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2007年2月 5日 (月)

年間20戦の可能性

 世界選手権という名がつく競技であれば,当然世界中の国から多くの参加者が集まり,競技がおこなわれるのが筋である。しかし,自動車産業と密接に関わっているモータースポーツは,必ずしもそうはいかないことが多い。F1は元来貴族の道楽であり,一昔前までは完全なる欧州中心のカテゴリーだった。これは開催国を見れば一目瞭然であり,欧州以外の国は言わばオマケのような存在であった。しかしここ数年は,これまでとは異なる動きが出てきている。「モータースポーツのワールドカップ」を目指し,国別対抗選手権という新しい発想で始まったA1グランプリや,以前「脱欧州化は加速する」で述べたような,F1開催国の広域化などがそれにあたる。

 A1の立ち上げと,F1開催国の広域化。このふたつの動きと密接に関わっているのが,オイルマネーで潤う中東の国々である。中でも特に景気のいいアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでは,先日「F1ストリート・フェスティバル」が行われ,ウィリアムズとスパイカーを除く9チームがこのイベントに参加した。そして,イベントを強力に推し進めたFOMのバーニー・エクレストン代表は,2009年から7年にも渡るアブダビGP開催契約が締結されたことを発表した。既に中東地域では,バーレーンGPが開催されており,これでアブダビGPと合わせて,新たな開催圏が中東に築かれたこととなる。

 更にエクレストン代表は,将来的に開催数を20戦にまで増やしたい意向を示している。長いF1の歴史に於いて,グランプリの開催はここ30年ほど,年間16~17戦で推移してきた。しかし脱欧州化を始めたF1は,グランプリの開催数を徐々に増やし,2005年には年間19戦が開催されている。エクレストン代表は,以前から年間20戦の開催を模索してきており,2009年にはこれが達成される可能性が高い。また,日本や中国でのナイトレース開催を示唆するなど,F1のショーアップ改革にも余念がない。もっともこれは,欧州での生放送時間帯が,早朝になってしまうことを考慮したのだろうが・・・。

 長年モータースポーツの台所を支えてきたタバコメーカーが,タバコ広告規制で相次いで撤退したことが,エクレストン代表の動きを更に加速させている。巨大なビジネスを生み出しているF1だが,まだまだ未開拓の国も多い。そういった国にも熱心なモータースポーツファンはいるのだから,伝統という足枷に捕われず,新たな可能性を模索することは決して悪いことではないだろう。バラエティ豊かなサーキットで,真の世界選手権たるF1が開催されることは,ファンとしても喜ばしいことである。とは言え年間20戦の開催となれば,エクレストン代表の懐には更に多額の資金が流れ込むのだろうから,チームとしてもダタじゃOKと言わないだろうなぁ。

参照リンク:@nifty F1通信

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