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2006年10月16日 (月)

ワークス最下位はどっちだ!?

 1980年代終わりから1990年代初頭は,4強と呼ばれたフェラーリ,マクラーレン,ウィリアムズ,ベネトン(現ルノー)が優勝争いを演じていた。これらのチームはワークスエンジンの供給を受け,毎年コンストラクタースランキングの上位を独占していた。それ以外のチームは4強の下,つまり5位が現実的な目標となった。5位の座は非ワークスチームのトップに立つことを意味していたのだ。しかし自動車メーカーが自チームを運営する現代では,同じ5位でも大きく意味合いが違う。BMWザウバーとトヨタが5位争いを演じているが,これに負けたチームは「ワークス最下位」ということになる。

 ザウバーを買収してワークス体制を敷いたBMWは,非常にうまく機能している。ザウバー時代よりもスタッフの人数は増えたが,それとてトヨタほど多くはない。シャシーとエンジンのバランスもよく,積極的な開発はシーズンを通して続けられた。どのタイプのコースでも安定した速さを発揮していることからも,F1.06の素性の良さが伺える。更に,ロバート・クビサのレギュラートライバー昇格以降,チームは完全な上昇気流に乗った。ポイントは獲得するものの,今ひとつパッとしなかったニック・ハイドフェルドも,いよいよ尻に火がついてきたのか,シーズン後半の方がいい走りをしている。

 一方のトヨタは浮き沈みが激しい。シーズン序盤はオーストラリアGPでラルフ・シューマッハが3位表彰台を獲得したものの,今シーズンから採用したブリヂストンタイヤとのマッチングに苦しみ,思うような成績が残せなかった。しかし,モナコGPでTF106Bを投入してからは徐々に速さと信頼性を増し,ヤルノ・トゥルーリがポイントを獲得する機会も増えた。2人のドライバーが安定した成績を残せるようになったことで,BMWザウバーを押さえての上位進出が期待されたが,トヨタはまたも失速してしまう。終盤戦にも毎戦アップデートした空力パッケージを持ち込むなど,可能な限りの開発を続けていたのだが,それが結果として表れないという最も苦しい状態に陥っている。

 世界最高峰のF1でコストパフォーマンスを考えるのはおかしな話なのかもしれないが,どのチームも資金が無尽蔵にあるわけではない。したがって,限りある資金をどう効果的に使うかは重要事項である。例えば,F1につぎ込んだ資金を獲得ポイントで割ってみると,コストパフォーマンスに優れたチームであるか否かが一目瞭然になる。その考えでBMWザウバーとトヨタを比較してしまうと,どう考えてもBMWザウバーに軍配が上がる。マリオ・タイセン/ディレクターも「我々は満足すべき進化を遂げた」と,1年目のチームを賞賛している。しかし5位争いで満足しているようでは,初優勝は遠のくばかりである。どちらももっと上位を目指さなければならないチームなのだから。

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