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2006年9月21日 (木)

SAF1よ,鶏口を目指せ

 「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざがある。決して追いつかないワークスを追いかけるも,セカンドベストを争った方が注目もされやすい。SAF1の目指すところは,まさにこの「鶏口」であり,プライベーターの頂点に立つことが最大の目標となる。彼らには残念ながら,潤沢な資金も優秀な技術力もない。であるならば,優勝争いはホンダに任せておいて,自分たちは身の丈にあったポジションの獲得を目指さなければならない。現実問題として,これから先SAF1が優勝争いやタイトル争いに絡んでくることなど,まずあり得ないことだろう。

 スパイカーに加入したマイク・ガスコイン/チーフ・テクノロジー・ディレクターは,「チームが勝利するのは2009年以降」と語っているが,彼らとて同じである。たとえシャシー販売自由化により,スパイカーがフェラーリのマシンを使用したとしても,勝利を挙げることは非現実的だろう。では何のためにF1に参戦しているのかと言われそうだが,それはそれで彼らにはプライベーターとしての明確な役割がある。今後はワークスから技術的,資金的な援助を受ける代わりに,テスト開発を担ったり若手ドライバーを積極的に起用したりと,双方に利益のある仕事を分担することができる。

 自動車メーカー主導となった現代F1で,メーカーから直接支援を受けないチームが勝利を挙げるのは至難の業である。ワークスとプライベーターの間には,埋めようのない圧倒的な差があり,それは同じ規定のシャシーとエンジンを使いながら,明確なクラス分けを必要とするほどにまで拡大している。イギリスF3などには,型落ちシャシーによるフレッシュマンタイトルが存在するが,2008年からは,現行のコンストラクターズタイトルとは別に,シャシーを購入しているチームの為のタイトル,いわゆるプライベータータイトルが新設されると,プライベーターの意欲も更に増すだろう。

 さて,シルバーストーンで貴重なプライベートテストを行っているSAF1だが,トヨタでは昨日に引き続き,フランク・モンタニーが周回を続けている。モンタニーについては「チームに無断でトヨタのテストに参加した」という話もあれば,「ダニエレ・オーデット/チームマネージャーが,トヨタに貸し出した」という情報もある。その真相は定かではないが,いずれにせよ残り3戦は,今まで通りSAF1のサードドライバーを務めるようである。今シーズンGP2に参戦していた吉本大樹を,日本GPで起用する可能性もあるが,これはスポンサー次第だろう。吉本が実力のあるドライバーであることは否定しないが,ぶっつけ本番でたった2時間乗ったところで,何もできずに終わるだけだろう。しかし,レギュラードライバーのタイム差が3秒ではどうにも・・・。

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コメント

こんにちは!
最近、SAF1について感じるのは、やはり「オールジャパン・コンセプト」の一時的な見直しでしょうか。琢磨が日本人ドライバーとしては、腕も頭脳も、ともに非常に優秀なだけに、F1ドライブの経験が少ない日本の新人が「同じ日本人」という土俵で、いきなり琢磨と比較されてしまうのは、少し厳しいような気がします。現に、井出や左近に対する日本のF1ファンからの非難(バッシング)の声も非常に多いように感じます。また中堅クラス以上の他のF1チーム関係者に対しても、最初に良くない印象を与えてしまうと、将来より上のチームに移籍するチャンスはほぼなくなるでしょう。SAF1のセカンド・シートは、ある意味「諸刃の剣」なのではないでしょうか。SAF1は、本来、日本人ドライバーを「育てる」場であるはずであって、逆に「潰す」ような場になってほしくはありません。
クビサ、ベッテル、ハミルトン、コバライネン、ピケJr、この5人の超新星クラスの「適応力」をもっていれば話は別ですが、そうでないならば、かつて琢磨にもそうしたように、F1で十分に戦えるレベルに育つまで、テスト・ドライブで十分に経験を積ませてから実戦に投入した方が、長い目で見て日本の新人ドライバーのためになるのでないかと思います。またインタビューに対するコメントの仕方をも含め、トップカテゴリーで戦うドライバーとしての教育もしっかりとしてほしいと思います。それまで「オールジャパン・コンセプト」を一時猶予するという決断も必要かもしれません。将来の金の卵を潰さないためにも、日本の新人ドライバーの能力をしっかりと見極め、育成してほしいと思います。

投稿: Tommi-tuned | 2006年9月23日 (土) 01時54分

 Tommi-tunedさん,こんにちは!いつもコメントありがとうございます。
 さて,SAF1についてのご指摘,私も同じことを感じています。若手日本人ドライバーを積極的に起用する点にはSAF1のコンセプトですから,基本理念を変える必要はないと思うのですが,問題は準備時間があまりに少ないことですね。現在の日本人ドライバーの中で,佐藤琢磨と同じレベルで走ることのできるドライバーはいません。山本左近も可能性を持ったドライバーだと思いますが,まだF1を戦い抜くだけの力は備わってないように思います。
 左近はドイツGPでデビューしましたが,個人的にはフランク・モンタニーを起用し続け,左近を第3ドライバーとして経験を積ませることをすべきだったと思います。スポンサーの絡みもあって実現できなかったのでしょうが・・・。来年はアンソニー・デビッドソンの加入が噂されていますが,この間にテストドライバーとして複数の日本人を起用し,その中から琢磨に続く人材を見いだすことも必要だと思います。SAF1は内部人事の改造をしましたが,来年のラインナップも要注目ですね。
 またご意見よろしくお願いします!

投稿: KAZ | 2006年9月24日 (日) 17時54分

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