嵐を呼ぶ?STR2
テストとは,今まで机上で計算してきた理論を実践の場で試すことにより,様々な問題点を洗い出し,来るべき本番に備えるものである。テストならばいくら間違いを犯そうが,まだ修正が効く。本番ではなかなかチャレンジできないことでも,テストならばトライすることもできる。毎年オフシーズンは,非常にに多くの合同テストが行われるが,今季ほど混戦を予感させるテストはないだろう。ワンメイクとなったタイヤの影響もあり,各マシンのタイムが非常に拮抗していることもそうだが,どのチームも信頼性を確保しきっていないことが,単純な速さだけでは予想できない状況を生み出している。
さて,このオフシーズンの話題を独占していた,SAF1とトロ・ロッソのシャシー問題だが,ついにその一つであるトロ・ロッソが,ライバルのひしめくスペイン・バルセロナで,「疑惑の新型車」STR2を公開した。姿を現したSTR2は大方の予想通り,外見からはレッドブルRB3とどこが異なるのか全く分からないほど,瓜二つのマシンとなっている。このSTR2は走りではなく論争で,嵐を呼ぶことになるのは間違いないだろう。もちろん搭載しているエンジンの違いもあり,細部には異なる部分を見つけられるのだろうが,それを以て「STR2とRB3は,同じマシンではない」とゲルハルト・ベルガ/共同オーナーがいくら主張しても,周囲が納得できるものではないだろう。
新型車の公開と併せて,トロ・ロッソは,今季のドライバーとしてヴィタントニオ・リウッツィを起用することを明らかにしている。トロ・ロッソで2年目のシーズンを戦うリウッツィは,早速STR2のシェイクダウンを行う予定であったが,テスト終了直前にコックピットに乗り込んだものの赤旗が出てしまい,結局初走行は明日にお預けとなっている。一方で,もうひとりのドライバーは,依然として未定とされている。しかし,チームと交渉をしていた前スパイカーのティアゴ・モンテイロが,「残念だけど,僕が今季F1で走る場所はなくなった」とシート獲得競争に白旗宣言をしたことから,契約交渉が大詰めとなっている,スコット・スピードの続投が最有力と見られている。
トロ・ロッソがSTR2をデビューさせたことにより,問題視されている「カスタマー・シャシー」に対して,「実物を見てから,調停に持ち込むか否かを決める」としていたスパイカー&ウィリアムズの反応が気になるところである。今後トロ・ロッソは,ライバルチームの厳しい批判にさらされるだろうから,それに対し「引き返したくても引き返せないところまで進んでしまった」と,開き直りの境地に達しているベルガー氏が,どのように反論してくるのかも興味がある。これで新型車を発表していないのは,SAF1を残すのみ。今更じたばたしても仕方ないだろうから,大人しく成り行きを見守るしかないか。
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