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2006年12月 9日 (土)

5年先より気になる来年

 よく「来年のことを言うと鬼が笑う」と言われるが,広辞苑によるとそれは,「実現性のないことや予想のつかないことを言った時にからかう言葉」とされている。従って,実現可能な事項に対して,この言葉が使われることはない。8日にモナコで行われたF1代表者会議で,今後5年間に渡る検討課題が話し合われた。日進月歩のF1界に於いて,来年どころか5年先のことまで議論することは容易なことではない。コスト削減,地球環境への配慮,新しい技術への挑戦など,F1が抱える課題も多い。しかし,長期的な視点でその在り方を議論していかなければ,F1の生き残る道がなくなってしまう。

 とは言え私などの凡人は,5年先のことより来年のことの方が,どうしても気になってしまう。各チームの代表が集まったこの会議では,渦中のカスタマーシャシー問題も討議された。スパイカーのコリン・コレス代表が提案したこの件については,3時間以上もの議論がなされたという。その結果やはり複数のチームが,トロ・ロッソとSAF1のやり方に難色を示したようだ。最終的な解決策は出なかったものの,両チームに対しては検討すべき妥協案が提示されたという。その詳細は不明だが,英AUTO SPORTは,「来季のコンストラクターズ・チャンピオンシップのポイントや,FOMからのテレビ収入と旅費の放棄に同意することであると」であると伝えている。

 特に上位チームの首脳陣は,SAF1よりもトロ・ロッソの姿勢に懸念を抱いているという。それはそうだろう。ゲルハルト・ベルガー/共同オーナーは否定するものの,トロ・ロッソが来季走らせようとしているSTR2は,レッドブルのエイドリアン・ニューウェイ/チーフ・テクニカル・オフィサーがデザインした来季用マシンRB3のリアエンドを,フェラーリ・エンジンが搭載できるように改造したものであると言われている。このマシンはどう考えても「型落ちシャシーの流用」などではなく,より競争力のある「新型シャシーの流用」になる。これは他チームに警戒されて当然だろう。

 この問題をより複雑なものにしているのが,マシンの「知的所有権」である。しかし,それ以上に大切なことは,「そのマシンを誰がデザインしたのか」をFIAに対して明らかにすることだという。2004年にザウバーが,フェラーリF2003-GAそっくりのC23を走らせ「青いフェラーリ」と揶揄された。しかし,彼らはFIAに資料を提出し設計者を明らかにすることで,この問題を解決している。そしてそれと同じ事を,トロ・ロッソも行おうとしているのだろう。レッドブル&トロ・ロッソが,FIA&FOMと深いつながりを持っているのは公然の秘密である。そうなると残るはSAF1。何だか雲行きが怪しくなってきたなぁ。

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