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2007年5月26日 (土)

「本物の」素晴らしい結果

 「その日を生きるだけで精一杯だった・・・」記憶が定かではないが,映画「敦煌」の中で,西田敏行演ずる朱王礼が語った台詞であったように思う。このところも私も,正にこのセリフのように,その日暮らしの毎日である。やりたいことは山のようにあっても,時間と体力が許してくれない。だた目の前にある課題を処理しているだけで,むなしく時間は過ぎていく。SAF1の佐藤琢磨による,「日本人ドライバーが日本チーム・日本製エンジン・日本製タイヤで得た初めてのF1ポイント」という歴史的な偉業を成し遂げられたスペインGPから早2週間。ようやく週末がきたと思ったら,もうモナコGPが始まっていた。この調子では,あっという間にシーズンが終わってしまいそうである。

 さて,そんな中でも欠かさず愛読しているのが,毎週木曜発売の「AUTOSPORT」である。F1はもちろん,国内外様々なカテゴリーの記事が載っている同誌なだけに,愛読されているモータースポーツファンの方も多いと思う。特に私のように浅く広くモータースポーツを見ている者にとっては,大変都合のよい雑誌なのである。中でもお気に入りなのが,ピーター・ウインザー氏による「F1インサイド・レビュー」である。ウインザー氏は30年以上にわたりF1と深く関わっているベテランジャーナリストであり,セッション終了後にトップ3ドライバーへのインタビューワーを務めているのも同氏である。

 そんなウインザー氏のコラムは,決して母国チームやドライバーだけを過度に評価したり,通り一辺倒な状況分析に終わることはない。長年に渡ってF1界を見続けてきた独自の視点で,鋭く辛口にドライバーやチームの現状を語っている。それでいて文章表現が非常に穏やかであり(五十嵐哲氏による翻訳も素晴らしい),落ち着いた大人の雰囲気を醸し出していることも,このコラムが人気を博している理由であろう。スペインGPを振り返った今週のコラムでウインザー氏は,SAF1とは比べものにならないリソースを持つレッドブルが得た5位よりも,琢磨の8位のほうが「本物の」素晴らしい結果だと記している。

 更にウインザー氏は,琢磨のポイント獲得を次のように語っている。

『タクの偉業について大切なのは,彼らがルノーを苦しめたレースで初ポイントを獲得した,という表面的な事実だけではありません。これは小さなチームがビッグチーム相手に成し遂げた勝利であり,お決まりの仕事をこなすだけの人間に対する情熱の勝利であり,物事を複雑に考える人間に対するシンプルな仕事のやり方の勝利でもあるのです』

 シャシー問題が決着されない中,SAF1のポイント獲得については反発する声もあろるだろうが,彼らが勝ち取った結果は紛れもない事実である。今後は一層彼らに対する風当たりも厳しくなろうが,それをモノともせず進化し続けていってほしいと願っている。ところでモナコGP予選はどうなった?

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コメント

 KAZさん、こんばんは!
 GPウィークの更新を楽しみにしていますが、すっかり「F速」ならぬ「KAZ速」と化してますね(^^
 AUTOSPORT誌は、ウインザー氏のコラムが載っているときは僕も読んでます。日本のメディアはやや偏った報道をするので、「グランプリトクシュウ」や「RacingOn」の海外のコラムニストの文をよく読んでいますが、大変勉強になります。最近は「F1Racing」が好きです。

 SAF1ならびに琢磨については僕なりの見方で応援していますが、この厳しいF1フィールドに彼らが存在し続けること自体に大きな意味があり、残したリザルトは記録と記憶に残ります。
 カスタマー問題そのものは彼らの望んだ状況ではないと思いますし、今はただ、ひたすら今あるマシンの開発を続け、世界のサーキットを全力で走って欲しいと思っています(^^

投稿: mar | 2007年5月27日 (日) 00時51分

 marさん,こんばんは!
 週末コラムが,いつの間にかGPウィーク限定になってます(^^;)今日は予選のリアルタイム・エントリーができなかったので,夜更かしして地上波中継見てます。
 海外コラムストの記事は,率直な意見を述べてくれるので,客観的な評価がわかりますね。中でもウインザー氏の静かな雨音のような語り口がまらなく好きでして,大のお気に入りです(^^)
 SAF1については,私も同感です。彼らの存在を快く思わない人もいるでしょうが,それを気にしていても仕方ありません。彼らが少しでも長くF1を戦い続けられるよう,そして多くの人に勇気を与えてくれるように願っています!ではでは!

投稿: KAZ | 2007年5月27日 (日) 02時44分

おはようございます
僕も彼のコラムは良く読みますよ!
ひと味違う文章はとても参考になります。
ウィンザー+けんさわ で、現場の雰囲気は把握できますね。

投稿: ビートニク | 2007年5月29日 (火) 05時52分

 ビートニクさん,こんばんは!
 不定期にダラダラ続けているところにまでコメント,ありがとうございます(^^;)
 ウインザー氏のコラム,いいですよねぇ。あんな落ち着いた文章が書けるのも,長年の経験と豊かな人間性でしょうか。見習いたいものです。
 けんさわ氏のブログも,現場の雰囲気を知る上で貴重ですね。裏話もよく聞けるし・・・。ホンダの緊急会議がどうなったのかも気になります(--;)ではでは!

投稿: KAZ | 2007年5月31日 (木) 23時39分

KAZさん、お久しぶりです。
ウインザー氏のコラムは、私も愛読しています。AUTOSPORTS本誌の、どの記事よりも素晴らしいですよね(苦笑)。本場英国ならではの見方を、洒脱な文体で語るコラムは、確かに翻訳も素晴らしい。私のような技術にうとい素人でも、理解可能な程度に、彼に噛み砕いて解説してもらえる幸せ。Racing on誌、ナイジェル・ルーバック氏の5thコラムと並んで楽しみです。琢磨はアンチも多いのですが、英国での評価は非常に高いようです。関係有りませんが、件のレッドブルの機関誌でも、よく登場しますよね(笑)。

投稿: aqua1931 | 2007年6月 2日 (土) 10時34分

 aqua1931さん,こんにちは!お久しぶりです。
 ウインザー氏のコラムは,やはり皆さん読んでらっしゃいますね。ナイジェル・ルーバック氏のコラムもよく読んでおります。英国人ジャーナリストの文章は,辛口ではあるのですがウィットに富んでいて,呼んでいてとても清々しいですね。
 琢磨の評価は,英国でも高いようですね。レーサーらしいレーサーであるからこそ,その闘志は国境を越えた人気があるのでしょうね。ではでは!

投稿: KAZ | 2007年6月 2日 (土) 16時21分

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