「技術の日産」が羽ばたく日
グローバル化が進んだ現代においても,いや,そういった現代に住んでいるからこそ,母国を大切にする気持ちが強くなるのだろうか。世界を相手に戦う日本人を見ていると,どんなスポーツでもついつい応援したくなってしまう。ワールドチャンピオンシップたるF1に携わる人々も,母国を大切にする意識は強い。とは言え日本人はそういったナショナリズムが薄いと言われる。今シーズンこそSAF1の参戦により,「日本」を意識するF1ファンも増えたと思うが,かつて日本GPの光景を見た外国人F1関係者は,日の丸よりブラジル国旗が多く振られている光景をどんな思いで見ていたのだろう。
さて,日本の3大自動車メーカーのうち,トヨタ・ホンダはF1参戦を果たしているが,ニッサンにはF1に関する話題がほとんどなかった。自チームを率いて参戦することはもちろん,エンジン供給すら現実的な話として取り上げられてこなかった。ニッサン自体はモータースポーツに対する意識も高く,過去にスポーツカーやGTカー,ツーリングカーなど,幅広いカテゴリーに参戦や供給を行ってきた。しかし,ことフォーミュラとなると話が聞こえなくなる。数年前まではワールドシーリズ・バイ・ニッサン(現ワールドシリーズ・バイ・ルノー)もあったが,これはルノー主導で行われていたカテゴリーであり,ニッサン側が深く関わっていたわけではない。
もしニッサンがF1参戦するとなれば,ファンならずとも大歓迎だろう。しかし,それは夢のまた夢の話である。自社で独立した企業であるトヨタやホンダとは異なり,ニッサンはルノー傘下の一企業でしかない。国内カテゴリーにワークス参戦することはできても,海外ましてやモータースポーツの最高峰であるF1に参戦するとなれば,ルノーの後押しが必要不可欠となる。仮にルノーというしがらみが無かったとしても,ニッサンがチームとしてF1に参戦することは不可能に近いだろう。先にも述べたように,ニッサンにはフォーミュラの経験がほとんどないのだ。ゼロからチームを立ち上げるには,現代F1はあまりにも資金のかかりすぎるカテゴリーになってしまった。
現在ルノーはチャンピオンチームとしてF1界に君臨しており,傘下企業であるニッサンの入り込む余地はない。あるとすれば,ルノー・エンジンにニッサンのバッジネームを付けて名前だけ参戦するくらいである。2008年から参戦予定のプロドライブの搭載するエンジンには,この「ニッサン・エンジン」という話もある。しかし,こういった類の話は過去にも数え切れないほど聞こえてきては,実現せずに消え去っていった。かつて「技術の日産」と言われ,日本を代表する自動車メーカーだったニッサン。最も日本人的な考え方をしていたこの企業が,世界に羽ばたく日はもう来ないのだろうか。
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コメント
KAZさん、こんにちは。
ちょっと前の記事にコメントを付けてしまってすいません。
……
現在、日本においてF1参戦可能なコンストラクターは、事実上童夢しかありません。
ホンダはBARであり、トヨタはオベ・アンダーソンのラリーチームの発展系で、各ワークスとも純国産であるとは言えません。勿論SAF1の設計、メンテナンスは元アロウズ主体のスタッフです。
プロストが純フランスを目指して失敗したように、国産の技術に拘るのは、現代のF1では意味の無い事かもしれません。やはり日産がエンジン、シャシー共開発するというのは、現実的ではありません。もし参加するにしても、ルノーエンジンに、日産のバッジをつける事から始め、徐々に日産色を深めてゆく形となるのではないでしょうか?(特にエンジンが凍結されている間は参加不可能ですし…)
日産本社の意向は、昔からハコ車での勝利ですので、近い将来での参戦は無いとは思います。もし参加するとしたら、ルマンに完全勝利するか、新型GTRでDTMなどを席巻した後ではないかと思います。
でも、見てみたいですよね~、日産F1!
投稿: aqua1931 | 2006年11月12日 (日) 13時44分
aqua1931さん,こんにちは。こちらの記事にもコメントありがとうございます。
かつて童夢がF1参戦を模索したとき,「ハーネスの技術を国内メーカーで理解していたのは,唯一(無限)ホンダだけだった」と聞いたことがあります。もちろん現在は,各チーム,メーカーの技術力も向上しているでしょうが,純国産で現代F1を戦うことは無謀ですし,意味のないことでしょうね。
これからもニッサンがF1に参戦することは難しいでしょうが,個人的にはまたル・マンへの挑戦をしてもらいたいと思っています。R400?で,打倒アウディ!プジョー!
投稿: KAZ | 2006年11月12日 (日) 15時12分