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2006年11月24日 (金)

黒くて丸い4本を学べ!

 「タイヤは命を乗せている」と言われる。数え切れないほど多くのパーツで構成されている自動車の中で,最も重要なパーツの一つであるタイヤ。どんなに高性能の車に乗っていても,タイヤの性能が落ちていたのでは快適なドライビングが楽しめるはずもない。それがレーシングカーともなればより顕著に表れ,一歩間違えれば大事故にも繋がりかねない。タイヤの性能で勝敗が決まってしまうことも日常茶飯事である。F1に於いてもここ数年,ミシュランVSブリヂストンのタイヤ戦争が続き,数々のレースでタイヤが勝敗の行方を大きく左右してきた。同じように黒くて丸くて4本あるタイヤが,メーカーによって全く違う特性を示すのだから,見ている方としては非常に面白かった。

 そのタイヤ戦争も2006年を以て終了し,来シーズンからはブリヂストンのワンメイク供給となる。過去には結果的にブリヂストンのワンメイク供給となったシーズンもあったが,来季からはルールとしてのワンメイク供給が始まる。となれば,今季ミシュラン陣営だった6チームも,そのタイヤを勉強しなければならない。ミシュランの足下に支えられ,2年連続チャンピオンチームとなったルノーも同様であり,パット・シモンズ/エンジニアリング・ティレクターも,「肝心なのは,ブリヂストンタイヤを学習すること」と,まずはオフテストでその基本特性を理解したい考えを示した。

 F1だけでなくサスペンションの可動範囲が少ないフォーミュラカーでは,タイヤがそれに変わる役割を果たすことになる。従って,サスペンションとタイヤとのマッチングは非常に重要なポイントであり,各チームともタイヤ選択とサスセッティングには多くの時間を費やしている。シーズン中のテストも,メニューのほとんどはタイヤの比較テストであり,ワンメイク化となった理由の一つは,そうしたテスト費用高騰を押さえることだった。熾烈なタイヤ戦争の中で作られたタイヤは,非常にスイートスポットの狭いものであり,少しでもタイヤ選択を誤ってしまうと,ライバル陣営に大きく水をあけられてしまう。雨の中国GP予選で展開された光景は,それを如実に物語るものだった。

 さて,ワンメイク供給はブリヂストンにとっても新たな挑戦である。どのチームにも満足されるタイヤなどあり得ないが,タイヤによって有利不利があからさまになってしまうことは許されない。ブリヂストンはイコールコンディションを強調しているが,現時点でフェラーリが有利であることは明らかである。来シーズンからはもう「マシンの性能を最大限に引き出すタイヤ」が開発されることはない。各チームも「タイヤの性能を最大限に引き出すマシン」を開発することが求められる。タイヤ・マシン・ドライバーと見所満載のオフテスト第1弾は,来週28日(火)からスペインのバルセロナで始まる。

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