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2006年9月26日 (火)

F1はプライベートクラブ

 日本は秋の長雨という梅雨と同じくらいうっとおしい季節を迎えているが,今週末に上海サーキットで行われる中国GPも,残念ながら雨の予報が出ている。ミハエル・シューマッハ現役引退という衝撃が走ったイタリアGPから3週間。2006年のF1サーカスは,いよいよクライマックスに突入しようとしている。序盤戦はルノー&フェルナンド・アロンソの独走かと思われたタイトル争いだが,中盤戦以降ルノーは失速。現在は引退発表をしたことでチームが一丸となっている,フェラーリ&シューマッハが優勢である。ルノーにっとってはアロンソが移籍することも,プラスには働かないだろう。

 そのアロンソは,今もフェラーリ&シューマッハに対して激しい憎悪を抱いている。もともとタイトルを争うライバル同士,ある程度の確執はあったのだが,マス・ダンパー禁止問題や前回の予選タイム剥奪ペナルティが,その感情の炎に油を注いでしまった。彼らが今まで行ってきたアンフェアな戦い方が,根っからのファイターであるアロンソには気に入らない。「FIAはフェラーリ贔屓」という点についても,撤回どころかますますライバル心をむき出しにしている。アロンソはそういった感情をモチベーションとしているのだろうが,あまり露骨に表現すると自分自身の首を絞めることになりかねない。

 「F1はスポーツではなくなってしまった。お金と政治の争いだ。」サンケイスポーツのインタビューに対し,アロンソはそう話している。しかし,元来F1は「スポーツ」と呼ぶべきものなのか,そこから考え直さなければならない。ジャーナリストのピーター・ウィンザー氏は「F1は金持ちの一部特権階級による,プライベートクラブであったことを忘れてはならない。」と語っている。自分たちの「プライベートクラブ」に対して,来る者は拒まず去る者は追わずでは,今現在のF1は存在しなかった。そこには密室で決められてきた,幾つもの契約が存在したのだろう。F1の歴史を振り返れば,今回のようなことは数多く起こってきたことであるし,お金と政治の争いは今更始まったことではない。

 「正々堂々と勝つ!」いかにもファイターらしい,アロンソの偽りざる気持ちであろう。しかし,現在のF1界を全て否定することは危険である。ただ単純に,地球上で最も速いマシンを操る最も速い者を選ぶことだけが,F1の目的ではないのだ。アロンソの熱い感情は,オリンピックやサッカーワールドカップと並ぶ「世界3大スポーツ」にまで発展したF1の現在位置を,著しく変化させてしまうことになりかねない。もっとも,25歳の史上最年少チャンピオンには,そんなつもりは毛頭ないないだろう。それでも尚,彼の言動に対を苦々しく思っている「プライベートクラブ」の連中が,彼を黙って見過ごしてくれるとも思えない。ファンとしては,何ごともなくトラックで決着をつけてほしいが・・・。

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