2007年1月25日 (木)

R27は南仏の香り

 新しいデザインを見るのは楽しい。使用目的が同じであっても,作る者の考え方の違いにより,その姿形は大きく異なってくる。レギュレーションというとりわけ厳しい枠=Formulaの中で製造されているF1マシンも,デザイナーを中心とするチームの考え方によって,実に様々なマシンが生み出される。トヨタTF107,フェラーリF2007,BMWザウバーF1.07,マクラーレンMP4-22と,先週から2007年型の新型車が続々と発表されているが,どれ一つとして同じ姿形をしたマシンはない。これがF1の大きな魅力であり,他のワンメイクカテゴリーでは決して見られないものである。

 そんな中,昨日正式発表されたのが,ルノーの新型車R27である。このマシンは既に先週からスペイン・へレスでテストを行っており,姿形は広く知られている。デザインも昨年型R26からの正常進化型であり,取り立てて大きな変更点はない。唯一目立つのは,サイドミラーを融合したカーリーフィンくらいのものだろう。フェラーリも昨年型の248F1から,ミラーをサイドポッドの前端に設置している。近年のF1マシンは,様々な空力付加物により後方視界の確保が難しくなってきており,A23ベースのSA05がデビューした際には後方が全く見えず,急遽ミラーのステーを延長する対策が採られたほどである。今後,同様の位置にミラーを設置するマシンが出るかもしれない。

 今回の発表で最も注目されたのは,メインスポンサー変更に伴うマシンのカラーリング変更である。1994年から実に13年間,ベネトン~ルノーのメインスポンサーを務めてきたマイルドセブン(JT)が撤退したことにより,慣れ親しんだライトブルーはマシンから姿を消している。替わって新たなメインスポンサーINGのコーポレートカラーである,オレンジ・ホワイト・ブルーが,ルノーのイエローとともに配色された。ルノーがINGのお膝元,オランダ・アムステルダムで新車発表を行ったことから考えても,今回のメインスポンサー契約が長期かつ巨額であることを裏付けている。マイルドセブン時代には,一度も日本で新車発表をしなかったが。コストが高いからだろうけど。

 昨年までのライトブルーとイエローは,フェルナンド・アロンソの出身地オビエドのあるアストゥリアス州の旗と同じ組み合わせであり,毎年スペインGPは青一色に埋め尽くされていた。そのアロンソがマクラーレン移籍したことは,ルノーの一時代が終わったことを意味している。暖色系の色に染められた新生ルノーが,今季どれほどの戦闘力を発揮できるかは,背水の陣の新エース,ジャンカルロ・フィジケラにかかっている。ヘイキ・コバライネンも注目の新人だが,いきなり速さを見せるのは難しいだろう。それにしても何度も見てもこのカラーリング,南仏の香りがするんだよなぁ・・・。

参照リンク:@nifty F1通信

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2006年10月 6日 (金)

アロンソは脅える兎

 勝負の流れを決する上で,勢いは重要なポイントである。しかし,風が同じ方向に吹かないように,勢いはふとしたことから変わってしまうものである。今,最も勢いに乗っているのは,8度目のドライバーズ・タイトルを射程圏内にとらえたミハエル・シューマッハ。一方のフェルナンド・アロンソは,完全に勢いを失ってしまっている。鈴鹿入りした木曜日,アロンソはチーム批判を繰り返した。先の中国GPで,チームが下した幾つかの判定が気に入らないのだ。ルノーはコンストラクターズ・タイトルを優先しており,自分のドライバーズ・タイトルは二の次だ,と。

 それに対してルノーは,アロンソの前輪のみのタイヤ交換は失敗だったとみとめつつも,チームは全力でアロンソをサポートしていると強調している。ピットストップ時のミスは意図的なものではないにしろ,ここぞというときに起きてしまった。ミスをしたメカニックが,ハンガリーGPの時と同一人物と言うから,アロンソにとっては尚気分が悪い。こうなるとアロンソは,自分の周囲全ての者が敵に見えてくるだろう。信じられるのは,己の力のみ。誰の手も借りず,タイトルは自分自身の手でつかみ取る。それがフェラーリへの過剰な闘争本能を揺り動かし,「ウェットでもドライでも勝てる」などという,強がりともとれる発言につながっているのではないだろうか。

 そもそも,シーズン前にマクラーレン移籍を発表した時点から,こうなることは予想できていた。シーズン序盤戦は,昨シーズンの勢いをそのままに,フェラーリを圧倒する走りを見せていたが,アメリカGP以降その勢いがピタリと止まってしまった。もちろんFIAの疑惑ともとれる判定で,シーズンの流れがフェラーリに傾いてしまったことは否めない。それでも,チャンピオンシップを終始リードしていたのはアロンソなのである。しかし,前戦でのシューマッハ大逆転勝利が,完全にアロンソから勢いを奪い取ってしまった。同ポイントまで迫ってきた皇帝に,アロンソが脅えているのは明らかである。

 もし日本GPでシューマッハ優勝,アロンソがリタイアとなれば,最終戦ブラジルGPを待たずして,シューマッハの前人未踏8度目のドライバーズ・タイトルが確定する。その可能性は低いと見られているが,アロンソの疑心暗鬼ぶりを見ると,もしかするとサプライズが起こるかもしれない。すなわち,天王山となった鈴鹿で,シューマッハが一気にチャンピオンを決めてしまう予感もするのである。F1はひとりのドライバーの力で何とかなるほど,甘いものではないだろう。そんなことなどアロンソは百も承知だろうが,果たして今の心理状態で冷静な判断ができるだろうか?最近妙に饒舌なアロンソが,老いて尚獲物を求める虎に睨まれ,脅え震える兎に見えた。

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2006年9月27日 (水)

気をつけろアロンソ・・・

 日本は秋の長雨という,梅雨と同じくらいうっとおしい季節を迎えているが,今週末に上海サーキットで行われる中国GPも,残念ながら雨の予報が出ている。ミハエル・シューマッハ現役引退という衝撃が走ったイタリアGPから3週間。2006年のF1サーカスは,いよいよクライマックスに突入しようとしている。序盤戦はルノー&フェルナンド・アロンソの独走かと思われたタイトル争いだが,中盤戦以降ルノーは失速。現在は引退発表をしたことでチームが一丸となっている,フェラーリ&シューマッハが優勢である。ルノーにっとってはアロンソが移籍することも,プラスには働かないだろう。

 そのアロンソは,今もフェラーリ&シューマッハに対して激しい憎悪を抱いている。もともとタイトルを争うライバル同士,ある程度の確執はあったのだが,マス・ダンパー禁止問題や前回の予選タイム剥奪ペナルティが,その感情の炎に油を注いでしまった。彼らが今まで行ってきたアンフェアな戦い方が,根っからのファイターであるアロンソには気に入らない。「FIAはフェラーリ贔屓」という点についても,撤回どころかますますライバル心をむき出しにしている。アロンソはそういった感情をモチベーションとしているのだろうが,あまり露骨に表現すると自分自身の首を絞めることになりかねない。

 「F1はスポーツではなくなってしまった。お金と政治の争いだ。」サンケイスポーツのインタビューに対し,アロンソはそう話している。しかし,元来F1は「スポーツ」と呼ぶべきものなのか,そこから考え直さなければならない。ジャーナリストのピーター・ウィンザー氏は「F1は金持ちの一部特権階級による,プライベートクラブであったことを忘れてはならない。」と語っている。自分たちの「プライベートクラブ」に対して,来る者は拒まず去る者は追わずでは,今現在のF1は存在しなかった。そこには密室で決められてきた,幾つもの契約が存在したのだろう。F1の歴史を振り返れば,今回のようなことは数多く起こってきたことであるし,お金と政治の争いは今更始まったことではない。

 「正々堂々と勝つ!」いかにもファイターらしい,アロンソの偽りざる気持ちであろう。しかし,現在のF1界を全て否定することは危険である。ただ単純に,地球上で最も速いマシンを操る最も速い者を選ぶことだけが,F1の目的ではないのだ。アロンソの熱い感情は,オリンピックやサッカーワールドカップと並ぶ「世界3大スポーツ」にまで発展したF1の現在位置を,著しく変化させてしまうことになりかねない。もっとも,25歳の史上最年少チャンピオンには,そんなつもりは毛頭ないないだろう。それでも尚,彼の言動に対を苦々しく思っている「プライベートクラブ」の連中が,彼を黙って見過ごしてくれるとも思えない。ファンとしては,何ごともなくトラックで決着をつけてほしいが・・・。

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2006年8月24日 (木)

イタチごっこの末に

 競争があればルールがあるのも当然だが,そのルールがコロコロ変わるのは迷惑この上ない。かねてからその是非が話題となっていたマス・ダンパー・システムだが,遂に国際控訴審で違法との判断が下された。これによりこのシステムは,今後一切の使用が禁止される。この判定については,フランスGP後にFIAから禁止の通達があったが,この時点で今後の再使用はできないであろうと言われていた。一度疑惑のかかったシステムを使用し続けることは,後々ポイント剥奪の可能性も残すことになる。そんな危険を冒してまで使い続けるチームがあるはずもなく,同システムはそれ以降一度も使用されていない。

 マス・ダンパー・システムは,いわば建物の耐震装置のようなものである。フロントウイング内などに2つのバネの間に挟んだ重りを組み込み,マシンがバンプを乗り越えた際に重りが上下することで積極的な姿勢制御をするのがねらいだ。このシステムは今まで多くのチームが使用してきたが,ルノーの性能が突出して優れているとされていた。ルノーは昨年度からこのシステムを使用しており,今年度のR26はマス・ダンパーがあることを前提に設計されたマシンである。それ故,マス・ダンパー禁止の影響は1周あたり約0.3秒のロスとも言われており,ここ数戦その速さに陰りが見えていたことも確かだ。だた,ルノーとしても今回の禁止決定に備えて,今後の対応策は準備しているものと思われる。

 トヨタのパスカル・バセロン/車体部門ゼネラル・マネージャーが言うように,マス・ダンパー自体はメカニカル・デバイスだが,積極的な姿勢制御をすることはレギュレーションで禁じられており,違法と判断されても仕方がない。しかし問題なのは,一度合法と判断されていたマス・ダンパーが,今シーズン途中で違法と判断されたことにある。ルノーは昨シーズン同システムを導入するに当たり,FIAに使用の判断を求めている。その際はメカニカルデバイスとして合法の判断を下していた。ところが今回は空力デバイスとしての禁止通達。これでは内外に反感を買うのが当然である。

 テクニカル・レギュレーションをめぐっては,過去にもFIAとチームがイタチごっこを繰り返してきた。レギュレーションを作るたびに,技術者はその隙間を縫って新しいシステムを開発してきた。速すぎるルノーを止めるための手だてとしてマス・ダンパーが狙われたのは確かだが,今回はその時期が微妙である。マス・ダンパーが違法というならば,今まで違法なシステムで得ていたリザルトはどうなると言うのだろう。他のカテゴリーではタイトル争いを面白くする為,ハンディ・システムを変更することは珍しくない。しかし,F1という世界最高峰のレースで,一度決めたルールを曲げてまで混沌の争いを演出するのはいかがなものか。それがFIAと言ってしまえばそれまでだが・・・。

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2006年8月18日 (金)

タバコマネーの終焉

 ルノーのスポンサーであるスペインの電話会社「テレフォニカ」が,来年度も引き続きルノーへの支援を行うようだ。元々テレフォニカは,マルク・ヘネがミナルディに持ち込んだことからF1への支援を始めたのだが,ここ数年は,同国の英雄,フェルナンド・アロンソ駆るルノーに多くの資金を投じてきた。しかしそのアロンソが来季マクラーレンに移籍となり,その行き先が注目されていた。マクラーレンは来季から「ボーダフォン」がメインスポンサーになることが決まっており,テレフォニカもアロンソとともにマクラーレンに鞍替えというわけにはいかなかったようだ。傘下の「O2」ブランドで行っているBMWザウバーへの支援を打ち切ったことで,テレフォニカは来シーズン,ルノーのメインスポンサーになることも考えられる。

 その一方で長年にわたりベネトン~ルノーのメインスポンサーを務めてきた「マイルドセブン」(JT)は,今シーズン限りでのF1撤退が現実を帯びてきている。JTは1992年にヴェンチュリ・ラルースからデビューした片山右京とともに「キャビン」ブランドでF1に登場。1994年からは「マイルドセブン」ブランドでベネトン(現ルノー)のメインスポンサーとなり,以来13年に渡りその支援を続けてきた。しかし,EU加盟国で始まったタバコ広告の全面禁止に伴い,マクラーレンを支援してきた「ウエスト」が,昨シーズン途中で撤退するなど,長年F1界を支えていたタバコマネーは,サーキットから姿を消そうとしている。

 過去にスポンサーとしてF1に係わった日本企業は枚挙にいとまがないが,1つのチームのメインスポンサーとしてこれだけ長期にわたって係わってきた企業はJT以外に存在しない。'80年代後半から'90年代前半のバブル時代には多くのジャパンマネーがF1界に進出したが,そのどれもがバブル崩壊と同時にF1から手を引いていった。しかしその中に於いてJTは着実に足場を整え,昨年遂に「チャンピオンブランド」としての栄誉を勝ち取っている。この十数年でマイルドセブンは世界中にその名を知らしめることとなった。事実JTの海外たばこ事業は好調であり,国内を併せた販売シェアは世界第3位という地位を確立している。

 スポンサーとして初めてF1マシンに描かれたのは,1968年にロータスをイギリスのインペリアル社が「ゴールドリーフ」ブランドで支援したことが最初である。以来多くのブランドがF1マシンを彩っていたが,現在F1界に残っているタバコマネーはJTを除くとフェラーリのメインスポンサーである「マールボロ」と,ホンダの「ラッキーストライク」を残すのみとなっている。マールボロは今後もフェラーリへの支援を続けていくことを表明しているが,ラッキーストライクもマイルドセブン同様今シーズン限りで見納めとなるだろう。長いF1の歴史の中で,40年近くもその足下を支えていたタバコマネー。極彩色のマシンがグリッドを飛び立つ姿は,もう過去のものになろうとしている。 

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2006年8月 5日 (土)

一貫性のない判定

 今シーズンの流れを一気に変えてしまうかもしれないペナルティが,ルノーのフェルナンド・アロンソに与えられそうだ。アロンソが昨日行われたフリー走行中に,イエローフラッグ区間でレッドブルのロバート・ドーンボスを追い越し,更に「異常なスローダウン」をし走路妨害をしたというもの。ハンガリーGPのレーススチュワードはペナルティの詳細を,黄旗追い越しと走路妨害それぞれに対してそれぞれ1秒,合計2秒を公式予選の各ピリオドで加算するとしている。これにより追い越しの難しいハンガロリンクで,アロンソの上位進出は絶望的。タイトル争いに暗い影を落とすペナルティになる。

 ペナルティがレース結果やチャンピオンシップ争いに大きな影響を与えたケースは少なくない。モナコGPでフェラーリのミハエル・シューマッハが,公式予選中に故意にマシンをストップさせたとして,公式予選のタイムを抹消され最後尾スタートを言い渡されたことは記憶に新しい。これによりシューマッハは一時チャンピオンシップの流れを完全にアロンソに奪われている。過去にさかのぼれば'97年,ドライバーズタイトルをウィリアムズ・ルノーのジャック・ビルニューブと争っていたシューマッハ自身も,タイトル争いを接触で終わらせようとしたあげく,シーズンの全ポイントを剥奪されている。

 さて,アロンソのペナルティは自業自得なのだが,問題なのはそのの判定基準が曖昧なことである。違反に対するペナルティは各GPのレーススチュワードが行うが,いかんせんこの判定に一貫性がない。今回のアロンソのような黄旗追い越しや走路妨害に対しては,レース中ならばドライブスルーペナルティや,レース結果へのタイム加算ペナルティが課せられたこともあった。しかし,フリー走行中の違反に対して「1度の違反で1秒加算」というペナルティが課せられるのは今回が初めてである。フリー走行中によくあるのがピットレーンのスピード違反だが,そのほとんどが罰金で済まされている。今シーズンから全レースに帯同するスチュワードもいるはずだが,一貫性のない判定は未だ続いている。

 1990年に現SAF1の鈴木亜久里代表が在籍していたエスポラルース・ランボルギーニは,ローラ社製のシャシーを使用しているにもかかわらず,登録名称が「ラルース・ランボルギーニ」だったことを理由に,全コンストラクターズポイントを剥奪されている。昨シーズン,B・A・Rホンダの3レース出場停止もそうだが,F1シーンにおけるペナルティは,多分に政治的な要素が含まれていることは今更言うまでもない。今回のアロンソへのペナルティにそういった要素はないのかもしれないが,「タイトルを奪い取ろうというのか」というフラビオ・ブリアトーレ代表の怒りも理解できる。マス・ダンパーの問題も含めルノー&アロンソにとっては「泣きっ面に蜂」のハンガリーGPになりそうだ。

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2006年7月30日 (日)

王者アロンソの焦り

 普段ならタイムチェックだけして予選をリアルタイムで見ることはないが,SA06の初戦ということもあり,久しぶりに予選をじっくりと見た。しかも地上波で・・・。PPは今季初となるマクラーレンのキミ・ライコネン。2-3番手にフェラーリのミハエル・シューマッハとフェリペ・マッサの2台が続いた。ライコネンはQ2までのタイムを考えると,燃料搭載量がフェラーリに比べ少なめと思われる。そう考えるとトップ3の順位は妥当なのだが,驚いたのは4-6番手にホンダの2台がつけていることだ。フリー走行からのタイムも安定しており,いよいよ最新鋭の風洞から生み出された空力パッケージが効果を発揮し始めたと考えられる。

 好調なホンダとは対照的に,いまひとつ速さが見られないのがルノーである。ジャンカルロ・フィジケラは5番手,フェルナンド・アロンソに至っては今季最悪の7番手に沈んだ。シューマッハに連勝を許しているルノーにとっては,「敵地」ドイツでその勢いを止めたいところだが,逆に自分たちが失速を始めている。ミシュランの持ち込んだタイヤのスペックが,今ひとつマッチしないことも影響しているだろうが,同じミシュラン勢のホンダが好調なことを考えると言い訳にはならない。むしろ,今回から禁止されたマス・ダンパーの影響が大きいと考えるほうが自然だろう。

 Q3中盤,ピットアウトしたアロンソの前にシューマッハのマシンが前に割って入る,レースさながらのシーンが国際映像に映し出された。コックピットで拳を振り上げ,シューマッハに対して怒りをあらわにするアロンソ。とは言えピットアウトのタイミングはシューマッハ自身が決めたのではなく,ロリーポップマンの指示に従っただけである。アロンソは抗議すると息巻いていたようだが,そうしたところでレーススチュワードは問題にもしないだろう。それよりも気になるのが,端で見ていてもはっきりとわかるアロンソの焦りだ。前半戦に見せた余裕はなく,追われる者の苦しさがひしひしと感じられる。

 最後に注目のSAF1だが,佐藤琢磨がミッドランドの間に割って入る17番手。午前中のフリー走行でコースアウトを喫しマシンを大破させた山本左近は,SA05に乗り換え21番手となっている。SA05の使用は不測の事態であったが,チームにとっては思わぬ「比較テスト」となったようで,チーム首脳陣は05と06の差に興味津々。2台の差は約3秒強となっており,SA06のポテンシャルアップが確認された。一方その原因を作った左近だが,コースアウトについても「限界を試したら飛び出しちゃった」と涼しい顔。経験の少なさから今回のようなミスもあるだろうが,スムーズな走りは今後の可能性を期待させる。ミッドランドに追いついてご機嫌の琢磨もうかうかしてはいられない。

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