2007年9月10日 (月)

「華麗なるレース」を求めて

 台風一過の土曜日,私にとっては年に一度の楽しみである,「GOSPEL NIGHT」という音楽イベントに参加した。場所は東京国際フォーラム ホールA。観客収容人数5000名を数える,日本が誇る巨大音楽ホールのひとつである。そのステージで今回は何と,250名のバックコーラスを従えソロを歌う機会を得た。楽曲はQUEENのブライアン・メイが手がけた「手をとりあって~Let Us Cling Together~」。たった1曲,僅か数分間のステージではあったが,自分の声が巨大ホール中に響き渡る臨場感は正に圧巻。歌い上げた後の感じは,北島康介と同じく「チョー気持ちいい!!」。ちなみにこの楽曲が収録されているQUEENのアルバムタイトルは「華麗なるレース」。こちらも何ともいい感じの響きである。

 昨晩はそんな余韻に浸りながら,イタリアGPを見ようとフジテレビにチャンネルを合わせた。すると,冒頭からトヨタのマシンと共に某アイドルグループの木村くんが現れ,何やら知ったような口ぶりで語っている。初の富士開催に向け,トヨタを前面に押し出したいのは分かるが,どうもあからさま感が否めない。フェラーリをバックにクールに始まったアバンタイトルのBGMも,今回はQUEENの「I WAS BORN TO LOVE YOU」。そこまで木村くん繋がりにしなくてもいいだろうに。肝心のレースでも,トヨタの2台はオープニングラップで順位を落とし,今回も結果を残すことができなかった。トヨタが「華麗なるレース」を見せるためには,まだまだクリアすべき課題が多いようだ。

 さて,先週末のイタリアGPで,一枚の注目すべきリリースがFOMから出された。日本GPが2009年より,鈴鹿サーキットと富士スピードウェイとの隔年開催となることを伝えるものである。これにより,昨年20年に渡るF1開催の歴史に一度ピリオドを打った鈴鹿が,再びF1のカレンダーに復活することが決まった。富士での開催に疑問符を投げかける関係者も多かっただけに,この決定はファンならずとも大いに喜ぶべきものであろう。このニュースを聞いた佐藤琢磨も「隔年開催になれば,ファンにとっても興味深い二つの日本GPになると思うし,両方とも成功させたい」と喜びを語っている。

 現在,F1が同一国で隔年開催されているのは,ドイツGPのニュルブルクリンクとホッケンハイム。バーニー・エクレストンFOM会長の目指す「1国1GP」の趣旨からすれば,今回の富士・鈴鹿隔年開催も,以前から噂されていた開催形態である。「東の富士,西の鈴鹿」という,日本が世界に誇る二つのサーキットでF1が開催されるとなれば,興行的にも長期にわたって安定した収入が期待できる。今回の契約で一体どれくらいのお金が動いたのか,我々は知る由もないが,細かい詮索は無しにしよう。数年後からは東と西で交互に,「華麗なるレース」を見ることができるのだから。

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2007年3月20日 (火)

不得手なことへの挑戦

 人間には誰しも得手不得手がある。それがあるからこそ,自分なりの個性もまた生まれる。しかし人は時として,不得手なことにも挑戦しなければならない。実はここ数日,今までとは違った分野の仕事をしている。日頃デスクワークなどしたことのない人間が,1日中PCのディスプレイとにらめっこしているものだから,心身とも恐ろしく疲れる。仕事は捗らず時間ばかりが過ぎてゆく毎日を,今はただじっと耐えるしかない。そんな時,こうして好きなことを書き連ねていると,頭の中を整理することができる。正常な思考回路を取り戻せば,つらい仕事も何とか乗り越えられるだろう。

 今日のがエントリーが単なる愚痴で始まったのには,それなりの訳がある。先週末,どうしても愚痴らずにはいられない,ある意味で衝撃的なものを見てしまったからである。そう,あのフジテレビF1中継の,オープニング映像である。昨年まで長い間オープニング曲であった「TRUTH」に替わり,新たにQUEENの「FLASH」が採用された。それに合わせ,映画「フラッシュ・ゴードン」をモチーフに,F1パイロット操るが戦闘機のレースを採用したのだろうが,あまりにも安っぽすぎる。すでに様々なところで批判の嵐が起こっているが,私自身も楽しみにしていただけに,その反動も大きかった。

 音楽と映像のマッチングは,効果的な演出を狙う上で,とても重要な要素である。昨年までのTRUTHは,楽曲自体のスピード感もさることながら,精巧なCGによるF1マシンの映像と合わさることで,より高いレベルの演出効果を得ていた。事実,TRUTHとF1CGのオープニングは,国内だけではなく海外のF1メディアからも,非常に高い評価を得ていたと聞く。今回も中継の中で一瞬ではあるが,トヨタTF107とホンダRA107の精巧なCGが映し出されていた。であるならばなぜそれを効果的に使わず,あろう事かブライアン・メイが「F1のイメージににぴったり」と語っていた「FLASH」を,安っぽいアメリカン・コミックのような形でしか表現できなかったのだろうか。

 フジテレビは近年,地上波とCSの差をハッキリつけようとするあまり,F1中継の本質を見失いかけている。「地上波はファン層拡大,コアなファンはCSに」という基本路線は間違っていないだろうが,だからと言ってモデルやアニメを餌に視聴者を釣り上げたところで,F1の裾野は広がらない。本当に必要なことは,F1初心者の視聴者にも,F1を易しく,分かりやすく伝えることであり,その中でモータースポーツの魅力を感じさせることである。開幕戦ではなかったスタジオ中継も,タレントやモデルに頼らず改善していけば,初心者から上級者まで楽しめる内容も作れるはずである。今回,不得手なことに果敢に挑戦したことは評価するが,餅は餅屋とも言うしなぁ。

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2007年3月14日 (水)

あえてこの日に閑話休題

 人を待たせている時より,人を待ってる時の方が,時間の経過は遅く感じるものである。「待ちに待った」という使い古された表現がぴったりと当てはまるほど,このシーズンオフは,SAF1の新型車SA07の登場を待ち続けた日々であった。幾度となく発表が延期されたその新型車も,いよいよ本日,開幕戦の地オーストラリア・メルボルンで発表される。当然今日は各サイトとも,SAF1&SA07の話題で持ちきりだろうが,本サイトではまた明日じっくり書くことにして,今日はあえて別のエントリーを書いてみたいと思う。それは,モータースポーツと並んで私の趣味でもある「音楽」についてである。

 と言うのも,かねてより「レースと音楽は密接な関係にある」と考えている私にとって,どうしても書かなければならない話題があるからである。少し前の話になるが,フジテレビのF1中継のテーマ曲が,モデルチェンジされるという記事を目にした。新たにテーマ曲を手がけるのは,もはや伝説のロックバンドと言ってもいい「QUEEN」のギタリストで,大のF1好きとしても知られる,ブライアン・メイである。注目の楽曲は,映画「フラッシュ・ゴードン」のメインテーマである「FLASH」を,彼が新たにリミックスした「Flash's Theme 2007 High Octane Mix」になると言う。

 QUEENの楽曲ほど,レースに似合う曲はないだろう。以前「KINGに似合うQUEEN」でも紹介したように,彼らの楽曲はモータースポーツの様々な場面で用いられている。元来彼らの楽曲が持つスピード感や重厚感もさることながら,何より故フレディ・マーキュリーのハイトーンヴォイスが,メイの官能的なギターサウンドと相まって,独特の高揚感を生み出している。それ故彼らの楽曲は,日本はもちろん,世界中の音楽ファン,モータースポーツファンの間に広く浸透しているのである。かくいう私も,高校時代にフジテレビのF1中継を通じてQUEENの存在を知っただけに,今回フジテレビF1テーマ曲に,彼らの楽曲が採用されたことには,深い感銘を覚えている。

 その一方で残念なのは,長い間F1ファンに親しまれたテーマ曲である,T-SQUAREの「TRUTH」が聴けなくなってしまうことである。1987年にフジテレビのF1中継が始まって以来,20年に渡り採用されてきたこの曲は,すでに一つのスタイルを確立しており,TRUTHという曲名を知らなくとも,音楽を聴いただけでF1が思い浮かぶという,完全なるイメージの一致を果たしている。その証拠に,一時テーマ曲が別の曲になった時も,TRUTHの復活を望む声が多く,短期間でTRUTHはテーマ曲に復活している。皇帝引退による若手の台頭や,フジ・スピードウェイでの日本GP開催など,今季のF1は見所が多い。新世代F1にふさわしい楽曲を期待しながら,開幕戦を待つことにしよう。

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2006年8月 1日 (火)

KINGに似合うQUEEN

 ミハエル・シューマッハ&ブリヂストンのハットトリックはあるのか?SA06はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか?日曜の夜は多くの期待を抱えながら,フジテレビの放映時間を待った。(もちろん地上波で・・・。)今年F1中継を始めて20周年となるフジテレビでは,中継前にF1関連の特別番組を放映するなど様々な企画を展開している。フォーミュラニッポンの会場でノバ・エンジリアニング製作の2シーターフォーミュラを走らせたりしているのもその一環である。もちろん地上波中継もテーマ曲からセットまでリニューアルされたが,その前に流されているアバン映像が注目されている。

 サンマリノGPでの「最後の聖戦」も思わずグッとくる内容だったが,日曜日に放映されたドイツGPのアバンもクオリティーが高かった。3連勝をねらいひた走るシューマッハと,もう一度シーズンの流れを取り戻したいフェルナンド・アロンソの攻防。そして待望のグランプリデビューを果たした山本左近のフラッシュを,QUEENの大ヒット曲「Don't stop me now」にのせてテンポよく作り上げていた。内容は非常にわかりやすくある意味ベタベタではあるのだが,曲のスピード感とも相まって素直に「カッコイイ」と思える出来映えとなっていた。(左近のあすなろF1パイロットはどうかと思うが・・・。)

 QUEENの曲と言えば,ドラマ「プライド」のテーマ曲として使用された「I was born to love you」が広く一般に知られている。最近ではSAF1のスポンサーでもあり,佐藤琢磨本人が出演するアサヒ「スーパーH2O」のCM曲としても使用されており,F1ファンにとっても耳馴染みの曲である。上記の「Don't stop me now」は,過去にも「COSMO OIL・スーパーマグナム」のCM(コース上に張られた巨大な幕を,セルモのF3000マシンが突き破る!)で使用されていた。F1でもシリーズチャンピオンを獲得したフェラーリチームが「We are the Champion」を合唱するなど,QUEENの曲は広く世界で愛されている。どの世界でも,「KING」には「QUEEN」がよく似合うものである。

 さて,そのフェラーリ&シューマッハであるが,ドイツGPの1-2フィニッシュで一気に勢いづいてきた。前半戦はなかなか波に乗れず「落日の皇帝」呼ばわりされていたが,ここに来ての復活劇で各メディア手のひらを返したように賞賛の嵐である。来期の去就について,シューマッハはその進退を明らかにしていないが,タイトルを争えるポジションにいる限り「引退」の2文字が彼の口から出ることはないだろう。そうなればフェラーリ・シューマッハ,マクラーレン・アロンソとなり,注目のキミ・ライコネンはルノー移籍というのが現実的なラインナップとなる。とは言えまだシーズン中盤。来シーズンの予測は意味をなさない。何が起きてもおかしくないのがF1の世界なのだから・・・。

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