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2006年10月12日 (木)

SAF1に求められるリザルト

 一つの壁を乗り越えると,達成感と同時に虚脱感が襲ってくる。その壁が高ければ高いほど,乗り越えた後の虚脱感は大きい。次の目標をすぐ見つけられればよいが,人間なかなか気持ちの切り替えは難しい。他のチームにとって鈴鹿は18分の1でしかないが,鈴鹿に99%の力を注いでいたSAF1にとって,最終戦ブラジルGPは消化試合の意味合いが強い。もちろんチームの誰もが否定するだろうが,今シーズン最大の力を注いでしまった後で,また同じような力が出せるとは思えない。鈴鹿に向けて可能な限りの開発が続けられてきたSA06Bも,最終戦にはアップデートなく持ち込まれることになるだろう。

 そんなSAF1は,すでに来季を見据えた動きを始めている。鈴木亜久里代表は,「来季はホンダとの連携をさらに強めていく」と語っている。具体的に何を示すのかは不明だが,おそらく技術面の支援増強を指していると思われる。SAF1はホンダの強力なバックアップの下誕生したチームであることは言うまでもない。しかし,当初予定していた旧B.A.Rシャシーを使用できなかったことから,ホンダのSAF1に対するバックアップは不十分という批判を受けた。以前「新型エンジンの実力は?」で書いたように,SA06の開発に当たっても,HRDより栃木研究所の協力が大きかったと伝えられている。

 シーズン終盤まで積極的な開発を行ったSA06Bをもってしても,スパイカーやトロ・ロッソなどの前でフィニッシュすることは容易なことではなかった。予選順位も期待していたほど上がらず,今シーズンのQ2進出&ポイント獲得は絶望的と言っていい。大幅なリニューアルがされたとはいえ,基本となる設計思想が5年も前のマシンでは,これ以上の成績を望むほうが酷である。この状況を打開するためには,新車SA07をホンダの協力の下で製作することである。SAF1は非常に小規模なチームであり,チーム内でできることは限られている。従ってホンダからの技術支援増強は,チームがさらなる飛躍を遂げるために必要不可欠のものである。 

 SAF1の最終形態はホンダのサテライトチームになることである。これは亜久里代表やHRDの和田社長も語っていることであり,SAF1にとってホンダは単なるエンジンサプライヤーではない。2008年からはホンダ製シャシー(RA108?)を使うことは決定事項であろうし,資金的にも安定することになるだろう。そう考えるともっとも厳しいのは来シーズンである。ホンダからの資金援助は続くだろうが,サテライトチームがいつまでも最下位争いをしているようでは,ホンダの面子にもかかわる。アンソニー・デビッドソンを送り込むからには,ホンダもSAF1にそれなりのリザルトを求めるだろう。F1は弱肉強食の世界。同胞チームとはいえ,ただより高いものはない。

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