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2007年12月16日 (日)

マネージャー達の東奔西走

 世間は何かと慌ただしい師走を向かえているが,走り回っているのは何も坊主ばかりではない。年内最後の合同テストを終え,束の間のクリスマス休暇に入ったF1界にも,東奔西走している人々がいる。チームやドライバーの契約を司るマネージャー達である。オフシーズンは,チームやドライバーの将来を左右する重要な時間である。特にドライバーのマネージャーは腕の見せどころ。自分の担当するドライバーの将来はもちろんだが,その契約金の何割かは自身の懐に入るのだから真剣そのものである。従ってこの時期は少しでも有利な条件の契約を結ぼうと,マネージャー達は分厚い契約書と格闘していることだろう。

 F1ドライバーの契約は,非常に複雑かつ強固であると言われている。その契約書には契約金や契約年数はもちろんのこと,契約延長や破棄に関するオプション事項,チームメイトに対する優先権,プロモーション活動の取り決め,更には家族の移動旅費から友人に対するパドックバスの支給枚数に至るまで,実に多岐に渡り記されている。仕事場であるサーキットからプライベートに至るまで事細かに記された契約書は,ドライバーによっては数百ページに及ぶと言われるのも納得ができる。先日,来季の去就が注目されていたフェルナンド・アロンソが,古巣ルノーと来季以降のドライバー契約を結んだが,その契約書にも膨大な「附帯事項」が記されているに違いない。

 その一方で,「F1の契約はあってなきようなもの」とも言われている。いくら強固な契約を結ぼうとも,双方が合意の上であれは途中で契約解除となる場合もあるし,成績が振るわなければ,一方的に解雇される場合もある。そうでなくても,金の力である程度は何とかなるのがF1界。バトンゲートを例に出すまでもなく,違約金を払って移籍するドライバーなどいくらでもいるのが現実である。下位チームなどはそれを逆手に取り,将来有望な若手をトップチームに契約ごと売りつけることで,過酷なF1界で生き残ってきた歴史がある。ジャンカルロ・ミナルディやエディー・ジョーダン,ペーター・ザウバーといったかつてのチーム代表らは,若手発掘には定評のあった人物である。

 しかし現代では,下位チームで実力を認められ,トップチームへとステップアップする例は少なくなってきている。GP2が「F1予備校」の地位を完全に確立した今日は,GP2上がりの新人ドライバーがいきなり,或いはテストドライバーを経て,トップチームからデビューする時代である。既に来季も,ティモ・グロックがトヨタの,ネルソン・ピケJr.がルノーのレースシートを射止めている。ルイス・ハミルトン&ヘイキ・コバライネンのマクラーレン,ニコ・ロズベルグ&中嶋一貴のウィリアムズは,共にGP2卒業生同士のラインアップとなる。それだけに若手ドライバーのマネージャー達もGP2 のシートに狙いを定め,F1関係者の目に触れる機会を増やそうとしているのだ。マネージャー達の東奔西走は今日も続く…


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コメント

 こんにちは!
 先日は暖かいお言葉をありがとうございました。

 来年のシートも残すところSAF1の1つのみとなりましたね!
 一貴くん、アンジェロといったGP2出身のニューフェイスが新たにレギュラーの座を射止めましたが、おっしゃるとおり、GP2は着実にF1への有力なステップボードとしての地位を確保しましたね。シーズン立ち上げ当初はコントロールパーツの品質不均等や一部チームへの優遇が目立ちましたが、去年からそういった状況もかなり改善され、そのマシン特性からもF1予備校に相応しいシリーズとなりました。
 そしてそのGP2のシートを得るためには、各国F3やWSRといったシリーズで優秀な成績を収めなくてはならない、、、
 メーカー育成プログラム全盛の今となっては、更にその下のカテゴリーの段階から光る能力を見せなくてはなりません。

 ウイリアムズのTDに就任したユーロF3位のヒュルケンベルグは、F・BMW時代からウイリー・ウェーバー氏が契約を結んでいます。
 マネージャーが東奔西走するのは抱えているドライバーのシートを確保するためだけでなく、そんなダイヤの原石を見つけるためにヨーロッパのカート場を走り回っているかも知れませんね!

投稿: mar | 2007年12月17日 (月) 18時53分

 marさん,こんばんは!コメントが大変遅くなり,申し訳ありませんでしたm(_ _)m

>マネージャーが東奔西走するのは抱えているドライバーのシートを確保するためだけでなく,そんなダイヤの原石を見つけるためにヨーロッパのカート場を走り回っているかも知れませんね!

 そうですよねぇ。まだ見ぬ優秀な人材を発掘するのも,マネージャーの大きな仕事ですよね。ヒュルケンベルグはウィリー・ウェーバー氏が見いだした,正にポスト・シューマッハといった才能でしょうね(^^)今後の活躍が期待されますね。

 日本人ドライバーのマネージャーというと,琢磨のA-Gスコット氏が有名ですが,他のマネージャーは,あまり知られていませんよね。左近は日本人のマネージャーだったと思いましたが。世界を又に戦うF1ドライバーですから,そのマネージャーももの凄い激務なんでしょうねぇ(--;)どの世界も大変です(^^;)ではでは!

 

投稿: KAZ | 2007年12月21日 (金) 22時55分

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