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2006年9月15日 (金)

エンジン凍結とシャシー販売

 空力を含めたトータルパッケージが重要となる現代F1の戦闘力に対して,エンジンの占める割合はそれほど高くない。しかし,ある程度のパワーと信頼性を持ち合わせていなければ,あっという間にテールエンダーの仲間入りをしてしまう。ホンダが新型エンジンの投入を見合わせたのも,事前に十分な信頼性が確保できなかったためだ。中国GPで来年度のスペックが決定されるため,この2週間で問題を解決しなければならない。ホンダエンジンはグランプリで最もパワフルなエンジンと言われてきたが,ライバルの開発も進んでおり,そのアドバンテージは確実になくなってきている。

 今季2.4V8に排気量が制限されたものの,ラップタイムはそれほど大きく落ち込んでいない。これは,エンジンパワーが低下したことにより,ラジエーターやインダクションボックスが小型化されたことによる空力サイドの恩恵がある。また,現在のエンジンはトルクが細いため低速コーナーは苦しいが,中高速コーナーでは逆にスピードを上昇させている。毎分19,000回転以上の超高回転で,2レース連続使用と耐久力を求められるV8エンジンには,各メーカーもずいぶん手こずっていた。コスワースは毎分20,000回転という驚異的な数字だが,それを支えるだけの信頼性がなかった。メルセデスもシーズン当初V8特有の振動を解消できず,マクラーレン失速の原因を作った。

 さて,来季の搭載エンジンが決定していないのは,兄弟チームのレッドブル&トロ・ロッソと,ミッドランド改めスパイカーの3チームである。そのうち先の2チームはフェラーリ&ルノーのいずれかを搭載するものと思われるが,どの組み合わせとなるかは明らかにされていない。しかし,現在のF1界をリードする2メーカーのエンジンを手に入れてしまうのだから,レッドブルの資金力は底知れない。一方のスパイカーには,アブダビのムバダラ開発社とのつながりから「フェラーリのサテライトチームになるのでは?」という噂もあるが,来季はとりあえずコスワースに落ち着くのではないかと思われる。

 来シーズン以降ベースとなるエンジンに対し,各メーカーには年間数度のアップデートしか許されていない。当然開発費も削減されるだろうが,各メーカーはその分を車体開発費として上積みすると考えられる。FIAがコスト削減を目指して行ったエンジン規制も,所詮は一時しのぎでしかない。その一方でプライベーターの参戦費用は,2008年からシャシー購入自由化で軽減される。ワークスは信頼の置けるサテライトチームにしかシャシー&エンジンを販売しないはずであり,カラーリングの異なる2チーム4台のマシンが,それぞれの役割を果たすようになるだろう。もちろん,レッドブルのような金満チームは,その限りではないだろうが・・・

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