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2006年10月19日 (木)

更なる飛躍を目指して

 チームを移籍することには,常にリクスがつきまとう。上り調子のチームに移籍できればさらなる飛躍が望めるが,行った先で思わぬ落とし穴が待っていることも少なくない。マーク・ウェバーの場合,移籍するタイミングはさほど間違っていなかったはずだ。2004年ののウィリアムズはそこそこの成績を収めていたし,当時所属していたジャガーが買収され翌シーズンの動向が不明瞭だったことも,ウェバーの決断を後押ししていたのだろう。ワークスエンジンを持つ名門チームへの移籍は,誰の目からも「出世街道まっしぐら」に見えた。しかし,彼のマネージャーでもあるフラビオ・ブリアトーレ/ルノー代表は,ウェバーにこの移籍を勧めなかったという。

 ブリアトーレは,ウィリアムズの凋落を予想していたのだろうか。ウィリアムズがよもやこれほどの不振に陥るなど,凡人であれば思いもしないことである。しかしBMWエンジンを失ったウィリアムズは,今シーズンを8位というここ20年で最低の成績で終えようとしている。不振の原因を,何度もトラブルを起こしたコスワースに押しつけるのは簡単である。しかし今シーズンのFW28は,ライバルと比べ空力的にも明らかに劣っていた。そのためチームは,これ以上どこに追加するのだというぼど,毎戦のように空力付加物を追加してきた。時折速さを見せるものの,安定した結果を残せなかった原因は,ウィリアムズのエンジニアリングレベル低下も大きく関与している。

 それとは対照的に,ウェバーが移籍するレッドブルは,来シーズンを飛躍の年にしようと意気込んでいる。今シーズンはじめにマクラーレンから獲得した天才デザイナー,エイドリアン・ニューウェイ/チーフ・テクニカル・オフィサーの手による「RB3」が登場するのだ。このマシンをウェバーと共に駆るのは,ミハエル・シューマッハなきあと現役最年長ライバーとなるデイビッド・クルサード。彼にとっても来季は進退をかけたシーズンとなる。ウェバーに差をつけられるようであれば,クルサードのF1生活は終わることになる。もっともイギリスには,ルイス・ハミルトンという超新星が誕生しそうだが。

 最後に,正式にトヨタとテストドライバー契約を結んだフランク・モンタニーについて。SAF1の創生期を支えた男が,さらなる飛躍を目指して移籍を決めた。SAF1での確実な仕事ぶりが,トヨタのお眼鏡にかなったと言っていいだろう。しかし,これが即飛躍に繋がるかというと,それはまた別の話である。モンタニーは熟練したテストドライバーであるが故に,リカルド・ゾンタと同じ運命をたどってしまう危険性がある。来シーズンはサードカーを走らせることもないので,テストドライバーは己の速さをアピールする場面が限られる。今はF1流浪人,「いぶし銀」モンタニーの飛躍を願ってやまない。

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コメント

こんにちは。
ウェーバーは中々の予選番長ですが、レース結果が伴わない事が多いですよね。
ブリアトーレは選手の評価がシビアで、ルノーにその時のお気に入りを乗せますから、彼の頭の中では「アロンソ>コバライネン>バトン>ウェーバー>ネルソン・ピケJr」の順なのかもしれませんね。レッドブルのニューウェイ&クルサードのコンビは気心のしれた仲間ですから、奇をてらわなければ、来年の車は良いかもしれません。
ところで、金曜第三ドライバー復活決定しましたね!これでモンタニーもヤル気が出るでしょう。

投稿: aqua1931 | 2006年10月19日 (木) 16時46分

 aqua1931さん,こんばんは!早速のコメント,ありがとうございます。サードカーは廃止ですが,サードドライバーを金曜日走行は可能なんですね!金曜フリー走行の時間枠も拡大されたので,各チームのサードドライバーにもうれしい話でしょう。
 ブリアトーレのドライバー評価は,aqua1931さんのおっしゃる通りでしょうね。秘蔵っ子だったウェーバーも,随分ランクが落ちてしまいました・・・。
 貴重な情報ありがとうございました。これからもよろしくお願いします! 

投稿: KAZ | 2006年10月19日 (木) 18時49分

スポリンからきたおくやまです。シューマッハの記事、読んでいただいてありがとうございます。もう、こんな素晴らしい人は出ないかもしれないですね。最後のレースの日が、来ないでほしい気持ちも、少しだけあります。

投稿: おくやま | 2006年10月19日 (木) 20時52分

 おくやまさんこんにちは。コメントありがとうございます!
 ミハエル・シューマッハがアイルトン・セナのお墓参りにいったそうです。彼のF1引退の地が、セナの母国というのも奇妙なめぐり合わせですね。墓前でセナとどんな言葉を交わしたんでしょうか?ラスト3日、しっかり観たいと思います。では!

投稿: KAZ | 2006年10月20日 (金) 14時57分

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