R27は南仏の香り
新しいデザインを見るのは楽しい。使用目的が同じであっても,作る者の考え方の違いにより,その姿形は大きく異なってくる。レギュレーションというとりわけ厳しい枠=Formulaの中で製造されているF1マシンも,デザイナーを中心とするチームの考え方によって,実に様々なマシンが生み出される。トヨタTF107,フェラーリF2007,BMWザウバーF1.07,マクラーレンMP4-22と,先週から2007年型の新型車が続々と発表されているが,どれ一つとして同じ姿形をしたマシンはない。これがF1の大きな魅力であり,他のワンメイクカテゴリーでは決して見られないものである。
そんな中,昨日正式発表されたのが,ルノーの新型車R27である。このマシンは既に先週からスペイン・へレスでテストを行っており,姿形は広く知られている。デザインも昨年型R26からの正常進化型であり,取り立てて大きな変更点はない。唯一目立つのは,サイドミラーを融合したカーリーフィンくらいのものだろう。フェラーリも昨年型の248F1から,ミラーをサイドポッドの前端に設置している。近年のF1マシンは,様々な空力付加物により後方視界の確保が難しくなってきており,A23ベースのSA05がデビューした際には後方が全く見えず,急遽ミラーのステーを延長する対策が採られたほどである。今後,同様の位置にミラーを設置するマシンが出るかもしれない。
今回の発表で最も注目されたのは,メインスポンサー変更に伴うマシンのカラーリング変更である。1994年から実に13年間,ベネトン~ルノーのメインスポンサーを務めてきたマイルドセブン(JT)が撤退したことにより,慣れ親しんだライトブルーはマシンから姿を消している。替わって新たなメインスポンサーINGのコーポレートカラーである,オレンジ・ホワイト・ブルーが,ルノーのイエローとともに配色された。ルノーがINGのお膝元,オランダ・アムステルダムで新車発表を行ったことから考えても,今回のメインスポンサー契約が長期かつ巨額であることを裏付けている。マイルドセブン時代には,一度も日本で新車発表をしなかったが。コストが高いからだろうけど。
昨年までのライトブルーとイエローは,フェルナンド・アロンソの出身地オビエドのあるアストゥリアス州の旗と同じ組み合わせであり,毎年スペインGPは青一色に埋め尽くされていた。そのアロンソがマクラーレン移籍したことは,ルノーの一時代が終わったことを意味している。暖色系の色に染められた新生ルノーが,今季どれほどの戦闘力を発揮できるかは,背水の陣の新エース,ジャンカルロ・フィジケラにかかっている。ヘイキ・コバライネンも注目の新人だが,いきなり速さを見せるのは難しいだろう。それにしても何度も見てもこのカラーリング,南仏の香りがするんだよなぁ・・・。
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