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2007年3月 5日 (月)

レースが文化になる日まで

 どのようなものであれ,それが文化として定着するまでには,ある程度の年月を必要とする。歴史の長さだけが文化の価値ではないのだが,人々に浸透するまでに時間がかかるのは,その歴史が証明している。モータースポーツも例外ではない。自動車文化が根付いた現代に於いても,モータースポーツに対する地域差があることは明白な事実である。以前「モータースポーツの特異性」で触れたように,モータースポーツ後進国と呼ばれていた日本も,ようやくモータースポーツが一般に認知されされようとはしているが,それが文化として定着している欧米には,未だ遠く及ばない。

 そんな「文化の差」は,GPの観客動員数にも影響を及ぼす。幸いにも日本GPの観客動員数は,毎年述べ30万人以上というトップレベルの数を推移しているが,他のアジアラウンドはそうも行かないようである。中国GPはそれなりの観客を確保しているものの,今年が9回目となるマレーシアGPは,ここ数年観客動員数で苦戦を強いられている。第2戦まであと1ヶ月と迫った現在も,マレーシアGPのチケットは,僅か11000枚しか売れていないという,日本では考えられない状況にある。主催者側は,「マレーシアのファンは,土壇場になるまでチケットを買わないが,レースが始まると観客数は12万人に達する」と豪語するが,とても目標とする人数は達成できそうにない。

 マレーシアにもしっかりとした自動車文化があり,マレーシア人ドライバーも各カテゴリーに存在する。ペトロナスをはじめ,モータースポーツに関与している企業も少なくない。しかし,それがGPの観客動員数に結びつかないのは,モータースポーツが広く一般に認知されていないという,マレーシア国内の現実がある。セパンで毎年開催されているスーパーGTには,多くの観客が詰めかけ盛り上がると言うが,それは一部の熱狂的なファンである。いくらサーキットという立派な箱を作っても,そこに集うファンを開拓していかなければ,自国のモータースポーツが盛り上がるわけがない。これは何もマレーシアに限ったことではなく,日本にも言えることなのだが・・・。

 レースをサーキットという閉鎖された場所で行っている限り,一般の人がモータースポーツに触れる機会は少ない。ならばサーキットを飛び出し,一般の触れることの多い場所でレースを開催すれば,モータースポーツを体感する機会を増やすことができる。公道を使用したGPにも,その可能性はあるだろう。日本では残念ながら実現されていないが,以前から噂のあったシンガポールでの市街地レースは,早ければ2008年から開催されるという。騒音や環境問題など,依然としてモータースポーツへの風当たりは強いが,地道な活動を続けてゆけば,いずれ日本でも,レースが文化となる日が来るだろう。

参照リンク:FMotersports.nifty F1通信

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コメント

KAZさん、こんばんは!
オイラもレースが文化になるのは国内ではまだまだ当分先のようにも思えてしまいます。(笑)
ようやく認知されたくらいでしょうか?
だいたい、この国にはレースを文化に押し上げる為のパトロン(スポンサー)の理解が乏しい部分はありますよね。
逆にマレーシアはスポンサーはあるのにチケットが売れない?これまた面白い現象で、日本と足して2で割るとちょうど良くなりそうな気配もありますが…(笑)
ただ、鈴鹿に住んでいるオイラの友人(特にF1に興味がある訳ではない)は、F1の時にはそれこそ街をあげて大変ではあるけど歓迎している!とも言っておりましたから、もっと、もっとカーレースも身近に感じる事が出来れば…
将来的には文化になるかもしれませんね。(笑)

投稿: カンジ | 2007年3月 5日 (月) 19時55分

こんばんは
ナンバー付の車で参加できるような身近な草レースが増えれば…と言っても、それすら定着するのに時間が掛かりそうですね。
トヨタが日本GPのホストをやることで、モータースポーツの底辺が広がると良いんですが…そこまで視野に入っているかな?

投稿: ビートニク | 2007年3月 5日 (月) 21時20分

 カンジさん,こんばんは!
 スポンサーの理解が低いのは,鈴木亜久里代表も嘆いていましたね(TT)バブル期はあれだけこぞってF1に参入していたのに。どなたかSAF1のスポンサーになって!
 でも鈴鹿の盛り上がりは,すでに「文化」になっているのでしょうね。スタッフと地域の交流も盛んのようですし。富士で新たな文化を築くのは,また長い時間がかかりそうです。それまで富士で開催できるかな(^^;)ではでは!

投稿: KAZ | 2007年3月 6日 (火) 17時17分

 ビートニクさん,こんばんは!
 私の住む町にも小さなコースあるんですが,やっぱり一般の人はなかなか足を踏み入れませんね。ちょっとしたスポーツ走行でもコースを走れば,クルマに対する新たな魅力も感じることができると思うのですが・・・。
 トヨタはホンダよりも,庶民的にモータースポーツを広めてくれるかな?とも思っています。富士の開催がどこまで新たな文化を築けるか。一朝一夕にいきませんから,長い目で見ないといけないでしょうね。ではでは!

投稿: KAZ | 2007年3月 6日 (火) 17時23分

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