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2006年11月20日 (月)

マカオの悪魔が牙をむく

 期待していたものが大きいほど,失意の結果となった後の落胆もまた大きい。先週末は久しぶりに,「天国と地獄」を見た週末だった。モータースポーツもつかの間のシーズンオフとなったが,アジアの片隅では熱いレースが繰り広げられていた。若手の登竜門として有名な,F3のマカオGPである。今年で53回を数えるこのレースは,将来のF1ドライバーを目指す名うてのF3使いが,世界中から押し寄せてくる。統一規格のF3ではこうした世界一決定戦が幾度となく開催されているが,マカオGPはその中でも最も権威のあるGPと言っていいだろう。市街地に作られた1周6.117kmの超テクニカルな「ギア・サーキット」は,今年もF3ボーイズ前に大きく立ちはだかった。

 今年のマカオGPは,2001年の佐藤琢磨以来,久しぶりに日本勢の優勝が期待されるレースだった。平手晃平,中嶋一貴,小林可夢偉のユーロF3組に加え,日本F3組からも塚越広大,大嶋和也らが参戦。冬季オリンピックでよく耳にした「表彰台独占も夢ではない!」などという,根拠のない期待感を抱いてしまうほどだった。実際に予選レースまでは日本勢に流れがきていた。一貴こそセッティングが決まらず多少出遅れたものの,予選2回目では可夢偉&晃平が見事フロントロウを独占。翌日の行われた10周の予選レースでは可夢偉がF3初勝利!晃平も3位と,いよいよ期待が確信に変わろうとしていた。

 しかし,レースは別物である。マカオの悪魔は日本勢に牙をむいた。スタートで出遅れた可夢偉は,1周目のリズボア・ヘアピンで痛恨のオーバーラン。何とか再スタートを切ることはできたものの,大きく順位を落としてしまう。一方,可夢偉の後退で2位を走行していた晃平と3位に順位を上げた一貴も,7周目にリズボアで絡み共にマシンにダメージを追ってしまう。5位までポジションを上げていた塚越もトラブルで後退。結局優勝はイギリスF3王者のマイク・コンウェイ。日本勢は大嶋の7位が最高位という,前日までの快進撃からは想像もつかない結果となってしまった。

 失意の結果が意味するものは,果たしてなんだろうか。レースではいくら速さを示そうと,チェッカーを受けなければ意味がない。初日から好調を維持した日本勢はあったが,最後の最後まで走りきる強さが足りなかった。しかしそれは他の有力ユーロF3勢も同じである。ユーロ王者のポール・ディ・レスタも,同2位で今回はカーリンから出走したセバスチャン・ベッテルも,期待通りの結果を残すことはできなかった。それでも可夢偉や晃平の速さは,世界のモータースポーツ関係者に伝わったはずである。一貴がウィリアムズと契約したことが,二人の闘争心をかき立てたことは想像に難くない。これからも成長を続ける期待の若手を,今後も見守っていきたい。

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