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2006年12月 7日 (木)

混迷のシャシー問題

 どこの世界にも「揉ませ屋」という人種はいるものである。そういった人種がいると,すんなり終わる会議も延々と続くことになる。彼らは自分にとって有益となるものにしか興味がなく,不利益になるものについてはとことん反対の姿勢を示す。反対するのなら解決策を示すのがべきなのだが,ただ反対を主張するだけに余計にタチが悪い。F1首脳陣にも,自分の主義主張を強く訴える者が多くいる。F1界は黙っていると損をしてしまう世界なだけに,そうなるもの至極当然である。そして,ある程度予想されたことだが,2007年のシャシーについて,スパイカーのコリン・コレス代表が異を唱えた。

 ことの発端は,SAF1が先週のバルセロナテストで走らせたマシンにある。詳細については「RA106「改」が示すもの」で述べたので割愛するが,これが一度は否定された来シーズンからのカスタマーシャシー導入に再び火を付けた。SAF1のダニエレ・オーデット/マネージング・ディレクターは,「SA07はRA106の改良マシンではない。100%スーパーアグリだ」と語っている。しかし,SA07がRA106をベースにすることは明らかであり,昨日から始まったへレステストでも,SAF1はSA06改(RA106)により安定したタイムを刻んでいる。もしこのままSA07が投入されれば,スパイカーに勝ち目はない。それを是としないコレス代表が異を唱えるのも,当然の成り行きである。

 今年夏頃からSAF1は,来シーズンからカスタマーシャシーが使用できるよう,各チーム代表に働きかけをしていた。そして全てのチーム代表から,賛成の同意を得ていたという。しかし,9月18日の代表者会議で提案されたカスタマーシャシー案は,スパイカーの反対により否決された。その時点で,2007年からのカスタマーシャシー導入はなくなっている。そこでSAF1は,「栃木研究所が開発・製造しホンダレーシングが組み立てた」RA106の知的所有権を得た上で,それをベースにしたSA07を投入しようと目論んだのだ。これは今シーズン,トロ・ロッソがとった手法と同じである。

 確かに,F1に参戦していない企業からシャシーを購入し,自チームのマシンとして走らせることはできる。このことは,マックス・モズレーFIA会長も認めている。過去にもダラーラやローラ,レイナード,マーチといった企業が開発・製造したシャシーを知的所有権ごと購入し,自らのマシンとして走らせたチームは幾つもあった。現在RA106の知的所有権は,ホンダレーシングではなくホンダ技研(栃木研究所)が持っていたるため,SAF1も過去の例にならい規約を守った上で,SA07を開発しようとしている。更に来季トロ・ロッソも,RB3を改良したSTR2を投入しようと目論んでいることが,この問題をより複雑なものにしている。8日の代表者会議は,荒れるだろうなぁ。

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コメント

KAZさんへ

こんにちははじめまして、<キミの名はライコネン>の管理人です。
コメントありがとうございました、いつも勝手にTBさせていただいて、本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: noriraikkonen | 2006年12月 7日 (木) 23時40分

 こちらこそありがとうございます。
TB&コメント大歓迎ですので,これからもよろしくお願いします。
ではでは!

投稿: KAZ | 2006年12月 8日 (金) 17時22分

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