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2007年2月 7日 (水)

コンコルド協定が持つ力

 スポーツのルールは多くの場合,物事を管理する側が作るものであり,参加者はそれに従うことが求められる。もちろん参加者も自らの立場を守るため,管理者が決めたルールに対して,何らかの異議を唱えることはできる。そして何より重要なのは,そのルールがはっきりと公表されている点である。しかし,F1に一般常識は通用しない。FIAが定めるところのスポーティング&テクニカル・レギュレーションは,広く公表されているが,それ以外の部分は闇のままである。TV放映権をはじめとする商業的は部分はFOMが牛耳っており,賞金額やチームへの分配金額は公表されていない。

 そして,参加者であるF1チームのバックボーンは,彼らがFIA&FOMと署名したコンコルド協定である。コンコルド協定の中味は門外不出であり,それに署名した者しか内容を知ることはできない。以前,コンコルド協定の中味が部分的に公表されたこともあったが,これは現行のコンコルド協定ではなかった。現在効力を発揮しているものは,1998年に締結されたものであるとされている。現行のコンコルド協定は,2007年12月31日をもって失効するので,その後は今季中に締結されるであろう新コンコルド協定が,参加者たちのバイブルとなるはずである。

 コンコルド協定は,何か問題が起こるたびに,伝家の宝刀ごとき扱いで登場してきた。今回のシャシー問題に於いて,スパイカーやウィリアムズが反対を主張する根拠は,この協定に書かれた「コンストラクターの定義」である。スパイカーのコリン・コレス代表は,「コンストラクターであるためには,知的所有権を持たなくてはならない。そしてそれは,コンコルド協定において単数形になっている」とした上で,現行のコンコルド協定では,知的所有権を他チームと共有することはとはできないことを訴えている。従って,1998年以前は,第3者の企業からシャシーを購入して参戦できたが,現行のコンコルド協定下では,そういったチームがコンストラクターとして扱われることはない。

 コンコルド協定の署名者たちは,協定の持つ強力な条文に縛られており,その力は場合によって,FIAの決定を覆すことができるほどである。したがってFIAは契約上,F1の管理者としてマシンが合法的であるかどうかを判断することはできても,コンストラクターの定義をすること,すなわちF1に参加するかどうかを判断することはできない。それを判断するのは,コンコルド協定の署名者たち全員なのである。しかし,参加者全員がその内容を共通認識しているとは限らない。だからこそ今回,コンストラクターズの定義を巡って,様々な論争が繰り広げられているわけである。「最終的に判断を下すのはFIA」と,気楽に構えているオーナーもいるが,事はそう簡単に運ばないだろう。

参照リンク:@nifty F1通信 beatnicの密かな憂鬱

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コメント

こんばんは
スッキリと纏めてありますねー
僕のエントリはスパゲッティです(^_^;

投稿: ビートニク | 2007年2月 7日 (水) 20時37分

 ビートニクさん,こんばんは!
 お褒め頂きありがとうございます(*^ ^*)今回は,ビートニクさんのエントリーを参考にまとめてみましたので,参照リンクに入れさせて頂きました。
 それにしてもコンコルド協定は,考えれば考えるほど,どうとでも解釈できそうな条文ですから,議論が白熱するはずですよね(^^;)ではでは!

投稿: KAZ | 2007年2月 8日 (木) 18時13分

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