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2007年1月16日 (火)

嵐の前の平和な時間

 何事も体験してみなければ,物事の本質を知ることはできない。幾ら知識があろうとも,自分自身が体感しているとしていないとでは,物事に対する理解に大きな開きが生まれる。さして経験のないのに偉そうなことを言うものだから,ワイドショーのコメンテーターなどは煙たがられるのだろう。さて,各国のテレビ局で解説を務める元F1ドライバーは多いが,その多くは現代のF1マシンをドライブした経験が乏しい。彼らが最新のF1マシンを体感すれば,自身のコメントの幅も大きく広がることができる・・・。こんなユニークなイベントが,イギリス・シルバーストーンで行われた。今回挑戦したのは,元F1ドライバーのマーティン・ブランドル氏とクリスチャン・ダナー氏である。

 このイベントに協力したのが,SAF1の鈴木亜久里代表である。事の発端はダナー氏が亜久里代表に,「自分のマシンをドライブしたことがないのなら一緒に乗ってみよう」と持ち掛けたとのこと。亜久里代表は11月20日に行われた「SAF1☆ARTAフェスタ」で,SA06Bをドライブしいるので,この「約束」はそれ以前,おそらく昨シーズン中に交わされたものなのだろう。現在母国ドイツのRTLテレビでF1解説者を務めるダナー氏は,「自分が解説しているものを理解するために,ずっと最新のF1マシンをドライブしたいと思ってた」と語っており,今回長年の夢が叶ったことになったわけである。

 もうひとりこのイベントに参加したのが,現在母国イギリスのITVでF1解説者を務めるブランドル氏である。ブランドル氏と言えば,1995年にリジェ・無限で亜久里代表とシートを分け合った,いわば因縁のライバルである。そのライバル同士が,今回はお揃いのレーシングスーツを纏い,シルバーストーンを全開で駆け抜けたわけである。走行後ブランドル氏は,「SA06のマシンとパッケージには感動した」と語っており,最新F1マシンを十分に堪能したようだ。もちろん自身が解説を務めるITVの視聴者のために,ドライブ中のコックピットでも大声で「解説」をしていたようだが・・・。

 今回亜久里代表らがドライブしたマシンは,昨年の最終戦ブラジルGPでチームのエース佐藤琢磨が10位を獲得した,SA06Bそのものであるという。苦難の連続であった創立1年目のシーズンを戦ったマシンは,最後にチームオーナー手よってドライブされた。鈴鹿では最新F1マシンに手こずり,スタートすら満足にできなかった亜久里代表も,今回ばかりはシルバーストーンを,レーシングスピードで攻めていたという。少年のような笑顔を浮かべた3人からは,F1マシンをドライブする事への楽しさをうかがい知ることができる。しかし,新たなシーズンの幕開けは,刻一刻と迫っている。嵐の前の平和な時間は,間もなく終わりを告げるのだ。

参照リンク:@nifty F1通信

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