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2007年3月23日 (金)

出すぎた杭は打たれない

 「出る杭は打たれる」のは,どの世界にも共通するのだろう。勝者と敗者がはっきりするスポーツの世界では,全員が主役になることはない。だからと言って,特定の組織や人間が飛び抜けて目立っていても,その他大勢は面白くない。そうなった場合,敗れた者は勝った者のあら探しを始めることとなる。先日,圧倒的な速さで開幕戦を征したフェラーリに「可動フロア疑惑」がかけられたが,今度はそれがBMWザウバーにも飛び火している。フェラーリに疑いの目が向けられることは,さして珍しいことではない。昨年も「フレキシブル・ウイング」が話題になったことは記憶に新しい。

 しかし今回,疑惑がBMWザウバーにまで飛び火したのには,彼らが今季台風の目になる可能性があるからに他ならない。依然として信頼性に難があるものの,ここ一発の速さには定評がある。そして,これに警戒感を抱いているのが,マクラーレンであるという。開幕戦で見せたBMWザウバーの空タンクアタックに対し,ロン・デニス代表が「見せびらかしのような作戦」と発言したことからも,マクラーレンに危機感が生まれていることは明らかである。開幕戦で2-3フィニッシュを果たしたマクラーレンではあるが,フェルナンド・アロンソも認めるように,タイム以上に実力の開きがあることは,チーム内の人間であれば,誰もが肌で感じ取っていることだろう。

 そのマクラーレンで明るい話題と言えば,デビュー戦で3位表彰台を獲得したルイス・ハミルトンの存在だろう。「F1初の黒人ドライバー」という,速さとは何の関連もない形容詞付きで語られることの多いハミルトンであるが,その才能を今更疑う者などいないだ。かつてイギリス国民の熱狂的な支持を得ていたバトンも,今季は思うように走らないマシンに早くも白旗状態。そこに,新星ハミルトンの登場である。以前は売れ行きが伸び悩んでいたイギリスGPのチケット売り上げが,ここに来て倍増していると言うのだから,ニューヒーローの誕生に,イギリス人F1ファンが喜ぶのも無理はない。

 一方,表彰台で久しぶりに母国の国歌を聴いたのが,フェラーリ移籍1戦目にして完璧な勝利を挙げたキミ・ライコネンである。普段は感情を表に出すことの少ないライコネンだが,移籍初戦の勝利は格別だった上に,「これで繰り返される『新しいチームでいつ勝つ?』という質問を封じることができる」と,メディアへの皮肉を込めて語っている。開幕戦の金曜会見で,ホンダのアースカラーに関連した環境に対する質疑応答の際も,他のドライバーがそれぞれ環境保護に関する独自の見解を述べたのに対し,ライコネンはたった一言,「ない」というマイペースさ・・・。彼にはこれからも変に小さくまとまらず,トコトン自分を貫き通してほしい。「出すぎた杭は打たれない」のだから。

参照リンク:FMotersports.nifty  F1通信

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コメント

おはようございます
BMWザウバーは速いから疑われたんじゃなくて、問題のパーツが写真に写っているからです。
本来、スプリッター~フロアというのはカーボンの造形とバランス用の錘しかない場所なのに、明らかに別のパーツが確認できます。

投稿: ビートニク | 2007年3月24日 (土) 06時11分

 ビートニクさん,こんにちは!
 エントリー,読ませていただきました。フェラーリは確認していたんですが,なるほど,BMWザウバーにも何だか怪しげなパーツがついておりますな(◎_◎;)
 ダウンフォースを増やすのに,フロアは「おいしい部分」ですから,各チームあの手この手を使ってくるんですね。勉強になりました。SAF1は昨年,やたらとフロア剥離してましたが,これは関係ないですよね(^^;)
 これからも,ご指摘よろしくお願いします。ではでは!
 

投稿: KAZ | 2007年3月24日 (土) 15時29分

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