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2007年8月18日 (土)

花火ではなく雑草のように

 美しさと儚さを併せ持つ花火は,夜空を彩る夏の風物詩である。しかし,花火が暗い夜空を色鮮やかに染め上げ,どんなに美しく咲こうとも,一瞬先で待ち受けているのは,漆黒の闇である。華麗なるモータースポーツの世界も,そんな花火に似ている。数々の苦難を乗り越え誕生し,資金も技術も経験もないが,結束力だけはパドック随一のSAF1。そんな情熱が原動力となり,テールエンダーの常連だったチームは,僅か1年あまりでポイントを獲得するまでに成長した。しかしここ1週間,SAF1の将来について,様々な憶測が流れている。

 SAF1は現在チーム株式の売却交渉を,GP2に参戦しているカンポスレーシングのオーナーであるエイドリアン・カンポス氏と,そのビジネスパートナーであるスペイン人実業家,アレハンドロ・アギャグ氏と行っている。SAF1側は,少数株式の売却を検討しており,その資金を今後のチーム運営に充てようと考えている。既にアギャグ氏は,「4,000万ユーロ(約64億4,000万円)を投じてSAF1株式の40%を取得した」と発表しているが,亜久里代表は,「チームは売却していないが,話し合っている」と述べ,交渉が現在も継続中であることを明らかにしている。 

 鈴木亜久里代表が常々語っていたように,SAF1の資金難は今更始まったことではない。参戦1年目の昨年は,スポンサー交渉を電通に委託し,年間参戦に必要な資金を何とか確保していた。そして2年目となる今季は,日本だけに限らず国際的なスポンサー獲得に向け,チーム独自の交渉を始めていた。しかし,カスタマーシャシー問題に揺れるSAF1を積極的にサポートしようと考える企業は少なく,シーズン前から交渉していたメインスポンサーとの交渉も,結局まとまることはなかった。そんな窮地のSAF1を救ったのが,謎の企業「SS UNITED」であった。しかし,活動実態がほとんどないこの企業との契約を疑問視する声は,開幕当初から数多く挙がっていた。

 そして案の定起こってしまった,スポンサー料の未払い。ダニエレ・オーデット/マネージング・ディレクターは,1回目の支払い以降一向にスポンサー料を支払わないSS UNITEDに対し,告訴をも視野に入れているという。併せてオーデット氏は,「確かにわれわれにパートナーが必要なのは確か」と,資金難に陥っている現状は認めながらも,チーム経営権を譲渡する50%以上の売却は否定しており,今後も「日本のSAF1」は継続される見通しである。しかし,何が起こるか分からないのがF1界。いずれ消えてしまう花火ではなく,誰に踏みつけられても生き続ける雑草のように,SAF1にはどんな形であれサーキットで生き残ってもらいたい。

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コメント

 こんにちは!

 一気に株式売却まで話の流れが進んでしまいましたね~
 株式の一部売却は、チームの存続という意味では有効な手段だと思います。このテの話をリークするには、新たなスポンサーを集めるという意味でも、話題の減少するシーズンの中休み=今がベストでしょうね。
 カンポス氏の手腕はかなり確かな部類に入ると思うので、この話が実現したとしたら、良好なパートナーシップになるんじゃないかと思います。
 あくまで実現すればですが。
 ネックはホンダとの絡みですかね~

投稿: mar | 2007年8月18日 (土) 17時22分

こんにちは!

花火のお話ですが、今の SAF1 にとっては、単なるたとえ話ではすまされない状況のようですね。
昨年の夢の純日本チームの誕生から、早くも2シーズン目にしてポイントを獲得、そして、今回のチームの株式売却の話、すべてが、あまりにも急ピッチで展開している感じがします。

SS UNITED に関しては、幹部が雲隠れしてしまっているという噂ですが、それはさておき、現実的な問題は、今後どうなるのかということでしょうか。今回はチーム経営権の株式の50%を死守できそうな感じですが、今後の活動資金のことを考えると、長期的な資金繰りの展望が必要になってきます。まだ、明らかにされていない部分はあるとは思いますが、KAZ さんが仰るように、花火のように漆黒の夜空に消え去ってしまうのではなく、「日本の SAF1」として、雑草のごとく、この窮地を乗り切ってほしいと思います☆

投稿: Tommi-TAG | 2007年8月18日 (土) 18時57分

 marさん,こんばんは!
 株式売却は,現状では最良の選択でしょうね。相手は色々といるようですが,よりチームを強くするためには,怪しげなアラブのお金持ちよりも,カンポス氏のような人物が適切なのでしょう(v_v)
 問題はホンダの関わり方です。思うんですが,ホンダはSAF1の現状をどう考えているのでしょうか。日本に特化したサテライトチームと位置づけるのであれば,もう少し支援の仕方もあるのでしょうが・・・。まぁ,本体があの状態では,支援どころではないですけどね(^^;)ではでは!

投稿: KAZ | 2007年8月19日 (日) 00時35分

 Tommi-TAGさん,こんばんは!
 10年一昔と言いますが,この10年でF1界で名実共に生き残っているチームは,フェラーリ・マクラーレン・ウィリアムズの僅か3チームだけですからねぇ。2年目のSAF1ですが,消え去るにはまだまだ早すぎます。
 過半数の株式保有は維持しつつも,今後は長期にわたってチームをサポートしてくれるスポンサーを見つける必要がありますね。カンポス氏が共同オーナーになりれば,スペインからの資金も投入されることになるでしょうが,その分ドライバーの人事にも影響力を表すでしょうねぇ(--;)そうなるとホンダとの関係は・・・。ではでは!

投稿: KAZ | 2007年8月19日 (日) 01時15分

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