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2007年5月27日 (日)

夢が飛び交うモナコ

 「あなたの夢は何ですか?」と尋ねられたら,人はどのようなことを答えるだろう。将来起こり得る,現実的な夢を語る者もいれば,夢はあくまで夢と,荒唐無稽な答えをする者もいるだろう。かく言う私は,いつも同じ答えを用意している。「フェラーリに乗ってモナコを走ること」と。もちろんF1マシンに乗ることができれば,これ以上ない幸せだろうが,どう考えても現実的ではない。ロードカーでも可能かどうか・・・。それでも世界でもっとも美しいF1サーキットを,自分のドライブで走ることができれば,これ以上の幸せはないだろう。一生のうち一度は体験してみたい,そんな夢である。 

 話をモナコGPに戻そう。昨日行われた公式予選では,マクラーレンのフェルナンド・アロンソが今季となるPPを決め,僅差で「驚異の新人」ルイス・ハミルトンが続いた。3番手にフェラーリのフェリペ・マッサがつけた一方で,僚友キミ・ライコネンは,Q2開始直後にガードレールに接触するというミスを犯し,16番手に沈んでいる。更にフリー走行から中段をキープしていたSAF1の佐藤琢磨に至っては,チームのオペレーションミスにより最後のアタックが間に合わず,Q1ノックアウトという予想外の結果となってしまった。SAF1がワンランク上に行くためにも,更なるチーム力の向上が求められる。

 さて,そろそろ決勝が始まる時刻と思い地上波を見るが,案の定なかなかレースが始まらない。フジテレビの地上波中継は,どうも視聴者を小馬鹿にしている気がしてならない。余計なエピソードに時間を割くくらいなら,より多くの時間のをレースに割いてもらいたいものである。と思ったらようやくスタート!1コーナーでは大きなクラッシュもなく,クリーンなスタート。上位陣に変動はないものの,中段以降は激しく順位が入れ替わる。琢磨もスタートを決め,21番手から一気に4台をパスし17番手にジャンプアップを果たす。20周目にアロンソがトゥルーリを周回遅れとする際に,後方に控えていた琢磨がトゥルーリをパス!アロンソとハミルトンが互いにファステストを連発し,壮絶なトップ争いを展開している。

 残り20周を切ったあたりから,アロンソとハミルトンが急接近。2度目のピットストップで交換したスーパーソフトがアロンソのマシンにフィットしていないのか,アロンソのペースが思うように上がらない。しばらく超接近戦のトップ争いが展開されたものの,ハミルトンもタイヤがきつくなり徐々にギャップが開いていく。しかしこのドライバー,本当にデビュー5戦目の新人とはとうてい思えない。結局この二人の争いは最後まで続き,そのままアロンソ-ハミルトンの順でチェッカー。フェラーリはマッサが何とか3位表彰台を得たものの,ハミルトンから70秒近く離され完敗。琢磨もトヨタの2台を上回れず,17位にとどまった。次なる夢を乗せて,F1は北米決戦に旅立つ。

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2007年5月26日 (土)

「本物の」素晴らしい結果

 「その日を生きるだけで精一杯だった・・・」記憶が定かではないが,映画「敦煌」の中で,西田敏行演ずる朱王礼が語った台詞であったように思う。このところも私も,正にこのセリフのように,その日暮らしの毎日である。やりたいことは山のようにあっても,時間と体力が許してくれない。だた目の前にある課題を処理しているだけで,むなしく時間は過ぎていく。SAF1の佐藤琢磨による,「日本人ドライバーが日本チーム・日本製エンジン・日本製タイヤで得た初めてのF1ポイント」という歴史的な偉業を成し遂げられたスペインGPから早2週間。ようやく週末がきたと思ったら,もうモナコGPが始まっていた。この調子では,あっという間にシーズンが終わってしまいそうである。

 さて,そんな中でも欠かさず愛読しているのが,毎週木曜発売の「AUTOSPORT」である。F1はもちろん,国内外様々なカテゴリーの記事が載っている同誌なだけに,愛読されているモータースポーツファンの方も多いと思う。特に私のように浅く広くモータースポーツを見ている者にとっては,大変都合のよい雑誌なのである。中でもお気に入りなのが,ピーター・ウインザー氏による「F1インサイド・レビュー」である。ウインザー氏は30年以上にわたりF1と深く関わっているベテランジャーナリストであり,セッション終了後にトップ3ドライバーへのインタビューワーを務めているのも同氏である。

 そんなウインザー氏のコラムは,決して母国チームやドライバーだけを過度に評価したり,通り一辺倒な状況分析に終わることはない。長年に渡ってF1界を見続けてきた独自の視点で,鋭く辛口にドライバーやチームの現状を語っている。それでいて文章表現が非常に穏やかであり(五十嵐哲氏による翻訳も素晴らしい),落ち着いた大人の雰囲気を醸し出していることも,このコラムが人気を博している理由であろう。スペインGPを振り返った今週のコラムでウインザー氏は,SAF1とは比べものにならないリソースを持つレッドブルが得た5位よりも,琢磨の8位のほうが「本物の」素晴らしい結果だと記している。

 更にウインザー氏は,琢磨のポイント獲得を次のように語っている。

『タクの偉業について大切なのは,彼らがルノーを苦しめたレースで初ポイントを獲得した,という表面的な事実だけではありません。これは小さなチームがビッグチーム相手に成し遂げた勝利であり,お決まりの仕事をこなすだけの人間に対する情熱の勝利であり,物事を複雑に考える人間に対するシンプルな仕事のやり方の勝利でもあるのです』

 シャシー問題が決着されない中,SAF1のポイント獲得については反発する声もあろるだろうが,彼らが勝ち取った結果は紛れもない事実である。今後は一層彼らに対する風当たりも厳しくなろうが,それをモノともせず進化し続けていってほしいと願っている。ところでモナコGP予選はどうなった?

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2007年5月14日 (月)

SAF1初ポイント獲得!!

 なんだか胸騒ぎのする時というものは,どうにも眠れそうにない。先ほどエントリーを終えたばかりなのだが,どうも今夜は面白いことが起きそうな気がしてならない。今夜は地上波を観戦しながら,スペインGP決勝のエントリーを書いてみたいと思う。まずはフォーメーションラップ開始。各マシン,きれいダミーグリッドを離れる。PPは3戦連続でフェラーリのマッサ。以下アロンソ,ライコネン,ハミルトンと2強4人が続く。昨日燃料系トラブルにより無念のストップをしたSAF1の佐藤琢磨は,13番手から上位を伺う。

 いよいよスタート!と思ったら,トヨタのトゥルーリにトラブル!スタート・ディレイとなり,トゥルーリはピットスタート。今季ベストの6番手だっただけに残念。仕切り直しのスタート!直後の1コーナーでマッサとアロンソが接触!アロンソは4番手に順位を落とす。琢磨は無難なスタートを決め,1周目を13番手で通過。スタート直後から,トラブルによるリタイヤが相次ぐ。レッドブルのウェバー,トゥルーリに続き,なんとフェラーリのライコネンがリタイア。さらにトロ・ロッソのスピードも,ホームストレートでタイヤがバーストしストップ。どうも序盤から,サバイバルレースの様相を呈してきた・・・。

 19周目,トップのマッサと,アロンソが相次いでピットストップ。マッサは給油の際燃料が僅かに漏れ,炎を上げながらピットアウト。22周目,ホンダのバトンがピットアウト直後の1コーナーでバランスを崩し,何と僚友バリチェロと接触し後退。さらにBMWザウバーのハイドフェルドは,右フロントのタイヤの交換が終わらないうちにロリポップが上がり,ナットがはずれた状態で周回し大きく順位を落とす。SAF1勢は1回目のピットストップを遅らせ琢磨7位,デビッドソンが8位まで順位を上げピットへ。琢磨は10位でコースに戻ると,8位バリチェロ,9位フィジケラの後を追う。

 残り25周を切ったあたりから,各マシン2回目のピットへ。琢磨は1回目のピットを遅らせたことで,再び7位までポジションアップ。軽い燃料でウィリアムズのロズベルグを追いかけ回す。その後残り19周でピットストップを行い,9位でコースに復帰。8位のフィジケラが3ストップ作戦をとっているので,入賞が見えてきた!よーし,フィジケラのピットの間に,琢磨8位へポジションアップ!しかしその差は僅か0.4秒!SAF1のスタッフは祈るように面持ちでレースを見つめる。いよいよファイナルラップ!琢磨はトップ・マッサから1周遅れの8位でチェッカー!腸閉塞から退院したばかりの鈴木亜久里代表に,待望の初ポイントをプレゼントした。おめでとう琢磨&SAF1!!

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2007年5月13日 (日)

日曜夜は三途の川

 夢の世界から現実の世界に引き戻されることほど,辛いことはない。つかの間の安息日を終え,また明日から長い1週間が始まると思うと,どうしても憂鬱な気持ちになってしまう。日曜の夜は,この世とあの世の境である,「三途の川」を渡っている時間とも言えるだろうか。だが,今週はその最後の数時間を,F1グランプリ決勝という楽しみを持って過ごすことできるのだから幸せである。決勝のスタートは日本時間の21:00~であるから,もう結果は出ている頃だろう。しかし,未だに地上波観戦組の私は,眠い目をこすりつつ「夢の時間」を今か今かと待っている。

 さて話はガラっと変わるが,今週末かねてより噂になっていた,2008年からのF1新規開催候補地が相次いで発表された。まずはヨーロッパGPの名称で開催される,スペインのバレンシア。以前から話のあったように,バレンシアのウォーターフロントを舞台とした,市街地サーキットでの開催であるという。しかも契約年数は2014年までの7年という長期にわたるものである。同時に現在行われているバルセロナでのスペインGPも,2016年まで契約が延長されている。それにしても,バーニー・エクレストン/FOM会長自身が提唱してきた,1国1GPは何だったのか・・・。

 もう一つはこれまた市街地サーキットとなる,シンガポールGPである。こちらも以前から噂にはあがっていたが,ここ最近は「実現が難しいのではないか」という情報も挙がっていた。しかし,ここにきて急転直下の開催発表。しかも,ナイトレースでの開催である。ナイトレースはチャンプカーなどで前例があるが,F1では初の試みである。もっともこれには,施設および安全面での課題が山積しており,実現するかは今後開催側の努力次第ということになるだろう。しかし,初開催・市街地サーキット・ナイトレースという条件を,来季までにクリアーするのは,かなり高いハードルである。

 最後は鈴鹿でのパシフィックGP開催に関する噂である。今季から日本GPは富士スピードウェイで開催されることとなったが,ここにきて鈴鹿がF1復活への動きを強めているという。エクレストン会長は,2008年からの年間20戦開催を模索しており,これに合わせて鈴鹿をカレンダーに復活させようという話である。もっとも来季はサンマリノGPが復活,一方でマニクールで行われているフランスGPは開催が危ぶまれているなど,まだまだ未確定の部分が多い。今回発表になったヨーロッパ&シンガポールGPも,本当に開催できるのかはいささか疑問である。さて,そろそろ三途の川を渡る時間となった。地上波組は週末最後のお楽しみ,F1観戦といきますか!

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2007年5月12日 (土)

スペインGP予選速報!

 久しぶりに週末のサーキットに,極楽鳥たちが舞い戻ってきた。スペイン・バルセロナでは,公式予選がスタートしている。まずはQ1。SAF1のアンソニー・デビッドソンが1'22"348でトップタイムを叩きだし,佐藤琢磨も僅差で続く。しかし,マクラーレン・フェラーリ・BMWザウバー勢が,次々に1分21秒台へ。各マシン2度目のタイムアタックに向かう。琢磨,1'22"090でデビッドソン抜き10番手!トップから1秒と離されていない。デビッドソンも11番手でQ2進出を決め,ホンダ勢も14-15番手で何とか2台そろってQ2進出。トヨタはトゥルーリがギリギリ通過も,ラルフは17番手でノックアウト・・・。

 Q2開始。琢磨は1回目のアタックで1'22"115。Q3に進出するためには21秒台中盤のタイムがほしい。現在ルノーのコバライネンがトップだが,3強はまだアタックをしていない。あれ?琢磨ストップ!?トラブルか?文字情報じゃ詳細がわからん!!上位はマッサ,ハミルトン,ライコネン,アロンソ,ハイドフェルド,クビサと続き,2度目のアタックが出来なかった琢磨は13番手でQ2ノックアウト。一方のデビッドソンは,バリチェロが12番手,バトンが14番手,有効ラップが計測できなかったデビッドソンが15番手。トヨタはトゥルーリが8番手でQ3進出。トヨタは開幕戦から4戦連続のと予選トップ10をキープ。一方のホンダは,依然一度もQ3に進めず。

 Q3は各マシンハードタイヤでせっせと周回し燃料を減らしている。現在はマクラーレンが1-2ポジション。ハイドフェルド,マッサと続く。その後ミディアムタイヤに履き替え本気アタック開始。まずはハイドフェルドが2番手に浮上。しかしすぐさまフェラーリ勢が2-3番手タイムを記録,4番手にハミルトンも続きトップは依然アロンソ。最後のアタックラッシュ!!マッサが1'21"439でアロンソを交わしトップに!3戦連続のPPを獲得。2番手アロンソ。ライコネンはまたも3番手。ハミルトンもしっかりとセカンドロウを獲得。5位クビサ,7位ハイドフェルドの間にトゥルーリが飛び込み,8位コバライネンと10位フィジケラの間に,レッドブルのクルサードというトップ10となった。

 さて,情報が落ち着いたところで,再度公式予選の分析を。琢磨は燃料系のトラブルでマシンを止めたようだ。Q2最初のアタックで22秒台前半が出ていたのだから,2度目のアタックでは21秒台=Q3進出の可能性もあった。それ故,トラブルが残念でならない。一方のデビッドソンは,2度にわたるコースアウトを喫し,有効ラップが計測できずにQ2を終えた。フリー走行では好タイムを連発していただけに,こちらも悔やまれる。デビッドソンはフリー走行では琢磨より上位のタイムを記録することが多いのだが,いざ予選となると,思うような結果を残せていないのが気になる。しかし,終わったことをいつまでも悔やんだところで仕方がない。明日の決勝に期待することにしよう。

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2007年5月11日 (金)

1ヶ月のインターバルを終え

 環境の変化は,生活のあり方を根本から覆す。それがよい方に転べばいいのだが,悪い方に転んでしまうと,今まで当たり前にできていたことが,全くできなくなるのだから恐ろしい。このところ新しい仕事に追われ,ブログのエントリーどころか,コメントチェックすらできない状態が続いた。これではせっかく整備した通信環境も,何の役にも立たない。唯一の救いは,F1GPが前戦バーレーンから約1ヶ月のインターバルに入っていたことだろうか。この環境はそう簡単に変わりそうもないが,せめてレースのある週末だけは,地道にエントリーをしていきたいと思う。

 さて,私一人がバタバタしている間に,各F1チームはバルセロナでの直前テストを実施している。SAF1は,本家ホンダと同スペックのシームレス・ギアボックスを始め,カーリーフィンやチムニー,ウイングレット,リアウイング等,主としてマシン後部の空力パッケージを一新し,精力的にテストを行っていた。佐藤琢磨はテスト初日に,その日2番手となるタイムをたたき出し周囲を驚かせたが,これは空タンクでのワンアタック。ショートラン中心のプログラムで,ロングランを実施していなかったことが,好タイムからも見て取れる。2日目は雨にたたられ走行距離を伸ばすことができなかったものの,両ドライバーとも確実な手応えを感じることができたようである。

 今週,バルセロナ入りした琢磨の表情は明るかった。F1キンダーガーデンのインタビューで,マシンの全体的なフィーリングを問われた琢磨は「ドライバーの感覚としては,1割か2割アップした感じ」と,その進化に満足しているようだった。しかし,いざ蓋を開けてみると,ことはそううまくは運んでいってはくれなかった。フリー走行1回目こそ,アンソニー・デビッドソンが1分22秒台で6番手と気を吐き,琢磨も23秒台前半の13番手とまずまずのポジションにいたものの,フリー走行2回目となると琢磨が19番手,デビッドソンが20番手と下位に埋もれてしまった。

 戦闘力をアップさせたのは,何もSAF1に限ったことではない。どのチームも「第2の開幕戦」となるスペインに標準を合わせ,この1ヶ月マシンの改良に取り組んできでいる。劇的なパフォーマンスの向上は,一朝一夕に図られるものではない。もっとも,フリー走行2回目のタイムは,両ドライバーとも1分23秒台中盤で,その差も僅か0.004秒(!)しかないことを考えても,今回はレースシミュレーションを進めたものと考えられる。条件は異なるが,バルセロナでのテストタイムを考えれば,SA07が1分21秒台を出す実力があることは証明済み。明日の公式予選で,ある程度SA07の現在位置を知ることができるだろう。さて,今週末は久しぶりにじっくりと観戦できるかな?

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