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2006年9月22日 (金)

混迷のシルバーストーン

 ドライバーにとって最も幸せなことは,言うまでもなくレースを走ることである。したがってテストはあまり好きではないドライバーも多い。一昔前は,そういったドライバー達も渋々テストを行っていたが,近年は各チームとも専属のテストドライバーを抱えているので,レースドライバーはゆっくり羽を伸ばすこともできる,しかし,それが自ら望んだものか,それとも意図的に外されたかではだいぶ事情が異なる。3日間に渡ってシルバーストーンで行われた合同テストでは,テストの内容や結果はともかく,各チームの来シーズンを睨んだ微妙な駆け引きが興味をそそった。

 一番の驚きは,SAF1のサードドライバーであるフランク・モンタニーが,トヨタのステアリングを握ったことに尽きる。このことは「モンタニーを手放すな!!」で語ったので割愛するが,注目すべき点は他にもある。先週のへレステストに続き,シルバーストーンにもフェルナンド・アロンソの姿がなかったことである。マクラーレンのキミ・ライコネンも不在で,来シーズン移籍が決まっている両名がそろって今回のテストを欠席している。ルノーはアロンソのテスト不参加を,イタリアGPで痛めた膝の影響だとかプロモーション活動だとがと説明しているが,果たして真相はどうだろうか。ムジェロやフィオラノで,フェラーリが精力的にテストを重ねているのとは対照的な光景である。

 シーズン終盤に行われるテストは,直前に迫ったレースに向けてのテストと平行して,来シーズンに向けた先行開発をする場合が多い。そのため来シーズンライバルチームに移籍するドライバーに,わざわざその役目をさせることは少ない。事実ウィリアムズがトヨタエンジンを搭載してテストしているが,来シーズンレッドブルに移籍の決まっているマーク・ウェバーは,一連のテストに全く参加していない。仮に彼らにテストをさせたとしても,技術的な漏洩はさほどのこともないかもしれない。プロフェッショナルなF1チームが,感情的な面からドライバーを外すとは考えにくいが,マシンを作っているのも操っているのもまた同じ人間である。

 最後に,来シーズン期待のルーキー達について。今回のテストは,マクラーレンのルイス・ハミルトンとルノーのヘイキ・コバライネン&ネルソン・ピケJrの走りに熱い視線が注がれていた。タイム的にピケJrが終始リードしていたが,コバライネンも僅差で続き,ハミルトンも周回を重ねるにつれ確実にタイムを削ってきた。シューマッハに続くべきベテランに勢いがない今,彼ら若い世代の台頭が,一気にF1界の世代交代を加速させるだろう。混迷のシルバーストーンが見せていたのは,近い将来のタイトル争いなのかもしれない。そこに加わる日本人ドライバーがいないのが,何とも寂しい・・・。

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