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2007年6月23日 (土)

真夏はホンダの正念場

 「病は気から」という言葉が示すように,人間の心理状態は,時として体にも変調を来す。気力が充実していれば,多少困難な状態でも自らを奮い立たせ乗り切ることができるだろうが,それが低下しているときは,同じ事をするにも膨大なエネルギーが必要になる。今シーズン,チームの大黒柱として獅子奮迅の活躍を見せるSAF1の佐藤琢磨は,気力体力共に充実していると言っていいだろう。その一方で,走らないマシンに嫌気がさし,モチベーションの低下が見られるのが,ホンダのプリンス,ジェンソン・バトンである。先週行われたアメリカGPの走りは,トラブルを抱えていたということを差し引いても,明らかに集中力を欠いたものであった。

 そのひとつが,2周目のバトンの行動である。琢磨の言葉を借りれば,「彼はおそらく最初気づかずに行動を始めたんだけど,僕に並んだ頃にイエローに気づき,そしてポジションを元に戻した」というものである。もしそれが本当であれば,ペナルティを受けるべきなのは琢磨ではなくバトンの方である。しかし,実際に黄旗追い越しのペナルティを課せられたのは琢磨であった。更に琢磨は,ペナルティストップ前にリタイアしたことにより,フランスGPでの10番グリッド降格が決定している。一度出てしまったFIAの決定が覆ることはまずない。後方からのスタートを余儀なくされるが,ここは琢磨にアデレードヘアピンでのオーバーテイクショーを期待したい。

 さて,そのSAF1は,スペイン・へレスでホンダとの合同テストを実施した。主としてヨーロッパラウンドから投入するエアロダイナミクスやサスペンションのテスト,更にフランスGPを見据えたセットアップに精を出したようである。一方のホンダは,シーズン中としては異例の,報道陣完全シャットアウトの極秘テストとなった。チームの地元イギリスを離れわざわざスペインでテストを行ったのは,見られたくない秘密があるからに他ならない。これは,ホンダの中本修平/シニア・テクニカルディレクターも認めていることであり,今回のテストをいかにチームが重要視しているかが伺える。

 ホンダがスペインで極秘テストをしたのは,開幕から不振にあえいでいるRA107を大幅に改良したRA107"B"であると言われている。既にモナコGPでマシンに大きな変更を施したことに加え,北米2連戦にはルーフの形状が以前のものとは異なるモノコックを投入するなど,その開発ペースはトップクラスである。残念ながらトラブルやアクシデントにより,結果にこそ結びついてはいないが,開幕直後の低迷を抜け出しつつあることは明らかである。それだけにRA107Bの投入が吉と出ればいいが,逆にこれでもパフォーマンスの改善が見られない場合,チーム体制に再びメスが入れられる可能性もある。ホンダにとってここ数戦が,真夏の正念場となりそうだ。

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