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2007年4月15日 (日)

良きライバルを得て・・・

 一人で何かをしているよりも,誰かと競い合っている時の方が,よりよい結果を得ることができる。良きライバルを得てお互い切磋琢磨した結果は,自分にとっても周囲にとってもプラスに働くことが多い。F1においてチームメイトは,最も身近なライバルといえる。同じチーム,同じマシンで戦っていれば,その実力が直接比較されることは明白である。F1第3戦バーレーンGP予選で,SAF1のアンソニー・デビッドソンは,今季初めてチームメイトである佐藤琢磨を上回る結果を手にした。デビッドソンは「チームメイトを打ち負かすことができたことに大きな達成感を感じている」と,イギリスF3時代からのライバルに勝ったことを素直に喜んでいる。

 二人のタイムの違いは,予選に対するアプローチの違いでもあった。デビッドソンがQ2進出を目標として,Q1で2本のソフトタイヤを使用したのに対し,琢磨はQ3進出を意識してソフトタイヤを温存。1回目のアタックはハードタイヤで臨んだ。しかし,思いの外グリップレベルが低く,2回目のアタックでソフトタイヤを履いたものの,ミスもありギリギリ17番手でのノックアウトとなってしまった。しかし,今回はフリー走行の段階から,デビッドソンが終始琢磨をリードしていた。仮にもし二人が同じアプローチで予選を行ったとしても,今回はデビッドソンの速さが勝っていたのではないだろうか。幸い琢磨は,決勝に向けポジティブなコメントを残しており,追い上げに期待がかかる。

 さて,昨日はF1と同時開催で行われるGP2の開幕戦第1レースも行われた。予選5番手の平手晃平,9番手の中嶋一貴に上位進出の期待がかかったが,二人とも残念な結果に終わっている。一貴はフォーメーションラップで,晃平はスタートで,それぞれクラッチのフライ・バイ・ワイヤー誤作動によりエンジンがストール,後方からのスタートを余儀なくされた。GP2マシンはフライ・バイ・ワイヤーは,プロストAP03に使用されていた古いシステムの流用であり,現代F1のように調整機能が付いていないものだという。それ故,今回のスタートでも多くのドライバーに,同じトラブルが降りかかっている。

 結果的に優勝は,PPからそのまま逃げ切った,Super Novaのルカ・フィリッピ。iSportの二人が2-3フィニッシュで表彰台に並んだ。4位にAerdenのブルーノ・セナ,BCNの山本左近は,予選18番手から粘り強く走り抜き11位。一貴と晃平は,共にトップから1周遅れの17位,18位に終わっている。しかし,今後に向けて明るい材料もある。レース中のファステストラップ1:43.226は,一貴が記録したもの。晃平も2番手のタイムをで続き,トラブルに一矢報いた形である。共にTDPの一員であり,良きライバルでもある一貴と晃平。今後,二人の対決も注目である。あ,左近もガンバレぇ・・・。

参照リンク: FMotorsports F1キンダーガーデン

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2007年4月14日 (土)

どちらも目が離せない!

 最近週末が来るのが待ち遠しい。もちろん休みがうれしいのは至極当然のことなのだが,それに加えて最近の週末は「レース」がある。今週末は,第2戦マレーシアGPからの2週連続開催となるバーレーンGP。サーキットで戦う者たちにすれば,これ以上のないハードスケジュールだが,見ている者たちにとっては,これ以上ない幸せである。さて,昨日行われたフリー走行では,フェラーリ勢が1-2とまず好調なところを見せている。オフシーズンテストでも,バーレーンではフェラーリの速さが際だっていたが,その流れは今も変わっていないようだ。前戦はエンジンを労りながら,我慢の走行を強いられたキミ・ライコネンも,今回は思い切った走りを見せてくれることだろう。

 一方,マレーシアGPでマクラーレンのルイス・ハミルトンにしてやられてしまい,自身の評価を下げてしまったフェリペ・マッサにとっては,もうミスの許されないレースとなる。マッサの弱点は,マシンが出来上がっている時は手のつけられない速さを発揮するが,いざトラブルに苛まれると,本来の速さが影を潜めてしまうことである。そのマッサを完全に押さえ,2戦連続の表彰台を獲得したハミルトンには,前人未踏のデビューから3戦連続の表彰台という記録がかかっている。本人はそれほど意識していないようだが,周囲の期待は高まるばかりである。

 開幕戦から極度の不振にあえいでいるホンダは,バーレーンでもその状況が急変することはないだろう。一度悪い流れに陥ってしまうとなかなか抜け出せないもので,フリー走行2回目では,ジェンソン・バトンにエンジントラブルが降りかかっている。ホンダにとってせめてもの救いは,ルーベンス・バリチェロがいくらかまともなタイムを記録できたことだろう。SAF1もまずまずの金曜日を過ごしたようだ。両ドライバーともペースは悪くなく,「ロングランのスピードは先週の勢いを維持している」と,佐藤琢磨も予選に向けて明るいコメントを残している。SAF1デビューの地であるバーレーンで,再び予選Q3進出&待望のポイント獲得に向けて,まずは好発進といったところだろう。

 最後に,今週末もう一つの楽しみであるGP2について。いよいよバーレーンで開幕戦を迎える今季のGP2は,日本人ドライバーが3人出場するという,非常に楽しみなカテゴリーである。昨日行われた公式予選では,トライデントの平手晃平が,トップから0.34秒差の6番手,DAMSの中嶋一貴が0.433秒差の9番手と,まずまずのポジションを獲得している。BCNコンペティションの山本左近は,残念ながら18番手と後方からのスタートと,テスト不足が響いている感は否めない。トップから16番手までが1秒差という,超接戦のカテゴリーで,日本人ドライバーたちがどんな戦いを繰り広げるのか。今週末はF1とGP2,どちらのレースからも目が離せない!

参照リンク:FMotersports  F1通信

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2007年4月11日 (水)

ホンダに忍び寄る陰

 新しい環境におかれていると,時間の経つのが異様に早い。その環境に慣れていないせいもあるのだが,ただ単純に「やるべき仕事が増えた」ということもある。こうなってくると,さすがに毎日のようにエントリーを書くことはできないが,こればっかりは誰に急かされるわけでもないのだから,ゆっくりのんびり,気のむくままに書いていこうと思う。さて,マクラーレンの1-2フィッシュで幕を閉じたマレーシアGPから3日。ここ数日は,日本人F1ファンにとって,非常に気になるニュースが世界を駆けめぐった。今季2戦を終え,最悪のスタートを切ってしまったホンダについてである。

 ホンダのニック・フライ代表は,現在イギリスと日本とが共同して行っているマシン開発を,イギリス主導で行えるよう,チームの組織改革を考えているようだ。両国間にある分裂が,マシン開発の妨げとなっていると考えるフライ代表は,この状況を打破するために,チームを再編成を目論んでいる。同時にフライ代表は,長年フェラーリでテクニカル・ディレクターを努め,現在は「長期休暇中」であるロス・ブラウン氏をホンダに迎え入れようと,水面下で動き出していると伝えられている。これに対しフェラーリ側は,「彼が将来の計画を決める前に,まず我々と話すという紳士協定がある」と述べ,優先交渉権はフェラーリが有していることを主張している。

 開幕戦オーストラリアGPに続き,マレーシアGPでもポイント獲得はおろか,トップ10フィニッシュさえできなかったホンダ。まだ今季は始まったばかりではあるのだが,ワークスチームで唯一のノーポイントという現実は,彼らがおかれている状況の厳しさを物語っている。昨年型RA106をドラスティックに進化させたRA107は,ブレーキング時の挙動に問題を抱えていたが,ピーキーな性格は依然として解消されていない。その為,一発の速さもロングランのベースも,中段以降に低迷してしまっている。もっとも,序盤戦で苦戦するであろう事は,開幕前から十分予想できたことではあるが,よもやこれほど深刻な事になるとは,思ってもみなかったことである。

 ホンダは第6戦カナダGPを目処に,空力を中心としたマシンの大幅なバージョンアップを予定している。一部では「現行のRA107を完全に廃し,全くのニューマシンを投入する」という話もあるが,時間的に考えてもRA107をベースに,各部をモディファイしたものになるだろう。また,これに合わせ責任者の入れ替えも検討されているとも言われており,中本修平/シニア・テクニカル・ディレクターの状況も気になる。しかし,これらは全て,フライ代表の独断で行われていることであり,それを日本のホンダサイドが易々と見逃すわけがない。ホンダに今年も,「内戦」の陰が忍び寄ってきた。

参照リンク:FMotersports F1  F1通信

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2007年4月 7日 (土)

マレーシアGP予選速報!

 土曜の午後という時間は,1週間の中で最も贅沢な時間なのかもしれない。日頃のストレスを発散するために,どこか郊外へ出かけるのもよし,家でのんびりと寛ぐのもいいだろう。幸にも最近は,週末にまとめて休みを取れるようになったので,予選のリアルタイム速報をエントリーするという,贅沢な時間を過ごすことができている。第2戦の舞台であるマレーシアは,日本との時差が僅かに1時間。昼の時間帯に情報を収集できる,数少ない開催国のひとつである。午前中のフリー走行では,マクラーレンのルイス・ハミルトンがトップタイム。僅差でフェラーリのフェリペ・マッサが続いている。中段は7番手から17番手までが0.5以内にはいるという大混戦で,SAF1の2台もアンソニー・デビッドソンが9番手,佐藤琢磨も16番手とその中で奮闘している。

 さて,予選Q1が開始。1分35秒台でハミルトン・ライコネン・マッサ,更に何とレッドブルのウェバーとトロ・ロッソのリウツィが続く。SAF1はアンソニーが現在11番手。アロンソが34秒台突入のトップタイム,そして下位に低迷していたバトンが6番手に浮上!しかしBMWザウバー勢が35秒台中盤で4-6位に飛び込んでくる。琢磨はまだ38秒台とタイムが伸びない。2度目のアタックにQ2進出をかける。琢磨1"36"411で13番手に浮上!このポジションを守れるか?各マシン2度目のアタックラッシュの結果,琢磨は何とか16番手ギリギリでQ2進出。バトンは結局13番手。アンソニーは残念ながら18番手でノックアウト,バリチェロも19番手で2戦連続のQ1ノックアウト。

 息つく暇もなくQ2開始。あれ?雨が降ってきた!まずはマクラーレン勢がいきなり34秒台で1-2。マッサも負けじと2番に食い込む。琢磨は1度目のアタックで1'35"962を記録し現在10番手!しかしすぐさま,ルノー・レッドブル勢が上を行く。トヨタの2台もトップ10圏内をキープ。アタックするたびに路面コンディションが良くなっているので,2度目のアタックではさらなるタイムアップが期待される。Q3進出のボーダーは35秒台中盤か?2度目のアタックでトゥルーリが7番手に浮上。ルノーは2台共にQ2止まり。琢磨も2度目のアタックで僅かにタイムアップするが,ポジションは変わらず14番手でノックアウト。バトンは15番手と,またしてもSAF1を上回れず。

 Q3に残ったのはマクラーレン・フェラーリ・BMWザウバー・トヨタの各2台と,ロズベルグ&ウェバー。各マシンとも,まずは搭載燃料を減らすため周回を重ねる。現在トップはアロンソ,マッサ・ライコネンと続き,4番手は予選番長ウェバー。ハミルトンが36秒台中盤で3番手に浮上,フェラーリの間に割り込むも,今度はライコネンがハミルトンを押さえ再び3番手に浮上。BMWザウバーの2台が5-6番手,更にトヨタ勢が7-8番手ときれいに同チームが並ぶ。ライコネンがファステストを記録するも,アロンソも更にタイムを縮めトップ。ロズベルグは2強の後ろ,5番手に飛び込む!マッサがスーパーラップ!1'35"068でトップに浮上!フェラーリは2戦連続のPP獲得となった。それにしても,ホンダ勢,特に本家の迷走は深刻だ・・・。

参照リンク:FMotersports F1  F1通信

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2007年4月 6日 (金)

袋小路で彷徨うホンダ

 新年度の慌ただしさに忙殺されていたら,いつの間にか1週間が過ぎ去っていた。昨年度末の社内人事異動で,4月からは部署の変更があったため,なかなか日中のエントリーができなくなってしまった。今まではウィークデーのエントリーが中心だったのだが,これからは週末のエントリーが中心となりそうである。そうは言ってもどのみちGPは週末にあるのだから,さしたる問題でもないのかもしれないが。さて,気がつけば今日は第2戦マレーシアGPの初日。先週のセパンテストで,各チームともベースセットはでているのだろうが,同じサーキットとはいえど,日が違えばコンディションも異なる。今回もチームごとに,明暗はくっきりと分かれそうな雰囲気である。

 まず,2度のフリー走行でタイムシートの最上段に名前を刻んだのが,フェラーリのフェリペ・マッサである。開幕戦では予選でのギアボックス・トラブルから最後尾スタートを強いられ,決勝でも6位入賞が精一杯だったが,今回は何としても自身が勝利を手中に収めたい。開幕戦で勝利を飾った僚友キミ・ライコネンのタイムも,マッサにつかず離れずついてきており,マレーシアでもフェラーリ優位の図式は変わりそうにない。ライコネンは一時取りざたされていた,エンジン交換はしなくてすみそうだが,予選・決勝ではエンジンを労りながらの走行を強いられることになるだろう。

 一方でマクラーレン&ルノー勢は,代わる代わる上位に顔を出すも,トップを奪い取るところまではいっていない。それでもマクラーレンの両ドライバーは,「明日の予選を楽しみにしている」と,手応えを掴んでいるようである。決勝のレースペースではフェラーリの優位性は否めないが,予選では彼らにそれほどのアドバンテージがあるとは思えない。マクラーレンが狙っているのも,まさにそれなのかもしれない。ルノーにとってはそのマクラーレンに付いていくのがやっとの状態だろう。彼らはR27の空力パッケージに改良を施したが,ボブ・ベル/テクニカルディレクターは,まだフェラーリやマクラーレンに対抗できる段階にはないと言う。ルノーの苦戦は,今しばらく続きそうである。

 ルノー以上に深刻な状況に陥っているのが,メルボルンではいいところなしで終わったホンダである。先週のセパンテストで,ブレーキング時に挙動が不安定になる現象は,幾分改善されたはずだったのだが,フリー走行では2台とも下位に沈んでしまった。ホンダ勢の最上位は,SAF1佐藤琢磨の14位。その琢磨もグリップ不足を訴え,満足のいく走りはできていない事を考えると,本家ホンダの事態は予想以上に深刻なのかもしれない。一部にはニック・フライ代表が,エンジニアにマシンセッティングの指示を出していたと言う,俄には信じがたい報道もある。ピーキーなマシンに悪戦苦闘を続けるホンダは,出口の見えない袋小路で彷徨っている。

参照リンク:FMotersports.nifty  F1通信 F1キンダーガーデン

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2007年4月 1日 (日)

楽しみな「新年度」

 「4月1日」というと,真っ先に何を思い浮かべるだろうか。多くの人は,「エイプリル・フール」と答えるだろう。特に欧米人はこの日になると,手の込んだ演出をしては相手の反応を楽しんでいる。ご多分に漏れず冗談好きが多いF1メディアも,「ホンダは革新的な地球のカラーリングを,早ければマレーシアGPから他の惑星の画像に変更する予定」という「スクープ」を発信してくれた。しかもご丁寧に,アース・カラーならぬジュピター・カラーに彩られたRA107の写真まで掲載している。もちろん今日が4月1日ということを考えれば,すぐ見破られてしまうのだが,読者が「もしかしたら・・・」と考えてしまうような記事を考えるあたり,ジョークにもセンスの良さが光る。

 さて,そのマレーシアGPを来週日曜日に控え,各チームとも先週は現地での合同テストに精を出した。開幕戦オーストラリアGPで,初のQ3進出&ダブル完走と,幸先のよいスタートを切ったSAF1も,新型車SA07の本格的なテストを行った。今シーズンからワンメイクとなったタイヤは,前戦でミディアムとソフトの2種類が使用されたが,タイヤの違いがドライビングに与える影響も大きく,終盤はペースを上げられずに苦労していた。その為今回のテストでは,マレーシアの高温対策を施した空力パッケージのテストと共に,タイヤの評価にも相当の時間を割いたようである。

 SAF1のグラハム・テイラー/スポーティング・ディレクターも「素晴らしい信頼性と,間近に迫ったレースの準備として多くを学んだ堅実なテストだった」と語るように,SA07初の本格的なテストとなったセパンテストは,チームにとって実りの多い時間になったようだ。また,ダニエレ・オーデット/マネージング・ディレクターは,「マレーシアGPでポイント獲得にトライする」と,次のステップを見据えている。現状で信頼性が唯一の武器であるSA07は,序盤戦でポイントを獲得することができないと,後々苦しくなってくる。これはシーズン前から鈴木亜久里代表も語ってきたことであり,ライバル勢が力をつける前に,何とかポイントを獲得してもらいたいものである。

 先ほどSA07を「現状で信頼性が唯一の武器」と述べたが,今後は信頼性に加え,速さが求められるのは明らかである。事実オーストラリアGPでは,予選まではある程度の速さを示したものの,決勝ではレースペースの遅さが課題となっていた。その為にもSA07は,シーズン中に段階的なアップデートがなされるはずであり,まずはスペインGPを目標として,マシンの空力が大幅に替わることも伝えられている。さらにこれに合わせて,ホンダからも最新スペックのギアボックスが提供される予定となっており,今後の展開に期待が持てる。SAF1の「新年度」が,楽しみになってきた。

参照リンク:FMotersports.nifty  F1通信

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