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2006年12月15日 (金)

入れ替え制は実現可能?

 我々の社会は,ピラミッド構造になっていることが多い。人は頂点に辿り着くために努力を続け,一段ずつ階段を上っていく。もちろん全ての者が,その頂点にたどり着けるわけではない。確かな実力(と僅かばかりの運)を持った人物だけが,最上段に到達することができる。言うまでもなくF1を頂点とするモータースポーツの世界も,純然たるピラミッド構造である。F1ドライバーを目指す若者は,そのピラミッドを登らなければならない。そこは力のある者だけが生き残り,力のなき者は生きることを許されない,弱肉強食の世界である。しかしこれは,何もドライバーだけの話ではないらしい。FIAのマックス・モズレー会長は,F1チームとGP2チームとの入れ替え制を提唱している。

 この案はトップのGP2チームをF1に昇格させ,最下位のF1チームをGP2に降格させるものである。モズレー会長の狙いは,入れ替え制を実施することで,F1に新規参入するチーム及びスポンサーを増やすことにあるのだろう。FIAが今シーズンはじめに2008年からの新規参入を募ったところ,数多くのチームが立候補した。しかし,F1に参戦できるのは12チームまでであり,中にはF1に参戦するだけの資金と技術力を持ちながら,その参戦枠に阻まれたチームも数多く存在した。入れ替え制が実施されれば,そのようなチームが,今後もF1参戦のチャンスを得られるようになる。

 だが,この案が現実的なものとして認識されることはないだろう。まず,資金の問題がある。GP2とF1とではその規模が桁違いであり,仮に2008年からのカスタマーシャシー購入制でシャシーとエンジンは確保できても,世界中を転戦しながらそれを1年間走らせるだけの資金は莫大な額である。幾らコストダウンを図っても,これは避けようがない。また,GP2に降格した側は,チーム崩壊の可能性すらある。今シーズンを例に挙げると,最下位のSAF1がGP2に降格することになる。そんなことになれば,「日本GPが99%」のSAF1は,その存在意義を失ってしまう。下位チームの代表者らが,そんな危険を含んだ入れ替え制を,そう簡単に受け入れるはずもない。

 さて,そんな中で2008年からの参戦権を確保したプロドライブは,参戦に向けての準備をじっくり行う構えのようだ。実際にマシンがサーキットを走り始めるのは,来シーズンのオフになるだろうと言われている。そしてプロドライブのデイビッド・リチャーズ代表は,「チームを適切に立ち上げて,それが軌道に乗るのを見極めて,そしてその後離れるつもり」と語っており,長い間F1フィールドに留まるつもりはないようだ。F1は魔物の棲む世界。深みにはまったら決して抜け出せないことを,リチャーズ代表も知っているのだろう。そういえばSAF1の鈴木亜久里代表も,同じような事を言っていたっけ。

参照リンク:@nifty F1通信

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コメント

 Jリーグの入れ替え戦なら判りますが、F1とGP2ではKAZさんのおっしゃる通り、かなり無理がありますね。F1チームが合間にGP2をやるならまだ理解できますが、逆は規模から言って実現性はかなり低いと思います。昇格されたが為に破産するかもしれない入れ替え戦に、あまり意味があるとは思えません。それ以前に事実上ワークスとプライベーターでハッキリと格差が有りますから、不要かもしれませんがね(笑)。
 それにしてもリチャーズの目的はなんでしょう?ウイリアムズの様に「F1で勝つ」のが目的とは思えませんね。他チームへの売却益でも狙っているんでしょうか?3年しかやるつもりが無いとなると、今まで何度もF1に関わってきた事は何の為だったのか…。関わった上で、F1に見切りでもつけたのでしょうか?「F1は金儲けだ!」とでも悟ってしまったのでしょうか?そういえば亜久里も昔「最後はフェラーリに乗って辞める」と言ってましたから、あまり信憑性はありませんがね(苦笑)。

投稿: aqua1931 | 2006年12月16日 (土) 00時08分

 aqua1931さん,こんにちは。こちらにもコメント,ありがとうございました!
 モズレー会長の狙いも分かるんですが, 入れ替え制は非現実的でしょうね。サッカーなど他のスポーツでは,昇・降格してもカテゴリーは同じですが,F1とGP2ではそれ自体が違いますからね。2008年からはカスタマーシャシーが使えますが,これとてワークスの1年落ちがいいところでしょう。そうなればaqua1931さんの仰るとおり,F1内で2つのカテゴリーが存在するようなものですからねぇ。
 ただ,F1に参戦したいチーム・企業・個人は数多く存在しますから,その魅力は何者にも代え難いでしょう。ですからリチャーズ代表の狙いも,勝利や名誉ではなく,未来に向けての投資のようにも思えます。鈴木亜久里代表も「5年でやめる」と言っていましたが,こちらは太く短く,夢を追い続けているものと思っています。有言実行男の亜久里代表も,残念ながらフェラーリ・ドライバーにはなれませんでしたが,今回はどうですかね?(^^)ではでは!

投稿: KAZ | 2006年12月16日 (土) 13時26分

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