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2006年10月25日 (水)

ライバル達の勢力図

 1年という時間の長さは,その時間をどう生きたかによって,感じる長さも人により様々だろう。毎日をただ安穏と過ごしている者にとっては,日一日が長く感じられるかもしれないが,がむしゃらに突き進んできた者にとっては,あっという間の時間となる。F1サーカスを戦い抜いた者達にとっては,今年もあっという間の1年だったのだろう。最終戦を終えたブラジルでは,各チームがシーズン終了をねぎらうパーティーで盛り上がったという。毎年最終戦後のパーティーは朝までドンチャン騒ぎが繰り広げられるのだが,それだけシーズンにかけるエネルギーが凄まじいということだろう。中でもレッドブルはサッカー場を貸し切り,F1界最大規模のパーティーで労をねぎらった。

 来シーズンに向けた動きも,少しずつ伝わってきている。今シーズンSAF1のライバルであったスパイカーMF1は,登録名称を「スパイカーF1」に変更することを発表した。来シーズンのスパイカーは,フェラーリエンジンの獲得に加え,トヨタを解雇されたマイク・ガスコインが加入するなど,今シーズンを上回る体制を手に入れた。当然戦闘力の向上も期待され,最終戦でSAF1の後塵を拝した雪辱を晴らすべく,精力的な開発を行ってくるだろう。もう一つのライバルであるトロ・ロッソの動きも見逃せない。当初は難色を示していたレッド・ブルからのエンジンの契約移譲をフェラーリが認めたことから,来シーズンの搭載エンジンが確定した。

 気になるのはそれだけではない。レッドブルは,エイドリアン・ニューウェイ指揮の下で制作されるR3を,自チームだけでなくトロ・ロッソでも走らせようと目論んでいる。今シーズントロ・ロッソが使用しているSTR1も,昨シーズンにレッドブルが使用していたRB1のデータを元に制作されたものである。これは独自シャシーを開発しなければならない現在のコンコルド協定に抵触するが,トロ・ロッソは「RB1はF1から撤退したジャガーが制作したものであり,そのデータを流用することはレギュレーション違反にはならない」という,半ば開き直りともとれる強引な解釈でSTR1を走らせてきたのだ。

 同じ手法でSAF1がBAR007(078)を使おうとしたが,これはFIAから強烈なダメ出しを食らった。出場禁止処分を受けたばかりでFIAに睨まれているホンダとしても,トロ・ロッソのような強引な解釈を行うことはできなかったのだ。レッドブルの「RB3シャシー共有」がこのまま黙認されるかどうか,今後の展開に注目が集まる。更にSAF1も,ホンダシャシー共有を諦めていないフシがある。SAF1が提案した「カスタマーシャシー案」は,スパイカーの反対により却下されたが,1度決まったことでも簡単に覆ってしまうのがF1界。大人しい方が損な時もある。シャシーを巡る波乱は,まだまだありそうだ。

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コメント

こんにちは。

同じ楽天ブログ仲間の遼 銀河さん(http://plaza.rakuten.co.jp/gingaharuka/)から教えていただいたのですが、新型についての興味深いコラムがありました。ご存知かとは思いますが、F1キンダーガーテンです。
http://www.auto-web.co.jp/F1/2006/10/column/24_0546.html
この前後のSAF1関係のコラムで、既にホンダのシャシー流用か設計図の借用を匂わせる内容が出ています。どうも何かの抜け道があったか、何らかの話がついているのかもしれませんね。
ちなみに遼 銀河さんは、機械設計技師をされていますので、非常に詳しい記事が掲載されている事もあり、お勧めです。宜しかったら是非。

投稿: aqua1931 | 2006年10月26日 (木) 12時26分

 aqua1931さん,こんばんは!
 そうなんです。ご指摘のF1キンダーガーテンの記事,私も読みました。琢磨の話が何を示しているのかにもよりますが,チームはやはりシャシー共有に向け,今なお水面下で交渉しているようですね。
 遼 銀河さんのブログも時折拝見させていただいております。今度コメントさせていただきたいと思います。では!

投稿: KAZ | 2006年10月27日 (金) 19時32分

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