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2006年11月22日 (水)

仁義なきシート争奪戦

 人間は強欲な生き物である。自分のポジションを少しでも高めるために日々努力することはもちろんだが,時として他人を蹴落としてでも自分の地位を高める者もいる。豊かで何不自由のない環境で育った者でも,いざ社会に出てしまえば頼れるのは己の力のみである。それほど社会は厳しく,生き残るためには多くの犠牲を必要とする。ましてやそれが競争原理に基づいたプロフェッショナルの世界ならば尚更である。たった22しかないF1のレギュラーシートを得るために,今も若者達の戦いが続いている。

 2006年シーズンが終了して1ヶ月。これまでに来季のレギュラーシートはほぼ埋まり,現在未確定なシートは,マクラーレンとスパイカーに一つずつあるだけである。マクラーレンはルイス・ハミルトンが,スパイカーにはティアゴ・モンテイロが有力視されており,他のドライバーがここに入り込むのは難しい情勢である。最もレギュラーシートに近いテストドライバーのシートはというと,これもなかなか難しい。ホンダがクリスチャン・クリエンを起用するなど,上位チームのほとんどが来季の体制を確定しており,残されているのはトロ・ロッソ,スパイカー,SAF1など下位チームのポジションのみとなっている。ここから先は,持ち込むスポンサー額がものを言うことになるだろう。

 さて,幸運にも(或いは実力で)そのポジションをもぎ取ったドライバーたちは,来季に向けての体制を固めつつある。BMWザウバーのサード&テストドライバーを継続するセバスチャン・ベッテルは,来季ワールドシリーズ・バイ・ルノーへの参戦が決定した。同シリーズはBMWザウバーの先輩でもあるロバート・クビサや,SAF1で活躍しトヨタに移籍したフランク・モンタニー,更にさかのぼれば,今をときめくフェルナンド・アロンソもチャンピオンを獲得しステップアップを果たしたカテゴリーである。マカオGPでは思うような走りができなかったベッテルだが,その才能は誰もが認めるところ。F1とWSRの二足のわらじを履く来季は,更に忙しい週末を送ることになりそうだ。

 一方で今季終盤3戦に,クリエンに代わってレッドブルから出走したロバート・ドーンボスは,未だに来季の就職先が決まっていない。一時はトロ・ロッソでのレギュラー昇格が噂されていたものの,共同オーナーのゲルハルト・ベルガー氏がその可能性を否定。最も可能性が高いのは,今シーズン同様レッドブルのテストドライバーを務めることだが,ミハエル・アメルミューラーの可能性もあり確信は持てない。ドーンボスはチャンプカー行きも視野に入れながらの就職活動となるだろう。クリエンがF1にこだわり続け,結果的にホンダに見いだされたことを考えると,何とも皮肉な話である。一方に笑うものあれば,一方に泣くものあり。仁義なきシート争奪戦は,まだまだ続きそうだ。 

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