« 2007年5月 | トップページ | 2007年7月 »

2007年6月30日 (土)

「第4」の勝者は可夢偉!

 時が経つのは本当に早い。今日で2007年も半分が過ぎ去ろうとしている。そして同時に,このブログを始めてから約1年が過ぎようとしている。最近は週末のみのエントリーになってしまっているのが情けないが,それでも今夜は200本目となる節目のエントリーを書いていきたいと思う。さて,F1サーカスは北米ラウンドを終え,真夏のヨーロッパラウンドが始まっている。ここ数戦マクラーレンに押され気味だったフェラーリが反撃の狼煙を上げるか。それとも強さと速さを兼ね備えたマクラーレンが,このまま独走態勢に入るのか。王者フェルナンド・アロンソVS超新星ルイス・ハミルトンのチームメイト対決も絡んで,目の離せない状況が続いている。

 今年のフランスGPはF1だけではなく,サポートレースも要注目である。ヨーロッパラウンドのサポートレースと言えばGP2だが,今回はそれに加えユーロF3も行われているのである。そしてユーロF3と言えば,TDP三銃士の一人でASMからエントリーしている小林可夢偉である。ユーロ2年目のシーズンとなる可夢偉は,ここまで速さはあるものの運に見放された感もあり,3戦を終えランキング7位に留まっていた。マニクールに姿を見せた可夢偉は「序盤戦はやや苦戦が続いたが,調子は上がってきているし自信はある。まずは早く1勝を挙げたい」と,勝利に対する意欲を語っていた。

 そして昨日行われた予選では見事ポールポジションを獲得。レースでは2番手スタートのロマン・グロージャンと接戦を繰り広げた。グロージャンは第3戦で,ASMのチームメイトであるニコ・ヒュルケンベルグと可夢偉を次々と撃墜し,自身はそのレースで勝利。第2戦でも同様の勝ち方をしており,可夢偉にとっては因縁の相手でもあった。今回も最終ラップのヘアピンで両者が接触する場面があったものの,コースアウトしたのはグロージャンのほう。可夢偉は追撃を振り切り,待望のユーロF3初優勝を飾った。この勝利で可夢偉はランキング3位に浮上。トップのセバスチャン・ブーミィとは依然20ポイントの差があるものの,追撃モードに入った可夢偉に期待したい。

 今回ユーロF3初優勝を果たした可夢偉は,同時に日本人で4人目となる「F1サポートレースの勝者」となった。過去にF1のサポートレースで優勝したのは,2001年イギリスGPの佐藤琢磨,2002年ドイツGPの松浦孝亮,そして前戦アメリカGPの武藤英紀と,実に全員が「スーパー・アグリ」のドライバーなのである。これは単なる偶然だろうが,それだけARTAがハイレベルのドライバーを擁しているということになるのだろう。もっとも可夢偉はTDP(トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム)の一員であり,今後F1デビューを果たしたとしても,SAF1に加わることないだろうが・・・。いずれにせよ,今後も活躍が楽しみな小林可夢偉である。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007年6月24日 (日)

黄金時代の到来近し

 「今年の夏は去年より暑い!」最近,そんな言葉をよく耳にする。確かに空梅雨でたいした雨も降らず,毎日30度近くまで気温が上がる異常気象には,正直げんなりしてしまう。そんな異常な状態は,何も地球の気候だけではない。2007年のF1サーカスは,北米ラウンドを終え,来週からはいよいよ夏のヨーロッパラウンドが始まるが,そこにポイントリーダーとして戻ってきたのは,2年連続チャンピオンのフェルナンド・アロンソでも,皇帝ミハエル・シューマッハの後継者と目された,キミ・ライコネンでもなかった。弱冠22歳,デビューして僅か7戦目のスーパールーキー,ルイス・ハミルトンである。誰がこんな異常な事態を予想しただろうか。

 第5戦モナコGPまで,デビューから2位4回,3位1回と,表彰台到達率は実に100%。これだけでも歴史的な快挙であるのだが,ハミルトンの快進撃は北米の2連勝で更に加速した。初優勝の舞台となったカナダGPは,度重なるアクシデントにより4度もペースカーの入る荒れた展開となったため,ハミルトンの初優勝を「運が良かっただけ」と見る向きもあった。しかし,先週行われたアメリカGPでも,ハミルトンはチームメイトのアロンソを含むライバル全てを完璧に抑え,見事連勝を飾っている。これには王者も「僕にできたことは彼にできる限りついていくことだった」と,完全な力負けであることを認めている。

 この若者の独走を止めるのは,果たして誰なのだろうか。本来は「アロンソとライコネン,そしてマッサによる三つ巴の戦いに,ハミルトンやハイドフェルドが絡んでくる」という図式が今シーズンの一般的な予想だったはずである。しかし,ハミルトンの勢いが予想を遙かに上回るものであった上に,ライバルのフェラーリ勢はここに来て序盤戦の速さを失いつつある。そうなると唯一の可能性はアロンソなのだが,こちらも今ひとつ波に乗れないでいる。「確かに僕はいま強力なチームメイトにポイントで先行を許しているけれど,これまではハミルトンのほうがちょっと運に恵まれていただけ」というアロンソの発言は,裏を返せばそれだけ追いつめられていることを表している。

 今までシューマッハを追いかける立場だったアロンソは,今季初めて自身が追いかけられる立場に立たされている。しかもそれが,自分と同じマシンを駆るルーキーというから,余計に焦りもあるだろう。もちろん選手権はまだ半分も進んでいないのだから,これからはアロンソに流れが傾くことも十分考えられる。「タイトル獲得のためには実力だけでなく多少の幸運も必要なんだ。これから誰に女神が微笑むのか……だよ」と言うアロンソだが,こればっかりは予想が難しい。何はともあれ,マクラーレンが再び黄金時代を築きつつあることだけは確かだろう。でも,かつての「セナ・プロ」時代のような,チームメイト同士の接触だけは見たくないなぁ。

 

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2007年6月23日 (土)

真夏はホンダの正念場

 「病は気から」という言葉が示すように,人間の心理状態は,時として体にも変調を来す。気力が充実していれば,多少困難な状態でも自らを奮い立たせ乗り切ることができるだろうが,それが低下しているときは,同じ事をするにも膨大なエネルギーが必要になる。今シーズン,チームの大黒柱として獅子奮迅の活躍を見せるSAF1の佐藤琢磨は,気力体力共に充実していると言っていいだろう。その一方で,走らないマシンに嫌気がさし,モチベーションの低下が見られるのが,ホンダのプリンス,ジェンソン・バトンである。先週行われたアメリカGPの走りは,トラブルを抱えていたということを差し引いても,明らかに集中力を欠いたものであった。

 そのひとつが,2周目のバトンの行動である。琢磨の言葉を借りれば,「彼はおそらく最初気づかずに行動を始めたんだけど,僕に並んだ頃にイエローに気づき,そしてポジションを元に戻した」というものである。もしそれが本当であれば,ペナルティを受けるべきなのは琢磨ではなくバトンの方である。しかし,実際に黄旗追い越しのペナルティを課せられたのは琢磨であった。更に琢磨は,ペナルティストップ前にリタイアしたことにより,フランスGPでの10番グリッド降格が決定している。一度出てしまったFIAの決定が覆ることはまずない。後方からのスタートを余儀なくされるが,ここは琢磨にアデレードヘアピンでのオーバーテイクショーを期待したい。

 さて,そのSAF1は,スペイン・へレスでホンダとの合同テストを実施した。主としてヨーロッパラウンドから投入するエアロダイナミクスやサスペンションのテスト,更にフランスGPを見据えたセットアップに精を出したようである。一方のホンダは,シーズン中としては異例の,報道陣完全シャットアウトの極秘テストとなった。チームの地元イギリスを離れわざわざスペインでテストを行ったのは,見られたくない秘密があるからに他ならない。これは,ホンダの中本修平/シニア・テクニカルディレクターも認めていることであり,今回のテストをいかにチームが重要視しているかが伺える。

 ホンダがスペインで極秘テストをしたのは,開幕から不振にあえいでいるRA107を大幅に改良したRA107"B"であると言われている。既にモナコGPでマシンに大きな変更を施したことに加え,北米2連戦にはルーフの形状が以前のものとは異なるモノコックを投入するなど,その開発ペースはトップクラスである。残念ながらトラブルやアクシデントにより,結果にこそ結びついてはいないが,開幕直後の低迷を抜け出しつつあることは明らかである。それだけにRA107Bの投入が吉と出ればいいが,逆にこれでもパフォーマンスの改善が見られない場合,チーム体制に再びメスが入れられる可能性もある。ホンダにとってここ数戦が,真夏の正念場となりそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月18日 (月)

ルーキー北米完全制圧

 2周連続のGP開催は非常にうれしいのだが,それが地球の裏側となると,それなりの対策が必要になる。今夜は私のように,仮眠をとった後に観戦をしている方も多いだろう。さて,昨日の予選ではマクラーレンのハミルトンが,2戦連続のPP。アロンソは2番手につけているが,Q1,Q2で ベストタイムをたたき出しているのはアロンソであり,搭載燃料はハミルトンの方が少ないと思われる。カナダGPで速さを見せられなかったフェラーリの2台は,何とかBMWザウバー勢を抑え2列目を獲得,面目を保っている。SAF1の佐藤琢磨は,アタック時のブレーキングミスによる遅れが響きQ1ノックアウト。18番手からのスタートとなった。

 いよいよスタート!トップはハミルトンが守るが,後方ではトヨタのラルフとレッドブルのクルサードが1コーナーで接触,両者早々にリタイアしている。佐藤琢磨はスタートそのものは良くなかったものの,混乱に乗じて順位を上げる.。一方デビッドソンは,1コーナーの混乱を避けるため順位を落としてしまう。どうもデビッドソンは,決勝レースでの不運が続く。14番手まで順位を上げたた琢磨だったが,スーティルをオーバーテイクしたところでスピンアウト!グラベルにはまりリタイアしてしまう。ブレーキングを遅らせた分つっこみすぎたか。せっかくいいバトルをしていただけに勿体ない!

 上位争いはマクラーレン勢にフェラーリのマッサが食らいつく。その後はルノーのコバライネンと,スタートで順位を落としたフェラーリのライコネンが4位争い。モナコ予選でのクラッシュ以降,このところのライコネン走りには,序盤戦のようなキレが見られない。20周目を過ぎたあたりから,各マシン続々と1回目のピットストップを行う。後方では,1周目ににスピンを喫したルノーのフィジケラが追い上げている。トヨタのトゥルーリは,40周過ぎまでピットストップを引っ張る変則2ピット作戦。さらに予選で14番手に沈んだウィリアムズのロズベルグは,1ストップ作戦で上位陣に割って入る。

 熾烈なトップ争いは,1コーナーでアロンソがハミルトンに並びかけるも,ハミルトンはアウトにマシンを寄せこれをブロック!フラストレーションの溜まる展開のアロンソは,マシンを大きくピットウォールに振り,チームにアピールを行う。2度目のピットストップでも両者のポジションは変わらず,後はゴールまでコース上でのバトルが繰り広げられる。3-4番手はマッサとライコネンがこちらも1秒以内の激しいバトル。結局このままトップ4の順位は確定。ハミルトンがカナダGPに次ぐ連勝で,北米ラウンドを完全制圧した。次戦からは,暑い夏のヨーロッパラウンド。タイトル争いも熱くってきた!

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2007年6月17日 (日)

勢いを取り戻せ!

 アメリカという国は,色々な意味で「分かりやすい国」であると言われる。そこで成功した者は人々の拍手喝采を浴び,逆に失敗した者は,容赦なくブーイングを浴びせられる。2004年,この地で3位表彰台を獲得した佐藤琢磨は,今もアメリカのF1ファンに大人気であるという。ましてや今年は,前戦で「チャンピオン・アロンソ」をオーバーテイクしての6位入賞を果たしているだけに尚更である。先日「SPEED chanell」というトーク番組にアンソニー・デビッドソンと出演した琢磨は,「今話題沸騰のチーム、スーパー・アグリのお二人!」と紹介され,終始ご機嫌だったという。

 さて,アメリカGPの舞台であるインディアナポリスで,一人の日本人ドライバーが新たな歴史を作った。IRLの下部カテゴリーである,インディプロシリーズに参戦中の武藤英紀である。武藤の所属するチームは,SAF1の鈴木亜久里代表が率いる,スーパーアグリ・パンサーレーシング。今回はその亜久里代表が見守る中,武藤は自身初となるPPから安定した走りを見せ,2位に大差をつけてのうれしい初優勝を飾っている。亜久里代表も「日本人だから,カテゴリーが何でも君が代を聞くのは気持ちがいいね」と,F1より一足先に上がった日の丸に,喜びを隠せないようである。

 一方,難しい立場に立たされているのが,武藤の「兄貴分」にあたる松浦孝亮である。レースを観戦した松浦は「拍手するよりされる立場になりたい」と語り,武藤の初優勝を複雑な思いで見つめていたという。現在IRLにパンサーから参戦している松浦は,1年目こそ新人賞を獲得するなど活躍したが,その後は成績が低迷。4年目となる今季は背水の陣で臨んでいるものの,度重なるアクシデントに加え自身やチームのミスもあり,ここまで満足な成績を残すことができないでいる。そして,ここに来ての武藤初優勝。素直に喜べるはずもないだろう。先週武藤がIRLのマシンをテスト,チーム代表が太鼓判を押す走りをしたことも,松浦の心境をより複雑なものにしている。

 レースに限らず,物事には全て「勢い」というものがある。松浦と武藤を比べた場合,開幕から常にトップ争いを繰り広げ,ついにはポール・トゥ・ウィンを果たした武藤にはそれがある。一方で松浦は,開幕戦,第2戦と続けてアクシデントに見舞われた上,上昇気流に乗りたかった第3戦では,まさかの1周リタイア。その後もチームとの連携ミスで上位フィニッシュを逃すなど,完全に負の流れに乗ってしまっている。これを覆すには,兎にも角にも「結果」を残す必要がある。ここ数戦,松浦の成績も徐々に上昇してきており,先日行われた第7戦では,今季最高位の9位でフィニッシュしている。ドライバー人生の分岐点を前に,失った勢いを取り戻すべく,松浦の奮闘が続く。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2007年6月16日 (土)

科学では予想できないもの

 久しぶりに映画館に足を運んだ。鑑賞した映画は,ヒュー・ジャックマン,クリスチャン・ベール主演の「プレステージ」。19世紀末のロンドンを舞台にした「マジック」映画かと思ったら,途中から「科学」が結びつき,何とも意外な結末を向かえる。肝心の作品評価は・・・人それぞれであろう。さて,その科学をもってしても,予測不可能な事態は避けられない。カナダGPでBMWザウバーのロバート・クビサが壮絶なクラッシュから奇跡の生還を果たしたことは,現代F1マシンの安全性が確認された出来事だった。しかし,その「鉄人」クビサも,今週末のアメリカGPに出場することはできなかった。

 科学でマシンへのダメージを測定することはできても,人間へのダメージを正確に測定することは難しい。クビサはクラッシュ時,一時的に脳震盪を起こしており,これをFIAのドクター陣は重く見たようだ。前にドイツ人医師のベルント・カベルカ博士は,「インディアナポリスで再び脳震盪を起こせば,死の危険がある」と語り,短期間に同じようなクラッシュを起こした場合,命の保証はないとコメントしている。ましてやアメリカGPの舞台は,F1屈指のハイスピード・サーキットであるインディアナポリス。リスクを最小限に抑えるためには,適切な判断であったと考える。

 そのクビサに代わって,急遽BMWザウバーのカー№10をドライブするのは,弱冠19歳のセバスチャン・ベッテル。同チームのサードドライバーとして,昨年のトルコGP金曜フリー走行に出場すると,いきなりトップタイムを叩きだし周囲をあっと言わせた若者である。今季は同チームのリザーブ&テストドライバーを務めながら,ワールドシリーズ・バイ・ルノーにイギリスのカーリンから参戦。第4戦終了の現時点で,ポイントランキング堂々のトップをひた走っている。突然舞い込んできた朗報に「F1デビューを楽しみにしているよ。でも,この状況はもっと違った形で迎えたかったね」と,戸惑い隠せないベッテルだが,チームも好調なだけに,いきなりの好成績も十分考えられる。

 さて,このベッテル起用に最も警戒感を表しているのは,シートを譲る形になったクビサではないだろう。以前から「フランスGPでベッテルと交替か?」と囁かれてきた,トロ・ロッソのスコット・スピードである。本来ベッテルはレッドブル傘下のドライバーであり,BMWザウバーにレンタルされているのは周知の事実。一向に向上する気配のないスピードのパフォーマンスに対し,業を煮やしているというゲルハルト・ベツガー/トロ・ロッソ共同オーナーが,今回のベッテルF1デビューを皮切りに,ドライバーの交代を実行可能性も捨てきれない。それを実行するかしないかは,その人の心次第。これも科学では,予測できないよなぁ。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007年6月11日 (月)

「記録」よりも「記憶」

 時刻は草木も眠る丑三つ時。普段であれば完全に夢の中にいる時間である。しかも今日は地獄の月曜日。これから始まる1週間を考えると,少しでも長く夢の中にいたい。しかし,そんなことすら忘れてしまうような興奮が,F1レースにはある。第7戦カナダGPは,PPに自身初のなるマクラーレンのハミルトン。アロンソも2番手につけ,マクラーレンがガッチリとフロントローを独占した。その一方でフェラーリは,BMWザウバーのハイドフェルドも先行され,4-5番手。予選トップ3にフェラーリ勢が入れなかったのは今季初となる。

 日本時間午前2時,現地時間午後1時。いよいよ決勝スタート!ホンダのバトンがグリッドを離れられなかった以外は,各マシンきれいなスタート。心配されていた1コーナーでの接触はなかったが,2番手のアロンソは1コーナーでオーバーラン。2位の座をBMWザウバーのハイドフェルドに明け渡してしまう。予選11番手からスタートしたSAF1の佐藤琢磨は,トヨタのトゥルーリをかわし1つポジションを上げる。更に前をいくレッドブルのウェバーがスピンを喫したことで,9番手に浮上。路面のグリップは相当悪いようで,至る所でコースをはみ出すシーンが映し出されている。

 1回目のタイヤ交換が始まりつつあった23周目。スパイカーのスーティルがウォールにヒット!SCが出動し隊列を整え始める。今季からSC導入直後はピットがクローズされ給油ができなくなる。しかし,アロンソは微妙なタイミングで給油。これはどうやらペナルティの対象になる模様。4周後レース再開,と思ったらヘアピン前でBMWザウバーのクビサが大クラッシュ!!ウォールに激しくヒットしマシンは宙を舞い,マシンはモノコックを残し完全に破壊される。クビサはクラッシュにより気を失ったのか,マシンから自力で出ることができない。再びSCが入る。

 長いSCの後,43周目にレース再開。ヘアピンでフェラーリのライコネンがミス。直後いた琢磨がすかさずライコネンをパス!これは気持ちがいい。アロンソはSC中の給油によりペナルティを受け,14番手にダウン。SAF1はデビッドソンの緊急ピットインでクルーが大あわてで出てくる。なんだかバタバタしたレースになってきた。琢磨はライコネン&アロンソを従え6番手を激走!本当に気持ちいい!!と思ったらまたSC。琢磨のピットインが微妙なタイミングだったため,チームは給油するかしないかでバタバタ。結局ペナルティを考え給油はしなかったが,この判断が今後どう影響するか。

 その直後,ルノーのフィジケラと,フェラーリのマッサに黒旗提示!どうやらピット出口の赤信号を無視してしまったようで,失格判定。レースが再開されたと思ったら,最終コーナーで5番手まで浮上していたトロ・ロッソのリウッティがクラッシュ!何とこのレース4度目のSCが入る。あまりに荒れすぎて,もうどうなってるんだかよくわからなくなってきた。琢磨はレース再開で10番手,その後8番手まで浮上しトヨタのラルフを追いかけ回す。残り4周,最終コーナーで鮮やかにパス!そして何と,ディフェンディングチャンピオンのアロンソをもターゲットに!残り2周のヘアピンでピタリと背後につけると,ストレートエンドでプレーキング勝負!!よーし!6番手に浮上だ!!すごい!!!

 琢磨はそのまま6位でチェッカーを受け,今季2度目の入賞。3ポイントを獲得した。表彰台の可能性もあったレースでの6位には悔しさも残るだろうが,2年連続チャンピオンを蹴散らしての6位は,それを打ち消すほどの素晴らしい走りであった。これぞ「記録」よりも,「記憶」に残るリザルトだろう。おめでとう!!

| | コメント (13) | トラックバック (6)

2007年6月10日 (日)

地球の裏側にて

 地球が球体をしている以上,そこには「時差」というどうしようもない差が生まれる。もちろんこれは同一経線上でなければ,多かれ少なかれ発生するものなのだが,F1開催国に限って言えば,それが日本の東か西かで大きく結果が違ってくる。今回開催されているカナダ・モントリオールは,日本との時差がマイナス13時間。ほぼ地球の裏側であり,ヨーロッパ諸国と比べても4~6時間の時差がある。つまりどう逆立ちしても,日本からの中継は深夜になってしまうのだ。普段なら予選リアルタイム・エントリーをしているところだが,流石に深夜2時まで起きている体力は残っていなかった。

 さて,予選結果の前に,気になったことを幾つか。まずはスペインGPで歓喜の初入賞を果たしたものの,モナコGPではチームのオペレーションミスから,一転失意の結果となってしまったSAF1。しかし,カナダGPでは心機一転,新たな空力パーツを投入するなど,開発に余念がない。更にスタッフシャツもリニューアルされ,今までのシンプルな白地から,サイドに黒,センターに赤の入った精悍なスタイルに変更されている。モナコGPの予選からは,マシンのエンジンカウルに懐かし?の「SAMANTHA KINGZ」のロゴもお目見えしている。今までもモノコック上部に小さくロゴがあったが,それがサイドに大きく露出したということは,ようやく資金が回り始めたのだろうか。

 もう一つは,トヨタのラルフ・シューマッハに関する騒動である。開幕戦の8位入賞以降,目立った成績を残していないラルフには,先週から「今後の結果次第では,アメリカGPを最後にシート喪失か」という憶測が流れている。特に彼の母国ドイツでは,それがまるで既成事項のように伝わっており,後釜にはテストドライバーのフランク・モンタニーや,ウィリアムズにレンタルされている中島一貴の名前も挙がっている。確かにここ数戦のラルフは予選Q1で姿を消すなど,走りに精彩を欠いているのも事実である。僚友のヤルノ・トゥルーリが連続でQ3に進出していることを考えると,比較されてしまうのも仕方がない。ラルフにとってこの北米2連戦は,進退をかけた正念場になる。

 最後に肝心のカナダGP,SAF1の予選結果を。フリー走行から概ね順調な走行を続けてきたSAF1の二人。予選ではアンソニー・デビッドソンが1000分の1秒差でQ1ノックアウトを喫したものの,佐藤琢磨は14番手でQ2に進出。Q2は惜しくも11番手に終わり,開幕戦以来のQ3進出は逃してしまったが,現状ではよいポジションを確保できたと言えるだろう。毎年完走率の低いカナダGPは,今年もサバイバルレースになることが予想される。明日の決勝では,スペインに次ぐ今季2度目の入賞を期待したい。地球の裏側にて起こるであろうエキサイティングなレースを,今夜は眠い目をこすりながら見ることになるだろう。ただ最大の心配は,月曜日の体力が持つかどうか・・・

| | コメント (8) | トラックバック (2)

« 2007年5月 | トップページ | 2007年7月 »