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2007年7月 8日 (日)

ユニオンジャックは彼のもの

 どの世界でも,ルーキーに必要以上の期待をかけることは禁物である。たとえそれが期待の大型新人であっても,その世界で何年も飯を食ってきた人間に,そう簡単にかなうわけがない・・・。我々の住む世界であってもそうなのだから,世界最高峰のF1ともなれば,そんなことは至極当然であると思っていた。しかし,ルイス・ハミルトンの登場は,そんな「常識」を見事に覆すものだった。母国イギリスに堂々のポイントリーダーとして凱旋した彼は,昨日行われた予選でも見事PPを獲得。スタンドに掲げられた多くのユニオンジャックは,彼のために振られていたと言っても過言ではないだろう。

 そのハミルトンに食い下がったのが,フランスGPの優勝で勢いに乗るフェラーリのキミ・ライコネン。僚友フェリペ・マッサも4番手につけているが,最も怖いのは3番手のフェルナンド・アロンソだろう。事実アロンソは,Q1,Q2共にファステストタイムを記録。Q3では明らかに燃料を多く搭載しての3番手である。後はアロンソがタイヤを最後までもたせることができれば,ライバルの前でチェカーを受ける可能性が高い。5番手以降はBMWザウバー,ルノー,そしてトヨタが2台ずつ収まった。一方SAF1の佐藤琢磨は,レースカーに不可解なグリップ不足が発生し今季ワーストの21番手。決勝ではTカーに乗り換え,ピットスタートから追い上げを図る。

 いよいよスタート!と思ったら,何と3番手のマッサがスタートできずディレイ。エキストラ・フォーメーションラップの後,マッサは琢磨と同じくピットからのスタートとなる。注目のスタートは大きな混乱もなく,ハミルトン,ライコネン,アロンソの順で周回を重ねる。ピットスタートのマッサは,前車を次々にオーバーテイクしていく。17周目にトップのハミルトンはピットに飛び込むが,給油が終わらないうちに動してしまう。このミスに乗じて,ライコネンはハミルトンを逆転。更にそのライコネンをアロンソが抑えトップに立つ。SAF1のアンソニー・デビッドソンは,トラブルにより母国GPで無念のリタイア・・・。

 残り23周,1回目のピットストップを短めにすませたアロンソが,2回目のピットイン。次の周にはハミルトンも続く。ライコネンは残り18周までピットインを遅らせ,アロンソを再逆転!フランスGPと同じように,最後のピットストップできっちりとトップを奪ってみせた。結局順位はそのまま,ライコネンが連勝で今季3勝目を飾った。2位はアロンソ,3位は開幕から9戦連続表彰台となるハミルトン。苦しい走りながら,しっかりと結果を残すあたりは流石である。ピットスタートから怒濤の追い上げとなったマッサは,BMWザウバーのロバート・クビサを追いつめるも,僅かに届かず5位でチェッカー。同じくピットスタートの琢磨はTカーで奮闘するも,14位完走に終わっている。ライバル勢が開発スピードを加速させる中,SAF1にとっては苦しい戦いが続きそうである。

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コメント

こんばんは!

フェラーリのライコネンがやっと本気を取り戻してくれたようですね。CS 解説者の小倉さんは「向上心が出てきた」、また今宮さんは「彼らしいキレた所が戻ってきた」とコメントされていました。ハミルトンの安定性を考えると、18ポイントの差は大きいですが、フェラーリの復調は本物のようですので、これからの展開が面白くなりそうです。
また、個人的には、最後のクビサとマッサの攻防が面白かったです。前戦でハミルトンと見せてくれたバトルシーンで、彼のクレバーで冷静な状況判断能力と駆け引きの上手さを垣間見たような気がしたのですが、今回は、見事にマッサをおさえました。今季は表彰台まで、あと一歩ですが、残りのシーズンでどんな活躍を見せてくれるのか期待したいと思います。
SAF1 は厳しい戦いでしたが、チーム力を考えれば、さすがに全レースでベストを望むのは無理ですので、次なるチャンスの到来を待ちたいですね!☆

投稿: Tommi-TAG | 2007年7月 9日 (月) 19時48分

 こんばんは!
 このGPは完全にフェラーリのものでしたね。
 ライコネンの自信に満ちた走りもそうですが、マッサの追い上げも凄かったです。ルノー、トヨタ、ホンダも進化の後が見て取れますが、ああもズバズバ抜かれてしまうのを見ると、先は長いなぁ、と思ってしまいます。
 PPを「獲りに行った」ことが分かったハミルトンでしたが、初めて決勝でのミスらしいミスを犯しました。やはり彼もファイターでしたね。

投稿: mar | 2007年7月 9日 (月) 22時44分

 Tommi-TAGさん,こんばんは!
 マッサはトラブルで5位に終わりましたが,ライコネンの2連勝でフェラーリも序盤戦の勢いを取り戻したようですね。これで2強4人の役者がそろい踏みで,タイトル争いも白熱しそうです(^^)
 SAF1は辛いところですね。細々した開発は続いているのですが,いかんせんリソースに限りがあります。本来のポジションではあるんですが,一度はアロンソを喰っているだけに,もう一度!なんて高望みしちゃいますね(^^;)ではでは!

投稿: KAZ | 2007年7月10日 (火) 20時58分

 marさん,こんばんは!
 今回ハミルトンの優勝が難しいことは,予選までの流れを見れば明らかでしたね。決勝ではタイヤの選択もうまくいかなかったようですし,彼自身のミスもありました。一瞬,アルバースを思い出しましたね「ハミルトン,お前もか!?」って(^^;)それでも3位でまとめるんですから,たいしたものです。
 フェラーリの復調もうれしいですね。やっぱりこのままマクラーレンが独走したのでは,残りのシーズン盛り上がりませんからね。でも,ハミルトンの安定感を考えると,12ポイント差は大きいなぁ・・・。ではでは!
 

投稿: KAZ | 2007年7月10日 (火) 21時03分

こんばんは
コメントを残したつもりが…m(__)m
今回のハミルトンは凱旋の挨拶だけでしたね。
Q2での結果に優先権を与えるんじゃ?って予選を見て不思議に思いましたけど、端なっから優勝ではなくて、セカンドベストというか…そんな戦略だったんですね。
マクラーレンは案外タイヤのライフが悪そうなので、開発が進まなければコースによって得手不得手が出るかも知れませんね。

投稿: ビートニク | 2007年7月10日 (火) 21時37分

 ビートニクさん,こんばんは!
 今回はマクラーレンのタイヤ選択もうまくいっていなかったようですし,フェラーリに完全に置いていかれましたね。マッサのトラブルがなければ,ハミルトンの表彰台も危うかったかもしれません。でも,苦しい時にも最低限の結果を残していますから,ハミルトンが依然としてポイントリーダーなのも納得です。
 ビートニクさんもエントリーに書かれていましたが,フェラーリ勢のファステストがピットイン直前で出ていることからも,キッチリとタイヤを使い切っていることがわかります。これでチャンピオンシップも面白くなってきましたね(^^)vではでは!

投稿: KAZ | 2007年7月10日 (火) 22時49分

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