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2006年9月18日 (月)

モータースポーツの特異性

 モータースポーツを根底から支えているのはファンの力であり,それを重要視しているからこそ,サーキットの興奮をできるだけリアルに世界中に発信する努力がなされてきた。その結果が,FOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)の収益向上に結びついたということといったところだろうか。年間18戦が行われるF1サーカスに於いて,直接サーキットに訪れるのは百数十万人といったところであろう。しかし,全世界では何十億という人間がメディアを通してその動向を見つめている。そこに目を向けたリアルタイムの情報発信,例えば,近年公開されるようになった,チームとドラーバーの無線交信などは,自宅のリビングにいながらその臨場感を楽しめるものとなっている。

 スポーツと名の付く競技は多種多様に存在するが,その中でもモータースポーツは,特異な分野である。マシンという道具を操るドライバーの存在は,直接相手とぶつかり合う他の競技と比べ,ヒューマンスポーツの印象が薄い。もちろんコクピットの中のドライバーは,己の持てる力を最大限発揮し,迫り来る音速の壁と強烈なGフォースの中を必死に戦っている。しかし,レース中のドライバーの表情や息づかいは,端で見ている側にはなかなか伝わらない。そのため,レースを見続けている熱心なファンはともかく,一般の人が感情移入できる状況があまりにも少ないのだ。

 直接モータースポーツに触れる機会が少ないことも,なかなかこの分野が理解されない原因のひとつだ。野球やサッカーであれば,街の至る所で目にすることもあろうが,最先端のマシンが爆音を立てて走る姿を直接目にする機会は,なかなか訪れるものではない。週末の夜に首都高速やちょっとした峠にでも行けば,別の意味で豪快な走りをするマシンが見られるが,それはモータースポーツではなくただの「暴走」である。しかし,それらをモータースポーツと同類と捉えている人間が多いのも,モータースポーツが文化としてこの国に根付かない要因となっている。

 こうした状況を打開すべく,日本でも近年様々な取り組みがなされている。その中でも今週末に行われる「モータースポーツジャパン2006」は,今までにない画期的な試みである。東京・お台場での開催,しかも入場を無料とした点は,ファン以外にもモータースポーツに触れてもらい,その存在を理解してもらえるという点で大いに評価できる。そして何より,自動車メーカーがその枠を超え協力体制を敷いていることは,今後に期待のできるイベントとなる。これらを続けることにより,一般社会におけるモータースポーツへの認識に変化が起こるかもしれない。とは言え日本人は熱しやすく冷めやすい人種だから,地道に続けることが求められるが・・・。

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