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2006年11月27日 (月)

「体感」そして「文化」へ

 プロスポーツ選手は過酷な仕事である。その強靱な肉体と精神は,日々安穏と暮らしている我々と似てもにつかない。そんな彼らは,シーズンオフともると酷使した体を休め,来シーズンに向けた英気を養う。しかし,近年はシーズンオフも色々とプロモーション活動に忙しいようだ。シーズン中はファンと交流できる機会も少ないのだから,これもプロ選手として大切な仕事である。F1ドライバーもシーズン中から様々なプロモーション活動を行っているが,実際にイベントでマシンを走行させる機会となると意外に少ない。その中でもシーズンオフは,貴重なサーキット走行を伴うイベントが数多く行われる。

 日本国内でも,様々なファン感謝イベントが開催されている。先週の「SAF1☆ARTAフェスタ」に続き,23日(祝)にはツインリンク・もてぎで「ホンダレーシングサンクスデイ」が行われ,F1チームではホンダのジェンソン・バトンとアンソニー・デビッドソンが,SAF1からは佐藤琢磨が参加した。肋骨を骨折しているバトンは走行を見送ったが,琢磨&アンソニーの「イケイケコンビ」が,F1サウンドをスーパースピードウェイに鳴り響かせた。フェラーリに比べあまりに多すぎるプロモーション活動に,些かうんざりしていると伝えたれたルーベンス・バリチェロは,今回も来日しなかったようだが。

 そして昨日26日(日)には,富士スピードウェイで「トヨタ・モータースポーツ・フェスティバル」が開催された。様々なカテゴリーのマシンが集結する中,一番のイベントはこの日のために来日したラルフ・シューマッハによるTF106のデモ走行・・・になるはずだったのだが,それを上回るサプライズが用意されていた。先頃ウィリアムズに加入したばかりの中嶋一貴が,ウィリアムズ・トヨタをドライブしたのだ。F1マシンのドライブは実質初めてであたものの,「先輩」アレクサンダー・ブルツの手ほどきもあり,無事に4周の走行を終了した。ウィリアムズがこうしたイベントのためマシンと共に来日することは希であり,トヨタとの結びつきの強さを改めて感じるものと言えるだろう。

 さて,今年9月に初開催された「モータースポーツジャパン2006」を始めとして,近年日本でもモータースポーツを体感するイベントが増えてきたのは,大いに歓迎すべきことだろう。特にF1のデモ走行を目にする機会があるのは幸せなことである。これは日本企業がF1に参戦するだけでなく,その周知活動を協力して行い始めたことが大きい。いくらドライバーを輩出していても,母国企業の関わりがない国は今ひとつ盛り上がりに欠ける。母国の気運が高まれば,その分活躍するチャンスも広がるのだから,スパイカーのティアゴ・モンテイロがポルトガルGP復活を望むのも理解できる。対する日本に足りないのは,モータースポーツを「文化」とする考え方。でもこればっかりは,時間がかかるか。

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コメント

 レースと文化というと、元ホンダF1総監督でRCIを設立した桜井 淑敏氏を思い出します。バブルの頃は色々面白い活動をされていたようですが、今はどうされているのでしょうか?某Wikipediaによると、レース以外での活動もされているという事ですが…。
 さて、26日の富士は賑わったようですね。
天候が良ければ、新生富士でのF1のターゲットタイムが解ったのですが、雨には勝てませんでしたね。それでも雨天での貴重なデータは取れた事でしょう。

投稿: aqua1931 | 2006年11月27日 (月) 22時24分

 aqua1931さん,こんばんは。
モータースポーツが欧米のように文化として根付くには,長い時間がかかると思いますが,それでも最近は,モータースポーツに対する目も,少しずつ変わってきているようにも思います。気長にじっくりゆっくりですね。
 富士はウェットコンディションでしたが,両チームともデータは十分とったでしょう。前日の土曜日には,ウィリアムズのブルツが精力的に走り込んでいたようですから。テスト禁止期間ですが,さすがに老舗。抜け目ないですね。ではでは!
 

投稿: KAZ | 2006年11月28日 (火) 18時35分

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