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2006年9月29日 (金)

反撃の時が来た!

 全会一致という議決方式は,お互いの思惑が一致しないとなかなか解決を見ることはない。意見をすりあわせるためには長い時間をかけた議論が必要になるし,最後まで抵抗する者がいれば,永久に交わることのない議論となる。SAF1が他チームに提案したカスタマーシャシー案も,この全会一致の壁の前に跳ね返されたようだ。2008年からはシャシーの販売が自由化されるが,かねてよりSAF1はそれを1年前倒しし,来シーズンからホンダシャシーを使用できるように多方面に働きかけていた。しかし,これに反対する数チームが最後まで承認せず,この案は却下されることとなった。

 この全会一致方式を,SAF1のダニエレ・オーデット/マネージング・ディレクターは,「スポーツでは非現実的であり,不可能と同義語だ」と非難している。しかし,こうした重要なルールが多数決で決定されるとしたら,むしろその方が反スポーツ的である。もしそうなればチーム同士の駆け引きはより一層激しいものとなり,メーカ対プライベーターやFIA対GPMAなど,過去にも起きた無用の派閥争いを助長しかねない。ただでさえホンダ陣営は,昨シーズンに起きた燃料タンク不正疑惑で,FIAから睨まれている。ここで新たな火種を生むより,おとなしくしている方が身のためと判断したのか。そうしている間にトロ・ロッソが,来シーズンもレッドブルの「RB02」を使わないといいが。

 今回のカスタマーシャシー案が拒絶されたことにより,来シーズンも各チームは自前のシャシーを開発することとなった。もちろんSAF1はホンダシャシーを使用したかったのだが,今回の提案は「ダメ元」のつもりで行ったのだろうし,オーデット氏の言う「来シーズンの計画を変更」とまで大きな問題でもない。すでにチームは,来シーズン用の新型車「SA07」の開発に着手しており,オフシーズンをかけて開発・製作が続けられるだろう。もっとも資金的に限られた現在の状況では,完全なニューマシンというわけにもいかず,現在の「SA06B」をベースに正常進化させるしかない。もしモノコックが新設計されたら,それだけでも十分にSAF1は「進歩」したと言えるだろう。

 さてそのSAF1だが,中国GPフリー走行2回目で,サードドライバーのフランク・モンタニーが,トップから1.7秒遅れの7番手と健闘した。エンジン交換を実施した佐藤琢磨は,マイレージを極力抑えるため周回数を控えている。レッドブルやトロ・ロッソが,今シーズンのマシン開発をストップしている中で,最後までで積極的な開発を行ってきた成果が,少しずつ実を結んでいる。鈴鹿を前にチームの士気も上がってきているようで,「モチベーションはトップチームにも負けない」と,琢磨もチームを評価している。グリッド降格ペナルティは残念だが,いよいよライバル達に反撃開始の時が来た!

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