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2007年1月19日 (金)

左近の適切な環境

 人が成長するために最も重要な要素が,その人を取り巻く生活環境である。幾ら才能あふれる人物であっても,それに見合った環境にいなければ,才能を開花させることは難しくなる。逆に,適切な環境を手に入れれば,自身の能力を大幅に向上させることもできる。F1に辿り着くためにも,適切な環境を手に入れる必要がある。以前「チャンスを生かす能力」でも述べたことだが,F1ドライバーになるためには、適切な時期に,適切なポジションにいることが重要なのである。今季SAF1のセカンドテストドライバーとしてチームに残る一方,自身の能力をアピールすることの出来る場所を探していた,山本左近の参戦カテゴリーが決定した。

 左近の選択したカテゴリーは,今や「F1予備校」として多くの若手がしのぎを削るGP2シリーズ。注目の所属チームは,過去2年間日本人として唯一参戦していた吉本大樹が所属していたBCNコンペティションに決定した。BCNは決してトップチームとは言えないものの,F1関係者の目にとまることの多いGP2に参戦できたことは大きい。ARTAが参戦しているフォーミュラ・ニッポンに戻ることも考えられただろうが,ヨーロッパから離れてしまっては,F1との距離が開いてしまうことになる。2008年からのレギュラー再昇格を目指す左近にとって,GP2は最も適切な環境であると言えるだろう。

 既に今季のGP2には,DAMSから中嶋一貴が,トライデントから平手晃平が,それぞれ参戦することが決定しており,これで3人のドライバーがF1予備校に入学したわけである。国際F3000時代を通じて,3人もの日本人ドライバーがF1直下のカテゴリーに参戦したことはない。ただ海外に行けばいいというわけでもないが,これが日本でレースをする若手にも大きな刺激になることは間違いない。過去2シーズン,GP2で上位の成績を収めた者は,確実にF1のシートを手に入れている。裏を返せば,GP2で速さを見せられない者に,F1のシートが与えられることはないのだ。自身を最も厳しい環境で鍛え上げることができれば,左近の再昇格は現実のものになるだろう。

 一方で左近のGP2参戦は,実質的に彼の金曜フリー走行でのドライブがないことを意味する。尤もこれは,リザーブドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデが金曜走行を明言していたことから,ある程度予想されたことではある。昨日に引き続きへレスでテストを続けているSAF1は,アンソニー・デビッドソンがチーム初となるトップタイムをマークするなど,好調さを内外にアピールしているが,プライベートテストが制限させる中では,左近がSAF1のテストを行うチャンスは極めて少なくなるだろう。そのためにも左近はGP2で結果を残すしかない。「ポスト琢磨」は果たして誰になるのか?今季は左近を含めた「GP2トリオ」も要チェックである。

参照リンク:@nifty F1通信

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