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2006年10月27日 (金)

データから見る明と暗

 データは嘘をつかない。そのために見れば見るほど新しい発見があり,勝手な想像を膨らませる側としては非常に面白い。今回発表されたレースデータからは,各チームの明と暗がはっきりと見て取れる。当たり前だがデータは全て「結果」であり,そこには各チームの力関係が示されている。まず総周回数&完走回数だが,今シーズン激しいタイトル争いを演じたルノーとフェラーリが,ここでも1位と2位を分け合っている。当然といえば当然なのだが,高い完走率とクラッシュの少なさは,確実に結果を残した証明と言えよう。3位にBMWザウバーが付けたことも見逃せない。シーズンを通してポイントを獲得するなど,買収1年目は順調なシーズンだったことを物語っている。

 4位のホンダは順当だが,5位にはワークスのトヨタを押さえて,何とトロ・ロッソが付けている。もっともこれにはカラクリがある。知っての通り今シーズントロ・ロッソが使用しているSTR1は,昨シーズンレッドブルが一年間使用したRB1である。そこに回転数を制限したコスワースV10を搭載していたため,もともと高い信頼性を確保していたからである。一方で未勝利に終わったマクラーレンは,総周回数でも9位に終わった。昨シーズンは「最速だが最強ではないマシン」で速さを見せたが,今シーズンは「最速でも最強でもないマシン」で苦戦を強いられた。トラブルに加えアクシデントも多く,序盤のメルセデス・エンジン不調で狂ったリズムは,最後まで戻ることはなかった。

 そして不名誉な最下位となってしまったのは,今シーズン不振を極めたウィリアムズ。周総周回数・完走回数とも,4年前のマシンで苦戦を続けた新興SAF1を下回るという,何とも寂しい果となった。それに加えウィリアムズは,クラッシュによってリタイアした回数も全チームの中で最も多い10回となっている。信頼性の欠如に加え,アクシデントも多ければ「まさかの不振」も「当然の結果」となる。最終戦ブラジルGP1周目で,マーク・ウェバーとニコ・ロズベルグがクラッシュしたことは,今シーズンのウィリアムズを象徴するかのような光景であったと言えるだろう。

 さて,激動の1年を終えたSAF1も,来シーズンのドライバーラインナップを11月中に発表するとしている。F1に適応し始めている山本左近が,引き続き来季もレギュラーシートを獲得できるかに注目が集まる。しかし,左近は時として佐藤琢磨を上回る速さを示すものの,レースを全体を通じた速さがないことも事実である。日本人ドライバーにチャンスを与えるためにも,SAF1には若手を積極的に起用をしてもらいたいが,それも速さと強さがあってのことだろう。ロバート・クビサやセバスチャン・ベッテルのような存在感を示す日本人が,果たしてどれだけいるかだが・・・。

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コメント

こんばんは。

該当の記事、私も読ませていただきました。
これではウィリアムズがコスワースを継続しなくなるのも無理は無いかもしれません。
勿論コスワースだけに責任をかぶせるのもフェアではありません。ですが、少なくとも来年はトヨタエンジンですから、エンジン面での不安は今よりは少なくなるはずです。来年のウィリアムズは本当の意味で正念場ですね。

さて、SAF1に限った事ではないのですが、次世代の「本当に使える」日本人F1パイロット、何処から出るでしょうね?
SRS-Fからは琢磨が、ARTAからは左近(……)が出ました。はたしてトヨタからは誰でしょうか?中嶋Jrか、はたまた可夢威?無論それ以外からの出現も同じ程度あるはずですが、いずれにしろ「速い奴は最初から、どんな車に乗っても速い」と思います。楽しみですね。

投稿: aqua1931 | 2006年10月28日 (土) 00時33分

 aqua1931さん,こんばんは。
 次世代の日本人F1ドライバーには,ファンならずとも興味がわきますよね。中嶋一貴には「ウィリアムズのテストドライバーに抜擢される」という噂もありますし,小林可夢威もいずれのしあがってくるように思います。
 ですがご指摘のように「速い奴は最初から,どんな車に乗っても速い」ドライバーでなければ,生き残れないのがF1界。すぐに忘れ去られてしまうようでは悲しいですから。左近もレギュラーとして生き残れるかどうかは,微妙なところでしょうねぇ・・・。
ではでは。

投稿: KAZ | 2006年10月28日 (土) 20時20分

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