント部分は旧式のため,ダウンフォース不足は顕著である。空力的な問題もあるが,フロントサスペンションも旧態依然としたツーンキールでは剛性が十分確保されていたいことは明白である。トルコGPからはこのサスペンションもゼロキールとなり,フロント周りのデザインも一新される。2段階のアップデートを経て,ようやくSAF1はライバルと正面切って戦える「新車」を手に入れる。そういった意味では,SA06の真価はトルコGP以降で問われるべきであり,今の段階でSA06を「失敗作」と呼ぶのは時期尚早である。

 新車投入によって,第1目標である「ライバルと争える位置」まではたどり着くことができた。しかしその上を狙うには,まだ今ひとつ速さが足りないのも事実である。直近のライバルはミッドランドであるが,もちろん彼らとて開発の手をゆるめているわけではない。予選ではしばしばQ2に進む一発の速さも持っているし,何よりもその高い信頼性はSA06にないものである。コンストラクターズ争いを考えると,ハンガリーGPでミッドランドが9位・10位フィニッシュしたことで,SAF1はポイントを取らなければ彼らの上に立つことはできない。厳しい目標ではあるが,実現不可能な話ではない。琢磨の言うように「痛快」な逆転劇で,SAF1を侮っているライバルをねじ伏せてもらいたい。

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